ポール・ストダート氏による声明文
【4月4日 AFP】自動車メーカーのメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)とBMWは3日、センセーショナルな話題で疑惑の渦中にある国際自動車連盟(Federation Internationale de l’Automobile:FIA)のマック・モズレー(Max Mosley)会長を「恥ずべき行為」と評し、激しく非難する声明文を発表した。
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(c)AFP
今回の騒動にもなんやかやと政治的なウラがあるようですが、
何はどーあれ、「悪」は滅びるべきだと思うんですがねえ。
多分に私怨もあるでしょうが、内容に感動したので、
拙くも辞書首っ引きで訳してみました。
かつての極貧ミナルディのチームオーナーだった
ポール・ストダート氏による声明文です。
引用先↓PITPASS
http://www.pitpass.com/fes_php/pitpass_feature_item.php
・・・・・・・・・
常日頃からF1を追っている人なら大抵の人が知っているであろう。
とても重要で…にもかかわらず頻繁に無視される…
《コンコルド協定》と呼ばれる公式文書の事を。
そこにはワールド・チャンピオンシップに関する
ありとあらゆる局面を支配するための言葉が事細かに記されており、
国際スポーツ規約とテクニカル・レギュレーションを
監督する専門機関はソレに従っている。
その中の国際スポーツ規約第11章に「かの有名な」151条C項がある。
「競技そのものの評価を貶める行為」
を厳しく告発するための項目として一般に知られ、その適用範囲は
「様々なコンペティションやモータースポーツ全般への関心を
間違った方向へと導く行為、もしくは詐欺的行為」と明記されている。
そう。皆さんもよくご存じの昨シーズン、
FIA会長ことマックス・モズレー氏によってマクラーレンが
不名誉な1億ドルもの罰金刑を科される事となった例の条項である。
ここで、私は主張する。
先週末「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」によって放映された、
モズレー氏による例の変態的遊戯ほど明らかに
「競技そのものの評価を貶める行為」となった事例が
他にあったであろうか…と。
彼もまた《コンコルド協定》にサインした1人として、
同じルールによって縛られるべきであり、
彼自身がマクラーレンや他チームに対して強権的に課したように、
同じ制裁を自らに課す責任がある。
だが、すでにモズレー氏には
《コンコルド協定》への敬意の乏しさを証明した過去と実績がある。
私は 2005年オーストラリアGPにまつわる一連の出来事を鮮明に思い出す。
彼はメルボルンで最高裁判事の司法判断をねじ曲げた挙げ句、
さらに大胆にも子飼いの広報担当官リチャード・ウッズを通じて
以下のようなプレス・リリースを発行したのだ。
「もしも、オーストラリアの法と訴訟手続きがこのような判事の行為を許すというのであれば、世界モータースポーツ評議会は以後、いかなる種目のモータスポーツ世界選手権大会も2度とオーストラリアでは開催しない事を決定するであろう」
こうした“独裁的”態度は、2005年6月20日、
あの悪名高き《インディーゲート》でもまた誇示される事となる。
あの日、モズレー氏はモナコの自宅に座ったまま、独断で
アメリカGPの進行を阻止してみせたのだ。
ミシュランを履く数チームは、タイヤの影響によって
自分たちには確実にポイント獲得の目がない事を知りつつ、
それでもなおトラックに臨時のシケインを導入し、
スピードを落としてでもレースに参加しようとしていた。
それはただインディアナポリス・モータースピードウェイに詰めかけた
10万の観衆とテレビ観戦する100万人のレースファンたちの
「スペクタクルを見たい」という願いを守るためだった。
この一件についてモズレーは、翌週、
“気に食わない”ミシュランの7チームをパリの私設裁判へと引きずり出した。
ある指導的立場にある王室顧問弁護士の言葉を引用しよう。
「朝出廷し、午後には退廷するという私の永い法廷キャリアにおいて、思い出せる限り、私のクライアントが朝、何ら問われる事のなかった案件によって、有罪の判決を受けたのはこの時だけだと記憶される」
F1界に通じた者であれば誰もが、
こうした例や似通った諸々の経緯から、
FIA法廷、訴訟調停、他団体など持ち込まれる場所がどこであろうと、
いかなる訴訟問題も出席し、弁護し、控訴し、対話を試みようとしても、
必ずや「徒労」に終わる事を知っている。
その事を理解したければ、2007年のハンガリーGP
予選セッションで起きた例の出来事を振り返るだけで十分である。
誰もが覚えているであろう。
あのフェルナンド・アロンソが予選最終ラン直前に
ピット内で故意にルイス・ハミルトンを妨害した光景を。
またその時、テレビ画像に映し出されたロン・デニスと
ピットウォールにいた全員が明らかにアロンソに対して、
怒りと不満を見せていた事を。
あの時、オフィシャルが
アロンソに対して取った行動は(個人的見解だが)正しい。
だがその後のマクラーレンチームからコンストラクターズポイントを剥奪し、
さらには過去のレースで優勝し勝ち取った
コンストラクターズ優勝トロフィーまでも取り上げた、
そのあからさまな行動は、ロン・デニス個人と
マクラーレン・チームへと向けられたものだった。
その後の数週間。
