「北欧の白い牙キミ・ライコネン、完全復活!」で一句

ハミルトン 地元英国GPで3位入賞

【7月9日 AFP】F1第9戦・英国GP(British Grand Prix 2007)、決勝。
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(c)AFP

AFPBB News


ジョンブルの 希望の翼 ドーバーに墜ち

[解説]
第2次大戦初期、ドイツの軍艦ビスマルクを撃沈し、
イタリア艦隊に大打撃を与えたイギリス海軍航空隊の複葉機「ソードフィッシュ」。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ソードフィッシュ_%28雷撃機%29

そんな複葉戦闘機に似たフロントウィングを持つMP4-22で
フェラーリ艦隊を完膚無きまで叩き伏せたかに思われたマクラーレン軍団。
その真価が問われたドーバー海峡をはさんむ英仏2連戦。
驚異の天才ルーキー・ハミルトンに地元優勝の期待は沸点を越えます。
そんな英国民たちのフィーバーに冷水を浴びせたのは、
北欧の銀シャチ、キミ・ライコネンでした。

予選ではハミルトンにポールを奪われて激高したものの、
決勝レースではルーキーにはプレッシャーをかけるべく激しく攻め、
トップに立ってからはスーパーラップを連続で叩き出し、
後ろから追いすがろうとするチャンピオンに絶望感を与える。
ライコネンの「白い牙」と「尾のひとふり」にまったく歯が立たず、
マクラーレン2機は、撃ち墜とされドーバー海峡に沈んでしまいました。

[雑感]
開幕戦以来、久しぶりに見たキミの表彰台での笑顔。
やっとフェラーリのマシンとブリヂストンタイヤに馴染んできたライコネンが
マニクールとシルバーストーンで本来のキレた走りを取り戻し、
アンタッチャブルなレース運びで他を圧倒しました。

こうなるとあの北米2連戦のフェラーリ低迷がいよいよ不可解です。
マクラーレンの策略で使えなくなったフレキシブルフロアの影響?
スペインGP後に起きた風洞のムービングベルト破損事故のあおり?
ウソかマコトかナイジェル・ステップニー内部破壊工作のせい?

川井氏の言う「マシンの空力特性とコースの相性の問題」なのでしょうか?
では、フェラーリお得意のインディアナポリスで絶不調だった理由は?
そのへんのヒントを探すために今一度、
2007年前半戦のフェラーリvsマクラーレンをプレイバック。

◆開幕戦 オーストラリア
いきなりライコネンの移籍直後の初V。
F2007によるシーズン独走を匂わせるレースでした。

<フェラーリ>
ミディアムタイヤでスタートした第1スティントからラップ毎、
後続に1秒のタイム差をつける快走を見せたライコネン。
移籍後いきなりポールトゥーウィンを決め、「眠くなった」と余裕のコメント。
マッサの予選でのギアトラブルだけがマシンの不安材料でした。

<マクラーレン>
第1スティントでBMWハイドフェルドにアタマを押さえられ、
フェラーリとの差を決定的に広げられ勝利を失います。
予選で「ここ一発!」の速さを見せたアロンソもスタートでは出遅れ、
BMWのみならず新人ハミルトンにまで抜かれ後塵を浴びる始末。
ピット2回目の「時間調整」でやっと元チャンピオンの対面を保つ姿に疑問符。

◆第2戦 マレーシア
マクラーレン、1年半ぶりの勝利。
しかも堂々の1-2ウィンで完全復活を高らかに宣言。

<マクラーレン>
ポールのマッサをマクラーレン2台が攻略。
アロンソ先行、後ろのハミルトンがフェラーリ2台を押さえ込むチームプレイ。
ハミルトンの功に支えられレースは、マクラーレンが1-2位の圧勝。
決勝記録を見て面白いのは、このサーキットでマクラーレンの2台は
どのセクター区間でも最高速が遅め(バトン、琢磨、ブルツ以下の区間も)
だったにも関わらず、全ての区間でトップタイム1-2を計測している事です。

