2007年 09月 14日

「ルイス、聖地モンツァでキミを撃沈」で一句

ハミルトン イタリアGPを2位でフィニッシュ

【9月10日 AFP】F1第13戦・イタリアGP(Italian Grand Prix 2007)、決勝。2番グリッドからスタートしたマクラーレン・メルセデス(McLaren Mercedes)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、1時間18分43秒868を記録して2位でフィニッシュした。(c)AFP

AFPBB News


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1コーナー ルイス炸裂 オーバーテイク

「モンツァの歴史は、F1の歴史」
そう言われるほど、人々の記憶に鮮烈なレースの残像を刻みつけ
数々のドラマを生み出してきたF1の聖地モンツァ。
今年のイタリアGPも、見せ場の多いドラマチックな一戦でした。
なんと言っても最高の見せ場は、
ルイス・ハミルトンがキミ・ライコネンを1コーナーでパスした瞬間。

GP2時代からハミルトンを応援し続けてきたファンが、
「待ってました!」と思わず身を乗り出すような
実に“ハミルトンらしい”鮮烈なオーバーテイクシーンでした。

◆モンツァのコースの覚え方
モンツァのコース図を絵にすると、
左手で掴みやすく置かれたピストル(ブローバック型自動拳銃)のカタチをしています。
銃口が相手側、銃把(グリップ/握り手)が左側を向いているカンジです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Circuit_Monza.png

そうするとスタート・ゴール地点は銃身のちょうど真ん中あたり。
手前に向かって、薬莢の排出口あたりが「1-2コーナー」
(オールドファンには、レティフィロ・シケインと言った方が通りが良いでしょうか)
グルッと回り込む「クルバ・グランデ」が撃鉄まわり(今回クルサードがクラッシュした場所)
銃の握りの凹み部分(ちょっと下過ぎるけど)が「バリアンテ・デラ・ロッジア」
グリップの底全体が「クルバ・ディ・レズモ」
(細かく“レズモの1個目・2個目”と言い分けたりします)
指で握るグリップの緩いカーブあたりが「クルバ・デル・セラグリオ」
(陸橋のある森の深い部分。今回ライコネンがクラッシュしたのはこの先)
グリップのラインが銃身に突き当たる部分が「クルバ・デル・ヴィアローネ」
様々なドラマの舞台となるシケイン「バリアンテ・アスカリ」はまさに《引き金》部分
銃身の下部分の長い直線を抜けた先、丸みを帯びた銃口が最終の高速カーブ「パラボリカ」

以上でモンツァの1周が完了です。
ちなみに「クルバ」というのは「カーブ(コーナー)」の事。
「バリアンテ」は「シケイン」。(イタリア語で「異なる」の意味)
どうでしょう?なんとなく覚えられたでしょうか?

もっとカンタンに覚えたいなら
《レティフィロ - ロッジア - アスカリ》の3つのシケイン。
その間に《グランデ - レズモ - パラボリカ》の3つの大きなカーブがある。
という風に覚えましょう。

◆アロンソの遺恨
思い返せば1年前。アロンソはここモンツァで煮え湯を飲まされました。
最終予選中、フェリペ・マッサの進路を妨害したとしてベストタイム3つを抹消。
抗議する事すらできず、泣く泣く10番手スタートとなります。
それでも決勝では、懸命の走りを見せ表彰台圏内まで登り詰めた…ゴールまで残り10周。
追い上げによるムリが祟ったのか、ルノーエンジンが白煙を上げてストップ。
ミハエル・シューマッハとの間にあった12ポイントのマージンが一瞬で2ポイントに。

そんな遺恨を晴らさんばかりにアロンソは、フリー走行から快走してみせます。
そして、決勝でも“アンタッチャブル”なポールトゥーウィン。
今回ばかりは、ルイス・ハミルトンにまったく付け入る隙を与えませんでした。
完璧なレースで10ポイント追加。同僚との差を3ポイントまで詰めます。

