2006年 05月
無駄に食べる女
【西安/中国 31日 AFP】医療専門家によると、中国での不健康な生活習慣がこのまま維持されれば、少なくとも2億人の国民が今後10年以内に肥満になるという。中国では現在、9000万人が標準体重より20%以上重い肥満と診断されている。写真は、北部陜西(Shaanxi)省の西安(Xian)に住む体重200キログラムを超えるチャン・フェン(Zhang Feng)さん(37歳)とカン・シュエファ(Kang Xuehua)夫人。フェンさんは肥満解消の手助けを求めている。(c)AFP

私の友人にとてもよく食べる女がいる。
彼女は由○さんと言って、よく食べ物ネタで伝説を作る。
先ほど、マルガリーマンのブログでホワイト餃子の話が出て、ちょっと前の伝説を思い出した。
ホワイト餃子川越店に彼女含め3人と行った時のこと
カウンターに3人ですわり中央に私左に由○さん。座るなり12個餃子とラーメン3つを速攻注文。カウンターに一列に並ぶため、12個餃子シア。中央の私がその管理をすることに。私の右に置かれた12個は当然、由○からはとどかず。右の子と私は普通に取れるので、由○の小皿に私が責任を持って振り分けることに。
早速、由○さんの小皿に1個置くと パク。
二個目を置くと パク
三個目・・・・ パク
四個目も パク
3人なので、一人ノルマ4個。つまり本来ならこれで終わり。
あまりのこぎ見よさに、調子に乗った俺は、もうひとつ置いてみる
パク
普段は控えめな彼女。当然三人のノルマ4個は理解しているはず。
しかし、どうやら食べ物の数は数えにくいらしい。
またまた、6個目。 パク
いいかげん気づき始めたのか?
「なんか私たくさん食べてない?」
「そんなことないっしょ〜 これで4個 だから、丁度じゃない」
嘘ばっかりの私。
私と、右の子は2個づつ。つまり2人合計4個。彼女が、6個なので、まだ2個あまっている。
ここからは挑戦
「あ〜もう俺食べ過ぎた〜もう食えない〜 安○は食える?」
「私も無理です〜〜」
「由○さんもうちょい食べない?」
「え〜〜〜 私だって無理だよ〜〜」控えめな彼女
「ところで、クリスマスとかどっか行くの?」すかさず話をすり替える私
「わたしは○○と○■×」
日常会話に盛り上がる3名
こっそり、由○の小皿に1個置いてみる
・・・・・
・・・・・・・パク
「でさ〜、ツリーっていつ頃から飾るの??」無理に会話を続ける私。
「わたしは○月くらいかな〜と○■×」
そして、最後の一個 をおいてみた
パク!
食べた〜〜〜〜〜!!!!
食った〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
すげ〜!!!!8個〜〜!!