モズレーは(これは付記すべきだろう)裁判所でもないのに、
《ステップニーゲート事件》によってマクラーレンを断罪し続け、
さらにその“大間違い”を凌ぐ行為を続けた。
それは、少なくとも過去10年、F1では到る所で見受けられ、
これまでもさらにこれからも他のチームであったなら
常に見過ごされてきた類の行為であるにもかかわらず…。
モズレーは、1億ドルという他のチームにはいまだ課した事がない
厳し過ぎる罰金刑をマクラーレンへ言い渡した。
ここで先週末「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」によって暴露された
この男の堕落ぶりをことさらに取り上げるのは、止めておこう。
しかし、この「秘密のSM性倒錯者」ごときが
「3度のワールド・ドライバーズチャンピオン」達成者たるジャッキー・スチュワートや、さらに「ワールド・ドライバーズチャンピオン」のデイモン・ヒル、「崇拝すべき経験豊かなGPドライバー」マーティン・ブランドルらを公衆の面前で誹謗中傷したとは、とんだ《お笑い草》だ。
彼らをはじめとするモズレー政権の手によって苦しめられた全ての人々が、
今は、満面の笑みを浮かべている事であろう。
まさに世に言う『因果応報・自業自得』とは、この事である。
マックス・モズレーによる《恐怖政治》は過去のものとなった。
しかし、こうした彼の嗜虐志向が白日の下に晒された後でもなお、
「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」を除く他の新聞紙上での記事の扱われ方が
あまりに控えめな事に、私は失望を禁じ得ない。
本当に私はガッカリした。ただし驚きはしない。
なぜなら、私はかつてF1界に身を置き、
モズレーと《彼の腰巾着》リチャード・ウッズのやる事成す事を
逐一間近で見てきたからだ。
FIAとその会長にとって不利益をもたらしかねない記事を書こうとして、
路頭に迷わせてやろうか?と脅されるジャーナリストの姿を何度も見てきた。
だから、このとんでもない話が《F1社会》の中で
おおっぴらに報道されない事など別に驚くに値しないのだ。
どこかの誰かさんと違い、
私は「どんなニュースも良いニュース」などという駄法螺を信じない。
実際、ここ数年間に渡ってF1を取り巻くニュースのほとんどが、
モズレーの手による、絶え間ない悪評の濁流であり、悪行であると認識している。
それは今も相変わらず(F1という)スポーツ競技へ
酷いダメージを与え続けている。
だからこそ、私は
印刷メディア、ウェブサイト、ラジオ、テレビなど
F1にまつわる全てのジャーナリストたちにお願いしたい。
自分たちが信じるモノのために立ち上がってほしいと。
私たち誰もが愛してやまないこのスポーツが
スキャンダルの底なし穴の中へ永遠に消え去ってしまう前に
この《精神異常者》を完全に追い払おうではないかと。
彼がもしも、このまま何ら罪を問われる事なく解き放たれたなら、
また対抗馬のいない選挙によってFIA会長へと再選されるだろう。
そうなればまた、このスポーツでは、今まで通り執り行われてきた事が
また将来も引き続き行われ、それに対して誰も不平を言うコトができないのだ。
この男には、辞任が必要である。それも今すぐ。
ほとんど死に瀕したFIAという組織全体を今一度、立て直すために。
ポール・ストダート
・・・・・・・
ちなみに最近、F1を見始めて「2005年のオーストラリアGP」ってナニ?
とお思いの方のためにザックリ簡単に説明すれば、
当時、ポール・ストダート氏率いるミナルディ・チームは
今のスーパーアグリみたいな状態で
(って言うといろいろ間違っている部分がありますが…)
あんまり予算がありませんでした。
ですから、レギュレーションに合致しない
「去年の車」でエントリー申請していました。
でも「20台のマシンを走らせる」というコンコルド協定があるため、
マックス・モズレーも《仕方なく》その車の出走を認めたのです。
ところが他チームからの横槍(トーゼンの主張ですが、どちらかと言えば敵が多かったストダート叩きの意味合いが濃い)があり、
モズレーはミナルディの出走を急遽認めないコトを《独断で》決めます。
しかもストダート氏の地元、開幕戦オーストラリアGP直前に。
そこでストダート氏は地元の司法裁判所へ《モズレー自身が出した許可書》を持って、《不当な》出走停止処分を認めない判決を引き出し、勝訴します。
ところが…みたいな成り行きです。
文中の《 》で囲んだ部分にはいろいろ含みがあります。
しかもこの一件は氷山の一角で他にもロン・デニスやジャン・トッドらの画策や
モズレーの再選問題、当のストダート氏自身が《一筋縄ではいかない人物》。
な〜んて物凄くドロドログチャグチャなウラ設定があるので
このへんの話だけでも20本以上はコラムが書けるほど「面白い」んですが…
まあ、それは別の機会にでも。
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登録日:2008年 04月 14日 19:21:25
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- 斎藤モ吉
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- 福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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