◆ライコネンの不運
2年前、ライコネンがアロンソとチャンピオンシップを争っていた時。
ここモンツァでライコネンは見事ポールポジションを獲りました。
しかし、午前中にエンジン交換していたためにポジション降格。
11番手スタートを挽回するため1回ピット作戦を予定。
激走に次ぐ激走で2位までポジションアップしたところでピットイン。
しかし、交換したリアタイヤに不調が発生し、再度ピットイン。
せっかくの苦労が水の泡。
それでもライコネンはあきらめず、ファステストを出しながら4位フィニッシュ。
しかし、同僚モントーヤの優勝を見れば全てが徒労にしか思えませんでした。
結局、このシーズンはアロンソにチャンピオンシップを奪われます。

そして、去年。ポールスタートだったライコネン。
しかし、最初のピットインでミハエルの先行を許してからは手も足も出ず。
最終的に2位キープの走りで収まってしまいます。
「来期フェラーリへの移籍を前にわざとミハエルに花を持たせた?」
などと穿った見方もチラホラありましたが、チャンピオンシップにも無関係なので、
次戦ベルギーへ向け、エンジンにもムリをさせたくなかったのでしょう。

そして、今年。
フリープラクティスでの高速クラッシュで痛めた首で激走。
しかし、ハミルトンにオーバーテイクされてからは気力が落ちたのか、
あるいは、より有利な次戦ベルギーのためにエンジンを温存するためか、
ガックリとペースが落ちました。ライコネンの不運がこれで終われば良いのですが。

◆マッサの可能性
モンツァでリタイア/ノーポイントとなったマッサ。
彼のチャンピオン獲得の可能性はいよいよ厳しくなりました。
もしも、残り4戦をマッサがすべて勝ったとして、総得点は109ポイント。
ハミルトンが勝つために必要なのは「18ポイント」。4位を4回で逆転可能です。
アロンソは「21ポイント」。3位を4回で逆転可能です。
ライコネンが勝つために必要なのは「36ポイント」2位4回では逆転できません。
同僚には勝てるチャンスはありますが、マクラーレンの2人を負かすためには
よほどの奇跡でも起きない限り“実現”は難しいでしょう。

◆ハミルトンの本領
今回のライコネン攻略。実に見応えのあるオーバーテイクでした。
しかし、ライコネンがクラッシュによってダメージを受けている事。
ソフトタイヤ交換直後によるアドバンテージの大きさなどを考えれば、
あの1コーナーでの出来事は「実力6:好運4」ぐらいの結果でしょうか。

同僚のアロンソに、まったく付いていけなかった事。
それを考慮に入れるとチャンピオンシップ競争はイエローランプ点灯状態です。
残り4戦でアロンソに3ポイント差。果たして逃げ切れるのか?
ここからは未曾有のプレッシャーが襲いかかる、経験がモノを言う世界。
逆上して暴言を吐くような精神状態では、勝ち目はないでしょう。

◆ちょっとヤな感じ
そこでちょっとヤなのが『マクラーレンスパイ疑惑に関する聴聞会』の存在。
すでに「ポイント剥奪」をチラつかせながら情報提供を
マクラーレンのドライバー3人(デ・ラ・ロサも?)に対して強制しようとしてるとか…。
こんな押し詰まった状況で「上半期のポイント剥奪」なんて事になっちゃって、
フェラーリの2人にチャンピオンシップ争いが移行…なんて事もまんざらではナイかも。
ヤだな〜そんな事でライコネンがチャンピオンになっても。

後ちょっと気になった事。
ライコネンのクラッシュシーンの映像。
マシンが壊れた瞬間、肝心の「コンマ数秒」が間引かれている事。
フェラーリの意向?FIAの思いやり?ちょっと気になる。

◆ロズベルグの活躍
今回は、ロズベルグの活躍が目立ったのもうれしい。
かつての名門ウィリアムズも凋落傾向に歯止めが利かない感じなので
こうしてコース上で元気な活躍を見せる事でチーム状況も上向いてほしいトコロ。
それはスーパーアグリにも言える事。琢磨には、もう一踏ん張りお願いします。
バトン、バリチェロのホンダ勢もガンバレ。
ラルフ、トゥルーリのトヨタ勢もガンバレ。

◆今回の残念賞
去年のモンツァで大暴れしたBMWのクビサ君は、実に残念でした。
あのフロントジャッキのひっかかりで失った10秒以上のタイム。
アレさえなければ終盤、ハイドフェルドとのガチンコ同門対決が見られたのに…惜しい。

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登録日:2007年 09月 14日 00:14:45

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プロフィール
斎藤モ吉
(男)
福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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