2007年 06月 14日
「佐藤琢磨、電光石火の走りカナダで復活」で一句
【6月11日 AFP】F1第6戦・カナダGP(Canada Grand Prix 2007)、決勝。
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(c)AFP/Getty Images
ハミルトン 霞ませる走り タクマジック
[解説]
ルイス・ハミルトンついに優勝!!
待ちに待った感があったのに、いざ実現するとあっけないもんです。
アレだけ荒れまくったレースでただ1人。
慌てず騒がす沈着なレース運びで無傷のポールトゥーウィン。
全盛期のミハエルを思わせる「アンタッチャブル」状態。
まあ、見所満載でお腹一杯なカナダGPでしたが、
本当のメインディッシュが最後の最後に登場。
ナンと終盤、スーパーアグリの佐藤琢磨が最高の走りを魅せてくれたのです。
久々のタクマジック。目も覚めるようなオーバーテイク!
しかも相手はトヨタのラルフ。そして、マクラーレン&王者アロンソ!?
前戦モナコでの鬱憤を一気に晴らす大活躍で望外の3ポイントまでゲット!
もう、おいしいトコ総取り。スーパーアグリ万々歳。
さぞ亜久里オーナーも笑いが止まらない事でしょう。
残された課題は、アンソニーの入賞ぐらい…ですか?
[雑感]
将来、F1史を振り返る際、2007年カナダGPが開催された6月10日は、
「若き天才ルイス・ハミルトンが初優勝を記録した日」として語られるでしょう。
しかし、1979年フランスGPがルノーターボ初優勝としてより
ジルvsアルヌーの激戦の日と記憶されるように
私たち日本人はおそらくこの日を
「琢磨がアロンソをブチ抜いた日」と永く記憶に止める事でしょう。
そんな「F1版:日本人が忘れちゃいけないあの日」をあれこれピックアップ。
◆1974年4月7日
デイリーエクスプレス・インターナショナルカップ(非選手権)
「日本人が初めてF1でレースをした日」
1973年の富士GCチャンピオン、高原敬武(22歳)が
ワークスマーチ741でレンタル参戦しました。
シルバーストーンを舞台に11台のF5000マシンも混走する全26台中、
予選14位>決勝11位というリザルトもしっかり残しています。
(「F1全史」からの受け売り情報)
彼は2年後の富士にも参戦し、3人の日本人(高原・星野・長谷見昌弘)中
最高の「9位」完走を果たします。
タイヤの摩耗をきちんと見越した走りを地道に続けた結果でした。
◆1976年10月24日 F1イン・ジャパン
F1初上陸。豪雨の決勝。ラウダのたった2周リタイア。
そしてジェームズ・ハントチャンピオン決定。
いろいろあるでしょうが、何と言ってもこの日は
「星野一義が並み居るF1レーサーたちをブチ抜いた日」
として記憶されるべき日。
「おい、お前ら。オレが後ろについたら抜かれたい方の手を上げろよ。
安全に抜いてやっからよ(笑)」(by ジョディー・シェクター)
生意気盛りな26歳の若造の一言にカチンときた29歳の星野は、
古いティレル007で最新6輪ティレルに乗るシェクターに
コース上で目にモノ見せてやります。
予選21番スタートの星野はスタートで
ガードレール際を突き抜け、一気に7位までポジションアップ。
その後もドゥパイエ、レガッツォーニ、ブランビッラ、
そして件のシェクターまで抜き去りついに3位を走ります。
この時の星野の激烈な走りに当時日本の走り屋たちはシビレまくったそうです。
(ニッポン最速男伝説!)
