「四面楚歌」じゃなかった…モズレーに頑張れコール

F1チームがモズレー氏を非難する声明文を発表

【4月4日 AFP】自動車メーカーのメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)とBMWは3日、センセーショナルな話題で疑惑の渦中にある国際自動車連盟(Federation Internationale de l’Automobile:FIA)のマック・モズレー(Max Mosley)会長を「恥ずべき行為」と評し、激しく非難する声明文を発表した。
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(c)AFP

AFPBB News


前回、ストダートのコラムを掲載した際に
「味方は誰もいない」なんて言ってしまいましたが…
ダメですね〜。修行が足りませんね。

ちゃんといましたよ。心強い応援団が。

マイク・ローレンスという立派なジャーナリストが
「我らが今、成すべき事は何か?」を義憤を持って書き綴ったコラム。

それは、決して
無責任な《風評》にさらされて窮地に立たされている
可哀相なマックス・モズレーを救おうなどと言う
「チンケな理由」からでないはずです。

ココでガッツリ点数を稼いで
マックスから「いい子いい子」してもらおうなんて狭い了見で
ココまで熱弁を振るうはずがありません。

もし、そんな風に読めたなら
それはすべて私の拙い訳し方のせいです。

皆さんも背筋を伸ばして
曇り無きマナコでどうか《謹聴》くださいませ。


・・・・・・・

大局を見よ


《モズレー武勇伝》はグダグダの状態だ。
機関車『ニューズ・オブ・ザ・ワールド号』も“蒸気切れ”のように見えるのだが、
4月13日付けのヘッドラインには、私の目も釘付けになった。
「《F1界のビッグ4》恥知らずモズレーに辞任要求─イアン・ゴードン《独占記事》」

《F1界のビッグ4》とは、はて
《ロンゾ》デニス公と《ナポレオン》トッド皇帝による会談でもあったのか?
盟主《バーニー》が己が主義を翻し、そこへさらに《サー・フランク》ウィリアムズ卿の登場か?

ナンの事はない。《F1界のビッグ4》とは、
マイク・ガスコイン、デイモン・ヒル、デレク・ビル、トニー・ブルックスのコトであり、
《独占記事》の内容についても、デイモン、デレク、トニーに関しては、
サンデー・タイムズ紙にも全く同じコメントが載っていた。
違いは、マイク・ガスコインの代わりにジョディ・シェクターが載っていたくらいだ。

トニー・ブルックスの言によれば、
取材を受けたのはサンデー・タイムズ紙の記者リチャード・レイだけ。
付け足せば、彼はかなり喜んでいた。
1961年に最後のレースに出て以来《F1界のビッグ4》の1人と見なされたコトに。

(事件に対する)彼の反応は、他の皆と同様、“慎重なもの”であった。
サンデー・タイムズ紙から依頼された質問に答えたら、
くだらないタブロイド紙が勝手に《独占記事》として引き合いに出し、
彼らの“見解”はいつの間にか「マックスは辞任せよ」という“要求”に仕立てられていた。

今回の《マックス事件》なる一件を例えるなら、おっかない数学の男性教師が週末、
女性用ドレスにハイヒールを身につけ
自分を「ルーシー」と名乗っていた事実がバレたようなものだ。
男性教師への認識は改めざるを得ないだろうが、
かと言って“宿題を提出しない”口実にまでは到らない。

だが困った事に、人々は『NotW』紙の解釈をまるっきり信じてしまった。
目新しくもない監獄SMの定番シナリオに沿って行われたモノにもかかわらず…。
大西洋をはさんで多くの風刺ショー番組でも(事件は)ジョークとして取り上げられた。
コメディアンたちの格好の餌食となったマックスだが、
多くの政治家はもっと最悪な事態でも回避したし、民衆の興味もそう長続きはしない。

マックスと娼婦たちとの交遊関係を批判する人もいれば、
神の教えに反すると言う人もいるだろう。
しかし、個人的感性の差はどうあれ、英国においてマックスはいかなる法も犯してはいない。
犯罪行為の是非を問われるべきは、「パーティー」を手配した売春宿の管理人という女性である。
その犯罪者の身元を保護しながら『ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙』は、
罪無き者を晒し者にしている。