<フェラーリ>
せっかく手にしたポールを棒に振ったマッサは、墓穴を掘り続け後方へ。
ライコネンは、レース中盤を流し、終盤「ハミルトン攻略」に激烈な攻めを見せます。
全ラップで0.5秒上回るタイムで攻めるもタフな新人のミスは誘えませんでした。
F2007の「熱に弱い」という弱点が判明。

◆第3戦 バーレーン
開幕2戦の失策でバッシングの嵐に晒された
マッサが起死回生のポールトゥーウィンで勝ち名乗り。

<フェラーリ>
前回の汚名返上とばかりにマッサがポールから好スタート。
追いすがるハミルトンに対して、わずかなタイム差を重ねつつリードを広げ優勝。
勝負の決め手は、第2スティントで装着した“皮むきミディアム”でした。
ライコネンは、スタートでアロンソに先行されても慌てず騒がず、
エンジンを温存するためにマイペースな走りに徹して3位表彰台を確保。

<マクラーレン>
ここバーレーンで2人の明暗がくっきり分かれます。
新人ハミルトンは、フリー/予選/決勝すべてにおいてアロンソを上回ります。
マッサを追い抜く事はできませんでしたが、アロンソにもライコネンにも
背後を脅かされる事なくレースを終え、その評価をより高めます。
一方のアロンソは、「チャンピオンらしさ」を見せる事なくズルズル後退。
決勝全区間で最高速を記録しているのが、逆に「あがき」に見えます。

◆第4戦 スペイン
マクラーレンがフロントに2段ウィングを投入。
フェラーリ、マクラーレンともにチーム内下克上が浮上。

<マクラーレン>
地元スペイン。王者凱旋を待ちわびた国民に果たすべき義務。
「絶対勝利」のプレッシャーに耐えながら苛烈な走りを見せるアロンソ。
それをことごとく邪魔したのは「空気を読まない男」マッサ。
無念の予選2位から逆転勝利を目指した1コーナーの飛び込み。接触コースアウト。
優勝以外に価値のないアロンソの母国レースは、そこで終わった。
ハミルトンはまたもマッサの後ろで2位。
リスクを避け、確実にポイントを積み上げる新人離れしたクレバーさ。
スペイン国民からはブーイングされても世界評価は高位置をキープ。

<フェラーリ>
アロンソ相手に一歩も引かない負けん気を見せたマッサが2連勝。
基本的にレーススタイルは“先行逃げ切り”型。
コンスタントに好タイムを積み重ねて、リードをコツコツ築くタイプ。
一方のライコネンは、マシントラブルでリタイア。1回休み。

◆第5戦 モナコ
マクラーレン通算150勝目を伝統のモンテカルロ。
しかも圧倒的な差をつけ1-2フィニッシュ。チームオーダー疑惑さえなければ…。

<フェラーリ>
ここでF2007の2つの弱点が露呈。
ロングホイールベース(前後輪間が長い)による低速サーキットで反応の鈍さ。
ライコネンの予選でのクラッシュが操作性の悪さを物語ります。
それとタイヤに優しいマシン特性による「1発タイム」の出にくさ。
ファステストでマクラーレン2人にきっちり1秒の差がつけられています。

<マクラーレン>
モナコを独走したマクラーレン勢。それゆえに目立ったのは「ピット采配」。
ラップタイムで常にアロンソを上回り続けたハミルトン。
アロンソとハミルトンの白熱した一騎打ち、となるはずでした。
モナコ決勝の結果は、ピットインのタイミングで決まったと言えます。

・・・・・・

久しぶりなのでやたら長文になってしまいました。
ここらでひとまずブレイク。

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登録日:2007年 07月 20日 15:59:52

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プロフィール
斎藤モ吉
(男)
福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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