ま〜数は大したこと無いかもしれないが、問題は気を遣う、控えめな女が、コト食べることとなると、しっかりと個数も数えられなくなり、何も考えずにパクパク無駄に食べること。これが凄い。
彼女の無駄食い伝説は続く。
... 続きを読む
カテゴリー[ わたしは見た ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 05月 27日 15:32:49
烏な営業マン
【Codlea/ルーマニア 20日 AFP】高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスの感染拡大が続くルーマニアで、先週18の村の家禽から鳥インフエンザが検出された。2005年10月7日に初めてウイルスが確認されて以来、感染地域は60か所に達したが、人間への感染は今のところ報告されていない。ブカレスト(Bucharest)の病院は今週、感染が疑われる数人を検査したが、ウイルスは検出されなかった。写真は19日、ブカレスト北東200キロメートルのCodlea市の出入り口でカーペットに消毒薬をまく衛生作業員。(c)AFP/DANIEL MIHAILESCU

わたしの知り合いに「カラスな営業」がいる。
どこにいても、どんなときでも
彼と電話のやりとりをすると受話器の向こうから、彼の声に合わせてカラスの鳴き声が 聞こえてくる。
もしもし○○ですけど・・
・・・・かぁ〜〜 こぁあ〜 こヵかか〜〜
ギャルギャル軍団の渋谷センター街にいようが、歌舞伎町の風俗店呼び込みの前であろうが、とげ抜き地蔵のばあちゃん達に抱きつかれながらの巣鴨だろうが、茨城の山奥だろうが、葬儀会場であろうが、昼の電話でみのもんたに怒られている時であろうが、
とにかく、どんな時も、何処からかけてきても彼の携帯の後ろからは
カラスの声が聞こえる
かぁ〜〜 こぁあ〜 こヵかか〜〜
そして、彼はとっても不幸に見える。
肌色の軟骨で作られたような顔に銀縁の鼻メガネ。
ペイズリー柄の細いネクタイに今どきダブルのスーツが定番スタイル・・。
とってもとっても不幸に見える。
そして実際、不幸である。
30過ぎで長い縁側の雨戸を閉めたおふくろさんに、タイミング悪く顔を出し、こめかみを挟まれ、軟骨の両サイドに青いアザ線を作る。
猫舌なのにカレーうどんを掻き込み口の裏を火傷。軟膏を強引に塗ってマスクをするとんでもない処置をする。
盗んでもいない金が原因で濡れ衣を着せられ仕事を辞めさせられる。
ちゃりで車にはねられ、慌てて降りてきたドライバーに恐縮して後ずさりし対向車線の車に再度跳ねられる。
とにかく、見た目も中身も存在もが不幸な彼の携帯の向こうには不思議とカラスが
集まる。そして鳴く。
かぁ〜〜 こぁあ〜 こヵかか〜〜
そう、彼はカラスな営業。
... 続きを読む
カテゴリー[ わたしは見た ], コメント[2], トラックバック[161]
登録日:2006年 05月 25日 12:27:34
メディアジャックと地球消滅
【東京 18日 AFP】ソフトバンクとボーダフォン・グループ(Vodafone Group)は18日、東京で記者会見を開き、競争力の強化に向けて、携帯電話、ソフトウェア、サービス開発の合弁事業を立ち上げる意向を明らかにした。写真は、笑顔で新型携帯電話を手にするアルン・サリン(Arun Sarin)ボーダフォン・グループCEO(左)と孫正義ソフトバンク社長(右)。(c)AFP/Toru YAMANAKA

せ〜の で眼を閉じましょう。
もしも、世界中の全人類が、いっぺんに瞳を閉じたとしたなら、何が起きるのだろう?
現実問題、世界人類全員が眼を閉じるなんて事できっこない。
今年で世界の総人口60億人。
1960年に30億人を超えてから、わずか39年で2倍に。
2015年までは毎年1%以上増え続け、2013年には70
億人、2027年には80億人を超える見通しだそうだ。
この60億人全てに働きかけ、本当にもし、「眼を閉じる」そんな事が出来たとしたら、いったい何が起きるのだろう?
地球と言う存在が無くなってしまうのではないだろうか?
ソフトバンクはボーダフォンを1兆円で買収し、競争力の強化を図る。
企業の成長無くして経済の発展は無し。経済の発展が無ければ我々の豊かな生活も成立しない。
しかし、この携帯電話のシア争いの激化を脅威にさえ感じるのは私だけであろうか?
驚異的な速さで進化を遂げている、通信、IT業界。
一台十万円もしてメール機能もついてなく時限爆弾の発火装置のようにどでかい箱を持って、ルノアールで片足をその発火装置にかけながら、格好つけるヤクザをたまに見かけたのがたったの十年前。今では、メールはもちろん、インンターネットや乗換え案内、音楽のダウンロード、テレビ お財布にまでなっちゃう、何でも屋となりつつある多機能携帯。
防犯用にと子供に持たせ、固定電話の一家に一台からひとり一台の時代。
国民性の違いは有れど携帯の便利さは万国共通。
貧富の差もあるが60億の全人類が携帯を持つのも近い将来ありえなくもない。
仮に全人類が端末を持てるとしたら、やり方次第では一斉に何かを発信が可能となる。
誰かが「眼を閉じろ」と実験してみたらどんな事になるんだろうか?