マックスは、プライバシー侵害として同紙を訴えている。
私も今回、彼がしでかした行為には他の多くの英国人同様に驚かされた。
だが《プライバシー》は従来通り、人権保護法によって
《何人たりとも犯さざるもの》として守られる。

同じ法律に基づき、高等法院はつい数日前、
ロクな装備もないまま戦場へ配備された兵士たちが「人権を侵害された」とする判決を下した。
この判決で多くの負傷兵や戦没者遺族にとって、政府を告発できる道が開かれたのだ。

マックスは、FIAがよく利用している法律事務所を、今回は彼自身が、個人的に雇い入れている。
勝ち取った賠償金はFIA財団へと寄付され、もしも負けたなら訴訟経費は自腹となる。
どちらにせよ、非常に重要な《実験的ケース》である。

記者らは一様に、疑問を投げかける。
ナチ風スタイルでSMパーティーに参加したとされる証言が
真実でないなら、なぜ名誉毀損で同紙を訴えないのかと。

だが《名誉毀損の問題》は、彼が参加し占有したパーティーの趣旨解釈によって左右されるのだ。
頭から“乱交説”を信じる人もいるだろうが、私などは「ちょっと違うのでは?」と思っている。
さぞ陪審員らも混乱するであろうと予想される。

マックスが法廷へ立つ場合、その手には
彼の家系と青年期における過去を引きずる事となるであろう。
彼を溺愛する父親によって組織された《ファシスト党の会議に出席した》という事実を。

彼は、今、法律にとって重要な「信条」を巡って奮闘中なのである。

もしも、これに成功したあかつきには『ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙』に対し、
彼は、名誉毀損罪などで勝つよりも、はるかに高額な賠償金を請求するであろう。

他人の私生活を平気で踏みにじってきた同紙の企業倫理の手綱も引かざるを得なくなるであろう。

ヘンリー王子は、仮装パーティで鉤十字腕章をつけた姿をスクープされた。
その場に公式カメラマンはいなかった。
彼の友人が招いた客がカメラつき携帯電話で撮影し、その写真が無断で売られたのだ。
招待された身元の確かな人々だけが集まるプライベートパーティ。
だから、王子も安全…誰もがそう思うはずの場で。

現代では、行儀の悪い者は誰であろうと、誰かのカメラつき携帯電話の攻撃に晒されるのだ。

(ニュース的に)さして重要性のない我々大衆に、全国紙が興味を示す事はまずない。
だが、あなたが職場パーティで披露した奇行くらいならネット上にいくらでもアップできる。
あなたを次期昇進の競争相手として意識した同僚による仕業かもしれないし、
ただ単にあなたを嫌っている誰かの仕業によるかもしれない。

英国において、プライバシー保護は人権保護法に頼るのみであり、
この件について法廷では争われた例がまだ一件もない。

もし、マックスが勝てば、彼はその保護の恩恵を我ら全員に分け与える事となるのだ。

今回の件で私をイラつかせるのは、『ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙』が
過去一度として真っ当な調査に基づく報道を行った試しがない事だ。

そこで取り上げられるのはいつも《暴露モノ》だ。
ネット上には、誰かさんが盛り場で激写した《セレブ》の痴態の数々や
チクリ屋に数千ポンドを支払われた事例が、同紙の情報募集広告とともに載っている。

前出の《F1界のビッグ4》「ゴタ混ぜ《独占記事》」も広告文で締めくくられている。
「ネタは金なり。見て、撮って、送って、儲けよう」
言い換えるなら「社会の絆をブチ壊したいなら、新聞社がお金を出しましょう」である。

マックスは、罠にかけられた。
その言葉の意味するところは、当"Pitpass" の掲示板上でも盛んに討論されている。
ただし、彼らが引用する辞書はどうもお安い初級辞書のようなのだが。
オックスフォード英語大辞典によれば《罠にかける》の項目、その第1定義には
「困難な場所または危険な場所へ気づかれぬよう誘い込む事;策を弄して(個人を)他人の支配下へ引き込む事」とある。