しかし、その後、天候回復で乾いてきた路面に交換タイヤが底をつき、
泣く泣くリタイアとなってしまいます。
◆1987年4月12日 ブラジルGP
言わずと知れた「中嶋悟デビューの日」
現代F1ならとうに引退してもおかしくない当時34歳の中嶋悟が
初めてフルエントリードライバーとして、
F1のスターティンググリッドについた日。
「本当にF1レーサーになったんだなあと思ったら涙が出てきた」と
当時の心境を語る中嶋の気持ちに多くの日本人ファンたちが思いを重ねました。
その姿はまるで
「負け戦をカクゴの上で敵陣に切り込んでいく老(←失礼)兵士」そのもの。
そんな日本人好みな悲壮感が、ふがいないレース内容でリタイアしても
「次こそは…」と多くの日本人ファンたちは希望を託し続けたのです。
◆1989年11月5日 オーストラリアGP
「初めて日本人が表彰台をリアルに感じた日」
ホンダエンジンを失い、ティレル移籍も決まった中嶋のロータスラン。
豪雨のアデレード。
上位陣が次々脱落していく中、「レイニー・ナカジマ」が本領を発揮。
前を行く3位パトレーゼ(ウィリアムズ)のすぐ背後まで近づきます。
日本中のテレビの前で「ガンバレ!あと1人。抜けー中嶋ァ!!」と
叫んだ人が何人(いや。何千…ん万?)いた事でしょう。
水しぶきがインダクションに入り、
エンジンがミスファイアしかけたために中嶋は3位取りを断念します。
◆1990年10月21日 日本GP
「日本人が初めて表彰台に立った日」
現スーパーアグリ代表鈴木亜久里が
実質的なデビュー年に母国で表彰台を獲得します。
セナ・プロスト対決のあまりにも想定外な結末に呆然とする鈴鹿の大観衆。
彼らを救ったのは、ポディウム上から振りまかれた亜久里スマイルと
苦労人ロベルト・モレノの感動の涙でした。
「ああ、先に行かれちゃったな。でも、来年はオレの方が行けると思う」
6位中嶋のコメントに涙と期待で胸を熱くしたファンも少なくなかったはずです。
◆1994年7月31日 ドイツGP
「日本人が表彰台どころか本当に優勝できるかも…
と一瞬(0.3秒ぐらい)思えた日」
この年のティレルヤマハ&片山右京には「可能性の燦めき」がありました。
予選5位の片山右京はスタートでデーモン、ミハエルをごぼう抜き。
いきなり3位へポジションアップします。
アレジのスローダウンもあり、後方のマルチクラッシュを尻目に
「2位/右京」の姿が一瞬映ります。
すぐにミハエルに抜き返されますが、
ホッケンハイムの森を単独3位でひた走る姿が5周ほど続きます。
「まあ、少なくとも表彰台は固いか…」
ちょっとガッカリしつつもまだ甘い夢を見ていた6周目。
突然、アイルトン・セナカーブでスピンしている右京の姿が飛び込んできます。
そのままピットイン、そしてリタイア。原因はスロットルトラブルでした。
2週後のハンガロリンクでも右京は5位を獲得しますが、
こちらの夢はオープニング早々の2コーナーまで。
スタートで出遅れた右京はジョーダン勢に挟まれたまま
巻き添え接触でリタイアします。
◆2004年6月20日 アメリカGP
ご存じ「日本人が実力で表彰台に上がった日」
この年の佐藤琢磨は、予選から2〜3位を取り、
決勝でもミハエルをモノともしない攻撃的な走りで可能性を感じさせました。
ただ同僚バトンのソツのない走り&確実に結果を残すスタイルと比べると
ついつい「粗雑」と捉えられがち。
ここ2年ほどの琢磨への評価は「もう終わったレーサー」
が大半だったように思われます。
それでも彼のファイティングスピリッツ溢れる走りを
忘れられないファンは世界中にいます。
今年のカナダの走りは、まさにそんなファンたちへの「プレゼント」でした。
とりあえず、日本人ドライバーに特化してのピックアップ。
ですから「ホンダ」や「ブリヂストン」などの
企業的「忘れられない日」は外しています。
しかし、「メイド・イン・ジャパン」チーム、
スーパーアグリの躍進はどこまで行っちゃうんでしょうか?
なーんて考えているうちにもう目の前の週末は、
琢磨思い出の「インディアナポリス」。
「オイオイ、またまた新しい「タクマジック」見れちゃう?」
なーんて事ワクワク期待しながら、愉しい眠れない夜を過ごしましょう。
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登録日:2007年 06月 14日 11:01:31
- プロフィール
- 斎藤モ吉
- (男)
- 福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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