通信技術の進歩はそんなありえない実験が可能となってしまう。
存在について考えてみる。
物質の存在。人類の存在。
眼を閉じる。
自分が消える。
しかし、誰かが私を見ている。
私は消えない。
誰かも一緒に眼を閉じる。
私と誰かは消える。
しかし、私と誰かを誰かが見ている。
私と誰かは消えない。
日本国民全員が眼を閉じる。
日本国民は消える。
しかし、世界は日本を見ている。
日本は消えない。
世界人類全員が眼を閉じる。
世界人類は消える。
しかし、誰も見てる人はいない
世界は地球生命体以外の創造物となり
世界は消える。
非論理的では有るが、
携帯やネットは我々の生活をめまぐるしく豊かにさせたのは間違いない。
しかし通信技術の進歩は、一方で人類に対し、距離感と時間感の希薄を促し、リアリティの欠如を増長させる。テレビゲームの日常化により犯罪の低年齢化に拍車がかかる。失敗してもリセットすればいい 現実もリセットできると思い込む子供や大人がどんどん増える。
つまり現実と非現実の混乱を招き、信じられない犯罪を増加させているのも事実だ。
だからと言う訳ではないがこの通信業界の快進撃とメディア支配に私は強い不安と脅威を感じる。
かけがいの無い人の「命」という存在が、この伝達手段の最先端技術により脅かされているように思うのは私だけであろうか?
孫正義氏の買収劇に思う
ソフトバンクはドコモに勝つのだろうか?
次の携帯はどんな機能がつくのだろうか?
60億の命はいったいどこへ行くのだろうか?
60億人が一度に眼を閉じると 地球は消滅するだろうか?
そして僕はそんな地球に何ができるのだろう?
カテゴリー[ 社会派 ], コメント[2], トラックバック[149]
登録日:2006年 05月 22日 14:12:54
扇風機が地球を救う
【バグダッド/イラク 1日 AFP】バグダッドでは1日、気温が摂氏40度近くまで上り、予報もイラクの特徴的な暑さがしばらく続くと報じた。暑さの中、エアコンや扇風機の修理を行う業者たちは活気づいている。写真は、扇風機を販売する行商人。(c)AFP/SABAH ARAR

「ああああああああ」が震えて聞こえるのが楽しくて、毎日家の扇風機に向かって座り込んでいた。
「いいいいいいいい」決まって、次は「いいいいい」
要するに、あいうえお順でぐるぐる回る扇風機の羽根に向かって語りかけ、最後には「いいいいい。。。けええええ。。。やあああ」と自分の名前で締めくくる。
そしてその儀式が終わると、今度は勢いよく回る先端部分に親指を押し当てて、圧力で、この回転を止める。はじめは摩擦で熱いのだが、さらに圧力をかけて行くと、結構止まる。
こんな事を日々の日課としていた小学生の私は、扇風機が大好きでしょうがない、すこぶる変な少年だった。
四枚のゆがんだ楕円がさらに前後にゆがみ不規則な感じでありながら規則正しく中心の軸にひっついてる所がたまらない。
清涼感を出す演出だと思うが、透明なブルーやらグリーンやらのアクリル素材がたまらない。
首振りを一定のリズムで行いながら限界迄行った時にガクンと必ずひずむところがたまらない。
さらに、首振りをストップするモーターの上のボタンを押した瞬間やはりガクンと消化不良な感じで振り子が止まるところあたまらない。
高さ調整する時のボタンを押すとビックリするように背伸びするのがたまらない。
ま〜とにかく、あげればきりがない程、扇風機のフォルムと存在に妙に惹かれていた幼少期。扇風機ファンであった。
その扇風機も進化し、今ではリモコン機能や自然風とかいって不規則に吹く風やマイナスイオンやらなんやら、とにかく多機能。
ま、夏の中心家電の地位をエアコンに、まんまと持って行かれ、その存在すら危ぶまれた扇風機の背景を考えると、多機能での生き残りはあたりまえの事なのかもしれない。
それにしても、バグダッド40度。インド北部で気温の上昇が続き、首都ニューデリー(New Delhi)で6日、この夏最高の44度。
異常だよ!異常!