《乱交記事》情報によれば「手口」はこうだ。
マックスは“幻想的な会合”を開くために《シバキの女王》と長期の売春的雇用関係を結んでいた。
彼女はおよそ年4回、会合の場をセットした。
3ヶ月前、誰かがマックスの後を追跡して、SM会場へ入る彼を目撃した。
あるいは尾けられたのは彼女の方だったかもしれない。

実に“高い金の音”が鳴りそうな作戦だ。

あなたもしくは私が“売春の常連客”だったとして、どうすれば他人にバレるだろう?
自分からそんな事を言いふらす人間はいない。彼女も同様であるはず。

誰だって、職場の同僚に知られたくはないだろう?
ナースのコスプレをした娼婦を抱くのが好きなんて事は。
あなたも私の(女の)好みなんか知ったこっちゃない。
そんな事は各人の好き勝手でいいのだ。

ただ私に言える事は、パンティストッキングも『真実の愛』には敵わない…だ。

少なくともマックスは、毎日24時間誰かに張り付かれていた可能性がある。
「年に3〜4回の《お遊戯の時間》を楽しんだ」と言われる彼。
この言葉が暗に示す事実は、昨年1年間、彼が尾行され続けた事。
それと《シバキの女王》が買収されていた事である。

長い時間をかけ巧妙に練られた企み。私はビッグマネーが絡んでいるとニラんでいる。
『ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙』上に載った一言一句全てが我が推測を裏付けてくれるのだ。

当の娼婦は、利害が一致し自分からすり寄ったか、買収されたか、あるいは両方か。

「離婚して2人の子連れ。そんなアナタが何をして食べているか、ご近所に知れたらどうなります?
アナタの子供を社会福祉事務局はどう扱うでしょうねえ? そこでモノは相談なんですが…
アナタの悩みを一気に解決できる“まとまったお金”がココに用意してあるんですが、ネ。」

売春婦らのブラには、隠しカメラが縫い込まれ、アパート内には盗聴器が張り巡らされていた。
ここまで執拗にマックスを仕留めようとしたのは誰か?
新聞社の関与は依然として憶測の域を出ない。だが今、挙がっている候補だけでない事は確かだ。

忘れてはいけない。報道に関してはマトモに調査などした事はないが、
スキャンダル記事にかけた経費は、広告でキッチリ回収する。
それが『ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙』だ。

すっかり場所も時間もツツ抜け状態のマックスの行動に合わせ、現場に装置が仕掛けられる。
シナリオを吹き込まれた《シバキの女王》がチームを招集する。

ある米国の記者は指摘する。
「5人の売春婦を5時間貸し切って、2,500ポンドは極端に安すぎる」と。
彼女たちへの支払いは“別の”財布からも出ていたのではないだろうか?
だとすれば、その財布の持ち主とは“誰”なのか?謎である。

現場に出入りする場面を撮られたマックスが羽織っていたのは、
3月のロンドンなら誰もが着そうなコートだった。
だが、それも《乱交記事》にかかれば「猥褻ジジイ」を連想させるレインコートとなり、
チェルシーの川辺に建つ時価200万ポンドの高級マンションも「ダンジョン」となった。

ただの“見解”も同様に「要請」にされてしまった。
彼の仕事の一部がFIAに関わっていたため、フォーミュラー1まで引き擦り出されてしまった。

確かに「いやらしい」話だ。
「ヨーロッパ自動車の安全基準を改善した男」と同一人物の仕業とは思えない。

ただ、あのマックスの事だ。
どんな状況にも正しく振る舞い、ジョークと誹謗中傷の渦からも生還できるであろう。
彼はどんな法律も破ってはおらず、
SMパーティーもナチの強制収容所を下敷きにしたという確証はない。

全て、取材無し引用文専門の三文記者に
《独占記事》を書かせるような新聞社による勝手な解釈である。
マックスがナチ幻想に遊び耽ったと信じる事は、
『ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙』を信じる事と同じだ。

そうでない人は
「彼はセックスのために金を払っただけであり、個人にはその権利がある」と言うだろう。
ただ売春婦に金を貢ぐ男性については、誰しもそれぞれ異論があろう。
ある人々からすれば、その一点だけでも有罪に値する。
そうした意見も私は尊重しよう。

