2009年 05月

スペインGPで運の悪かった男たち

バトンがシーズン4勝目 ブラウンGPが1・2フィニッシュ、スペインGP

【5月11日 AFP】(写真追加)09F1第5戦スペインGP(Spanish Grand Prix 2009)決勝。
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(c)AFP

AFPBB News


バリチェロがひさびさに優勝!?と思わせながらズルズル後退、結局2位。
バトンのシーズン4勝目。う〜ん、ジェシカちゃんが喜ぶ姿はカワイイけれど、
ちょっともう見飽きてきた感?
1周目のマルチクラッシュとリタイア以外には、さしたる順位変動もなく
マッサのガス欠ちびりラップという言語道断、問題外な展開を除けば、
概ね“つまらないレース”という印象だったスペインGP。

ところが舞台裏を聞くとかなりサスペンスたっぷりな展開だったらしい。

ひとつはブラウンGPのピットインタイミングの裏。
ポールのバトンが、スタートでバリチェロに先行されたコトと
オープニングラップの多重クラッシュでスロー走行が続いたために
すっかり「3ストップ」の計画がオジャン。

そこでバトンには「2ストップ」に作戦変更を指示。
一方のバリチェロには2周早めにピットインさせ「3ストップ」のまま続行させた。
ところが結果的には「2ストップ」のバトンが優勝。
「すわ、チームオーダーか!」と疑念がわいた方も多かったのでは?
ところが、この作戦変更の意図にはロズベルグが絡んでいたらしい。

タイミングモニターで各ドライバーのラップチャートをチェックしていたブラウンGPの首脳陣は、バトンとバリチェロの1回目のピットインに際して、どちらも下手をするとウィリアムズのロズベルグの後ろについてしまう可能性があるコトを懸念していた。
ロズベルグのタイムは不安定で、その後ろを走る事はイコール「タイムロス」を意味していた。

事実、レッドブルのベッテルは遅いフェラーリのマッサに頭を押さえられ、
折角のマシンの速さを生かせずジリジリと無駄な周回を重ねていた。

そこで首位のバリチェロには、ロズベルグの頭を押さえられそうな2周早いタイミングでピットインさせ、逆にバトンにはピットインを1回キャンセルする2回ピットインでロズベルグとニアミスする危険を回避させたという。

結局、バリチェロが後退したのは「操縦性の悪化」によるラップタイムの低下のせい。2回目のピットインで履いたタイヤの内圧が間違っていたのか、マシントラブルかは原因は分からないが、チームオーダーによる意図的な順位移譲ではなかったようだ。

せっかくのチャンスをフイにしたバリチェロには、
不運だったとしか言いようがない。

では、もう一人の不運な男。ベッテルはどうか?
なぜ、マッサについて回ってしまったのか?ギモンが大きすぎる。
2回ピットインのタイミングまでピッタリ、マッサと同じ。
早めるなり、遅く入るなりでマッサをやり過ごせば多分、ウェーバーの前。
つまり、表彰台に上がれたはず。上手くいけばバリチェロも食えたかも…。
後悔先に立たず。

そして、一番不幸だった人。マッサその人。
最終ラップを目前にしてチームラジオから
「ごめーん、なんか燃料が1周分足りなかったみたーい。燃費走行でヨロ」
なんて言われちゃって、「はあぁあああ????」だったコトでしょう。
「ワッキャナイドウ?(どないせえっちゅーん?)」
って、悲壮な嘆き声が同情を誘った。

結局、必死に押さえこんできたベッテルにも抜かれ、
地元の大声援を受けるアロンソにまで抜かれ、屈辱の6位フィニッシュ。

どーしちゃったのか?フェラーリ。
本当に「ダメ跳ね馬」時代に逆戻りしかねないこれまでの展開。
すでにメディアでは、戦犯捜しが始まっているようだが、
集中力の低下、疑心暗鬼、戦意喪失、戦線離脱、朝令暮改…。
ありとあらゆるダメダメスパイラルにチーム全体がかき乱され、
打開策の糸口が見えなくなるあの《暗黒時代》がまたやってくるのか?
ちょっと鬱。

マクラーレンも同様。
ホンダとセナを失った後の迷走時代に似てきている。
若いハミルトンには、まだチームに《勝つムード》を呼び込むほどに力がない。
それどころか開幕戦での「偽証疑惑」によってチームとの間に隙間風が生じさせてしまっている。後ろ盾、ロン・デニスも失い立場が不安定なハミルトン。
同様に決定権を持つ舵取り役がいないチーム・マクラーレン。
このフラフラ状態は、まだまだ続きそうな予感。

そして、トヨタ。
前回、バーレーンGPでせっかくの1-2スタートだったにもかかわらず、
戦略とマンパワーと気持ちの中で「絶対勝つ」ナニかが欠けていたのか?
結果、トゥルーリの3位という「いつもと大差ないポジション」に終わった。
その精神的ダメージのせいか?ここスペインではまったく光るとこナシ。
次戦、モナコまでに回復できるのか?こちらも不安だらけ。

開幕ダッシュの燦めきも何処へやらのウィリアムズ。
ロズベルグ一人の頑張りでなんとか体面は保てているものの、
ゆっくりゆっくりとチームの相対的評価は下降線を辿りつつある。
さらに中嶋一貴の評価も去年以上に厳しさを増していると思われる。
ルノーでは、ピケjr.のグロージャンとの交代が公然と囁かれているが、
ウィリアムズでも「2008-2009GP2アジア・チャンピオン」の
日本人へのスイッチが囁かれ始めていないだろうか?
とにかく「結果」がすべてである。

さあ、モナコでの運試し。吉凶や如何に!

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登録日:2009年 05月 19日 16:29:23

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プロフィール
斎藤モ吉
(男)
福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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