温暖化は、さんざん言われてきたけど、北極グマの絶滅の話にしても、2−3ヶ月前の北欧での大寒波にしても、世界が色んな意味で熱くて寒い。いわゆる異常気象? 地球がいよいよ病んできた。屋上の緑地化がどれだけ効果有るかわからないけど、このままでは確実に、熱帯雨林東京も目前なのかもしれない。
現に、東京でも南国植物やカエルが異常発生したりしてるみたい。
無責任に言えば、南国好きの私としては、東京亜熱帯はウエルカムだけど、深刻な問題だよね〜。
「夏は暑く、冬は寒い」このあたりまえの状態がエアコンや冷暖房器具の発展で「夏も涼しく、冬もあったか」になりつつある。
この、あたりまえに変化をもたらす「快適な暮らし」はエアコンの室外機の熱やエネルギーの過剰消費となり、人類が最も大切にしなければならない資源であり財産の「自然」が、己の一時的な「快適」の為に浸食されようとしている。
この、紛れもない事実を知りながら、世の中は病んでる地球をよそに飽くなき迷走を続ける。
戦後の3大発明。冷蔵庫・エアコン・カラーテレビ。
この、三つが人類にもたらした功績は大きいが、確実に地球を蝕む原動力になったとも言える。
大発明の裏に大リスクあり。
経済の発展に比例して地球の浸食も大きく進んだ。
そんなことを考えながらも、この時期、ちょっと温度が下がるだけでエアコンのスイッチを入れてしまう自分に憤りを感じる。
「熱くなれば冷やせばいい。」そんな風に誰かが言った。
地球は極度な温暖と寒冷をくりかえして、温暖化を意識的に克服しようとしているのかもしれない。その落差がいつの日か、バランスをおかしくして大きな天変地異を起こしてしまうことになるのかもしれない。
インドの温度はいったい何度まで上がるのだろう?
地球はどこまで熱くなるのだろう?
扇風機はいったい何台売れていくのだろう?
そして僕はそんな地球に何が出来るのだろう?
カテゴリー[ わたしのこと ], コメント[2], トラックバック[144]
登録日:2006年 05月 09日 12:52:25
母の財布とインベーダー (後編)
【陝西/中国 29日 AFP】中国の古代遺物は世界中の競売場で高値で売買されるため、遺物盗難が横行し問題となっている。中国文明の発祥地の1つである陝西省(Shaanxi province)は中国で最も遺物盗難の被害を受けている場所の一つである。写真は29日、陝西省北部の西安(Xian)で、未だ盗難の被害を免れている西周王朝(Western Zhou dynasty)の墓を指差す考古学者(上左)。このように被害を免れてている墓は少ない。(c)AFP

「イケップあったぞ!」
リビングボードの一番上の引き出しから茶色い金の留め金をした財布を高々とあげ、私にそう言った。
重厚なソファーにふたりで寄り添って座り、中身をドキドキで開けてみた。
「1・2・3・・・7・8・・・ 12」
「一万円札12枚もあるぜ!」ボルテージが上がる藤本
「大丈夫なのかよ?」一応、気弱にモラルを問う私
「がははっははっははは だってよ〜イケップ、こんなにいっぱい一万円があるんだから一枚や二枚盗ったってわかりゃ〜しないってっ !」
政治家かお前はってくらい、大きな高笑いと威圧感で私の肩をなんども叩いた。
「じゃ、ごっつあんです!」
藤本はそういって財布に向かって右手で軽く拝んで一枚の聖徳太子を抜取った。