その昔、国会議事堂の近くには娼館があり、そこにはベルが取り付けてあった。
娼婦との艶事を切り上げて、投票するため議事堂に戻るよう下院議員に知らせるためである。

ここで下院内で交わされた最高の逸話をひとつ。
例の食べ物で名高いサンドウィッチ伯爵が
急進派のジョン・ウィルクスに面と向かってこう言った。
「貴公が死ぬとすれば、絞首台の上か、もしくは梅毒に罹ってであろうぞ」と。
それに対してウィルクスはこう応酬した。
「それは我が胸に抱くのが、貴殿の《信条》か《愛妾》かで決まりましょう」

もはや、すべて過去のものと成り果てた。

モーターレース界は、常に心の広い共同体である。
ありとあらゆる犯罪者が取り揃い、ムショ帰りだろうが誰も気にしない。
『マーチ』のチーム創始者の1人であるロビン・ハードはかつて私にこう言った。
「犯罪者ほど“取り引き”に最適な相手はいないよ。
自分の人生、幾らかでも“真っ当”であろうとするからだろうね」
彼らのチーム初のインディカーを注文したのは『ウィティントン三兄弟』のうちの1人である。
発注直後、兄弟全員が麻薬取引の罪で監獄入りとなったが、マシン代金は支払われた。
前金・全額をドラッグの上がりでスッキリ現金払い。

『マーチ』が米国でのレースカー市場を失ったのは、
麻薬取締局の取締強化と同時期であった。

大列車強盗団の実行犯であるロイ・ジェームズも
『ブラバム』のマシン《BT6 FJ》を現ナマで購入したが、
それもまた1962年に起きた《ヒースロー空港労働者賃金強奪事件》で得た
彼の取り分から支払われたものだ。
彼が12年の刑期を終えレースに復帰しようと計画した時も、
まわりは興味深く進展を見守るという態度を示した。
決して「犯罪者をスポーツの輪に入れるな!」という空気はなかった。

ビッグマネーが動いて、マックスは罠にハマった。
「困難な場所または危険な場所へ気づかれぬよう誘い込」まれてしまった彼。
またぞろ作戦の全貌と込み入った総経費に関するいい加減なウワサが漏れ聞こえてきた。
全ての政治家がそうあるように、マックスもまた多くの敵を作ってきた。
その中の誰かが、彼を罠にかけるために“はした金”を使った事に間違いはない。
私でも確実に宝くじを当てられる程度の“はした金”で。

争点は《モズレーの尻について》などではない。
そんな事よりもっと論ずべき重要な点がある。
それは「FIA会長が誰」とかよりずっと重要な事だ。
そもそも(英国の)人権保護法はEU法に基づいており、
先には欧州司法裁判所が待ちかまえている。

この事件の判決は、マックスのためだけでなく
広く世に影響を及ぼす結果となるはずである。
猥談やクスクス笑いはたくさん。《大局》を見ようではないか。


マイク・ローレンス

↓引用先/Pitpass
http://www.pitpass.com/fes_php/pitpass_feature_item.php?fes_art_id=34511


・・・・・・・・

現地の掲示板でも騒がれていますが、
逆に火に油を注ぐ効果を果たしていませんか?…逆にそれが狙いか?
↓PistonHeads
http://www.pistonheads.com/gassing/topic.asp?h=0&f=42&t=515239&i=1680

↓本人いたって“ノンキ大将”で「モナコには行くよ」発言してますが。
http://www.autosport.com/news/report.php/id/66835

まだまだ長引きそうですね。

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登録日:2008年 04月 27日 11:02:58

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プロフィール
斎藤モ吉
(男)
福岡の片田舎でデザイナー兼ライター営業中。F1にハマったきっかけは、仕事関係で見始めた1987年のドイツGP。プロストとピケの麗しい姿に感動。
好きなレーサーは、ジル・ヴィルヌーブとアイルトン・セナ。好きなF1マシンはフェラーリ312T4。好きなF1マンガは『赤いペガサス』。好きなF1映画は『グランプリ』。好きな言葉はジル・ヴィルヌーブの『来年がやってくるってどうして言えるんだい? 』
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