2007年 07月 21日
「10年に一度あるかどうかの超近接戦闘状態?」で一句
ハミルトン ヨーロッパGPフリー走行1回目でトップタイムを記録
【7月20日 AFP】F1第10戦・ヨーロッパGP(Europe Grand Prix 2007)、フリー走行1回目。
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(c)AFP
勝ち負けは 数センチ幅の 綱渡り
[解説]
ここまで9戦を振り返ってみると
確かにフェラーリとマクラーレンは抜け出た戦績を挙げています。
基本的に勝敗は、チーム力とマシンの出来とドライバーの才能
これらの総合力の差で決まるものです。
しかし、カナダでの琢磨-アロンソ戦を見ても分かるように、
マシンとレーサーの実力に差があったとしても
タイヤ選択ひとつでそのアドバンテージを逆転できるほど
各チーム間の実力差は極々わずかなのです。
それは数センチ幅のロープの上で綱渡りをしているようなもの。
上手く渡りきれたなら勝利の美酒と高い賞賛を味わえますが、
足を踏み誤れば、地獄のような日々へと真っ逆さまなのです。
[雑感]
バーニー・エクレストンやマックス・モズレーの思惑通り、
レギュレーション改正によってチーム力の平均化は順調に進んでいます。
それは予選タイムの差を見ればはっきりしています。
2007年、イギリスGPの首位ハミルトンの予選タイム《1’19’’997》
その1秒後ろ《1’20’’823》のリウッツィ(トロロッソ)まで
その間に14台のマシンがひしめきあっています。
セナ・プロスト時代、無敵のマクラーレンが席捲した1989年。
同じイギリスGP、首位セナの予選タイム《1’09’’099》
その1秒以内《1'09''863》のパトレーゼ(ウィリアムズ)まで
プロスト、マンセル、ベルガーのたった3人しかいない
そんな時代とは隔世の感があります。
◆第6戦 カナダ
期待の大型新人ハミルトンが初めてのサーキットで初ポール&初優勝。
一方の王者アロンソは型落ちマシンのスーパーアグリにパスされる屈辱。
<マクラーレン>
毎年、クラッシュするクルマが多く、セーフティーカーが出やすいサーキット。
ピットイン戦略はモナコ以上に重要だったはずなのに…
「タンクに燃料がなかったからペナルティ覚悟で入るしかなかった」
アロンソをそんな最悪のタイミングでピットインさせたマクラーレン。
モナコで釈明したほどのSC対処法がカナダでは活かされなかった事に疑問。
ハミルトンだけトラブルフリーで楽々と優勝を手にします。
<フェラーリ>
マクラーレン以上にピットインがグダグダだったフェラーリ。
マッサ、ライコネン2人同時ピットインでライコネンが後方へ脱落。
マッサは、不注意でピットレーンの赤信号を無視して失格。
◆第7戦 U.S.A.
ハミルトンがまたも初めてのインディーを制して連続優勝。
インディー有利と見られたフェラーリ。マクラーレンに着いていけないまま終了。
<フェラーリ>
マッサ・ライコネンどちらも燃料多めのタンクでスタート。
マッサは有利なソフト、ライコネンは不利なミディアムをタイヤ選択。
しかし、どれも快調マクラーレンを追い抜くほどの効果は得られず、
終盤、味方同士で3位争い。チームから「ポジションキープ指示」で手打ち。
<マクラーレン>
新人ハミルトンのブロックライン取りの巧さにアロンソ脱帽。
タイヤも燃料も条件はほぼイーブンでのガチンコ勝負はハミルトンの勝利。
GP終了後、ライコネンとアロンソにチーム移籍の噂が立ち始めます。
◆第8戦 フランス
チーム離脱を噂されるほどの不振ぶりから見違えるほど変わったライコネン。
ポールスタートの同僚マッサから首位を奪っての逆転勝利。死んだフリだった?
<マクラーレン>
アロンソは予選のマシントラブルで10位スタート。
エンジンの19000回転規制でオーバーテイクが難しく7位入賞がやっと。
スタートでいきなりライコネンにパスされたハミルトンは、3位キープのまま終了。
<フェラーリ>
F2007お得意のエアロサーキットのマニクール。
予選、絶好調のマッサはポールから、ライコネンは燃料多めで4番手スタート。
決勝は、ライコネンがピットイン直前の2回のクリアラップを有効活用、
マッサから優勝をもぎ取る。今期やっと2勝目でチャンプ候補としての面目躍如。
◆第9戦 イギリス
ポールポジション獲得で地元民を湧かせたハミルトン。
しかし、決勝は本気モード全開のライコネンがスキ無し2連勝。
<マクラーレン>
実力伯仲の2強による予選最終セッション。
アロンソがそれまでのトップタイムから燃料やや多めで勝負。3位。
ハミルトンはレース仕様ではフェラーリの方が有利と見たか?地元の意地か?
燃料軽めで首位奪還を目論む。ライコネンのミスに救われてポール。
タイヤ選択は、ハミルトンがコンサバなハード-ハード-ソフト。
一方のアロンソは、ソフトを短めの第2スティントに挟む戦略。
ハミルトンは第1スティントが短過ぎ、十分なマージンを稼げず3位転落。
2回目のハードもライコネンに阻まれてタイムが伸び悩み、アロンソに前を取られる。
前半で失ったタイム差を不利なソフトでは挽回ならず3位キープの走りで終了。
アロンソもハミルトンには勝ったもののライコネンには届かず無念の2位。
<フェラーリ>
金曜のフリー走行から自信のあったライコネンはポールトゥーウィンを目指す。
しかし、最終予選最終コーナー。攻めすぎて《上手の手から水》ポールを逃す。
それでも決勝では、マニクールと同じ《ピットイン直前ラッシュ走法》を披露。
必死に追いすがる敵に圧倒的なタイム差を見せつけ、これを沈黙させる。
堂々の2連勝。ライコネン&フェラーリの無敵ぶりをアピールする。
一方のマッサは、スタートでエンスト。ピットスタートへ回される不運。
かつての《バリチェロ・モード》にハマリ出した予感。
・・・・・・
フェラーリの北米2連戦不調の原因は、
「ワンメイクタイヤ」と「エンジン19000回転制限」というレギュ変更で
一番マージンの損失が大きかった事、「SC導入」の不確定要素が多すぎた事
などがに大きく響いたのかもしれません。
そして、モナコは最初からフェラーリにとって「捨てレース」だった…。
そう考えるとフェラーリの不調→復調は、「シナリオ通り」の展開で
マクラーレンの絶好調ぶりは
「単に運良く勝ち星を拾っただけ」なのかもしれません。
まもなく開かれるニュルブルクリンクでの決勝レース。
今年のチャンピオンシップの流れを見極める
もっとも重要なレースになるかもしれません。
去年、ここで開かれたGP2ではハミルトンが
レース1&2で信じられない圧勝劇を見せてくれたのですが…果たして。
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登録日:2007年 07月 21日 11:00:18
- プロフィール
- 斎藤モ吉
- (男)
- 福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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