迅速に財布をもとの位置に戻すと、大理石玄関からアシックスを履いて横たわったチャリンコにまたがり、藤本家を後にし、我々は一路ゲーセンへ向かった。
人のお金を盗んだ罪悪感とインベーダーのピュキュンピュキュンのゲーム音が入り交じって、私の背中を鉛色の蛇が這い回っていた。
公共団地のはずれに、最近出来たゲーセンがあった。
そこに着くと、チャリを止め、入るとウエルカムのベルが鳴る寺島とカッティングシートで印字されたスモークのガラス扉を開けようとした。
「買い物してから入ろう。」藤本が突然そう言った。
公共団地の仲通り沿いに出来損ないの商店街が有ってその一角がこのゲーセン「寺島」。そのすぐ隣には金物屋となっていた。
藤本は迷わずその店に入った。慌てて私もその後を追う。
「母ちゃん、確かフライパンって言ったっけ?」
店内に入るなり、大きな声で妙な小芝居が始まった。
???
小さな店内をくるくる回りながら
「無いな〜 フライパン」と相変わらずでかい声で私に、そして店員に語りかける。
私はやっとピンときた。
藤本は小学校三年生の所持金にしては大きすぎる一万円をゲーセンで両替し怪しまれる事を恐れ、その回避策として隣の金物屋で「親から頼まれたアイテム」を購入する事で、スムーズに両替をし、おつりでしこたまゲームをしようって計画なんだ。
取って着けたように
「ああ、フライパンね〜 フ・ラ・イ・パン。」私の猿芝居も加わる。
「あ、これじゃない?」私が手にしたのはフッ素加工のどでかく赤い底のフライパンだった。
「あ、それそれ!あったじゃ〜ん」大喜びの我々。
そんな、我々の小芝居を全く気にせず中村玉緒似の店主はレジカウンターの横に置かれた小さなテレビでUHFを観ながらキセルでタバコをふかしていた。
レジ迄フライパンを持って行き、あさっての方向でテレビを観る玉緒に渡す。
レジのマシーンを使わずにそろばんで弾き、テレビを観ながら値段を言った。
「・・・八千六百円ね」
意味が分からなかった。
「持ってるの? 八千六百円だよっ? あるのかい?」
ババアは先ほどのテレビ観戦とは打って変わって、立ちすくむ我々に牙を剥く。
藤本が私に眼をやる。
私はあごで、「早く」を言って支払いを促した。
渋々藤本はデニムの半ズボンのポケットから、くしゃくしゃになった一万円を取り出すと、レジの向こうのババアに差し出した。
ババアは鼻から煙草の煙を怪獣みたいに出しながら、無情に藤本の小さな手からもぎ取った。
「はい、これ御釣りね。で、これが商品ね」白くて大きめのレジ袋からニョきっと取っ手の部分がはみ出しレジのテーブルにバコバコあたりながら、私がフライパンを 藤本が御釣りを それぞれ受け取った。
「御釣りいくらですか?」たまらず私が玉緒に聞くと
「千四百円だよ。 ちゃんとおつり、母ちゃんに持って行くんだよ!途中で無駄遣いなんかすんじゃないよ!」
よけいな事迄言われ、我々の窃盗金額一万円が一気に千四百円となった。
それでも気を取り直して、フライパンを片手にゲーセンに入り、ふたりで三回づつやった頃、横浜銀蝿みたいな中学生の不良連中に囲まれ、残りの八百円、一気にかつあげをされた。
冗談で、フライパンを差し出すと、ぶん殴られた。よけいな一発だった。
すっかり肩を落とし、我々はチャリに乗った。
「おい、お前ら、忘れもんだぞっ!」
さっきの銀蝿がニタニタ笑いながら持ってきて、私のチャリンコのカゴに変形のバスケでもするかのように軽々と入れ最後にこういった。
「ゲーセンにフライパン持ってくんじゃね〜ぞ ぎゃはははっは」
街頭の灯りもつきはじめた歩道を私が先頭となりきこきことペダルをひたすこいだ。
カゴからはビニールのすれる音と、フライパンが段差の度にカタカタ音。
全く会話のないふたりは途中公園にどちらからともなく寄った。
ジャングルジムのてっぺん
「どうする?......フライパン。」
悩んだ末、藤本の家の裏の空き地に埋める事にした。
辺りは暗くなったが、私と藤本は掘り続けた。
1m程掘ったところでフライパンを入れ、先ほど掘った土を
丁寧にかけて行った。
ふたりの間にはまったく会話はなく、無心になってフライパンを埋めていった。
やがて、細い月と星があたりをつつみ。
近所の家から夕食の準備の音や何かを煮込むイイにおいがした。
近くに転がっていた材木を無造作に埋めたフライパンの上に置き
土が入り込んだ爪をいじくりながら、藤本は言った。
「フライパン、高かったな・・・・」
爪から取れない冷たい土。
クラウンの炎。聖徳太子。鼻から煙を出す玉緒。横浜銀蠅。
色々なものが入り交じった暗い家路。チャリの薄暗いライト。
家に帰るとおふくろの暖かいシチューが待っていた。
... 続きを読む
カテゴリー[ わたしのこと ], コメント[3], トラックバック[156]
登録日:2006年 05月 03日 13:32:06
母の財布とインベーダー (前編)
【ケント/英国 4日 AFP】英国南東部の警備会社金庫から7800万ユーロ(約100億円)という記録的な金額の強奪に関わったとされている3人の被告が2日、同国南東部のケント(Kent)にあるメイドストン(Maidstone)下級裁判所に出廷する。
≫続きを読む…
(c)AFP/MAX NASH
お金を盗んだ事がある。
小学三年の春。
友人「藤本」と私は、当時やたら一世を風靡していた「インベーダーゲーム」に例外に漏れずハマっていた。
大人は喫茶店のテーブル型テレビゲームにかじりつき、くしゃくしゃになったセブンスターとアルミの灰皿、反対側の端っこにゲーム画面をよけるようにコーヒーと百円玉を次の順番をあきらめさせるかのようにうず高く積み上げ、夢中になっていたものだ。
そして、その頃、子供の我々は近くの駄菓子屋の端っこに設置されたスタンド型テレビゲームの周りに集まり、金回り良く何度も繰り返しお金をつっこむ金持ち息子のゲーム展開に群がった。そして、そいつが市の指定の帰りのチャイムが鳴って帰ると貧乏人の我々はデモンストレーション画面をまるで自分が操ってるかのごとくジョイスティックでガチャガチャやったものだった。
「イケップ、金 何とかなりそうだ、しかもでかいぞ」
放課後の非常階段で藤本が薄気味悪い笑顔で私にそう言う。
当時、小遣い1週間100円だった私にとって、インベーダーゲームは高値の華。
無計画の私は小遣いを貰うや否や、駄菓子屋に走り、その百円を惜しげもなく一発で使っちまい、UFOが出現して狙う事に集中しすぎて速攻撃破され、その一週間を極限の貧困状態で過ごす事も珍しくなかった。
「ゲーセン」いわゆるゲームセンターと言う奴がまだその頃は形がはっきりしておらず、あったとしても居抜きの10坪程の店舗にテーブルタイプのゲームを10台程設置した、いい加減なものだった。そしていつしかそこは不良のたまり場となり学校で入店すら禁止が普通となっていた。
そんな私に藤本は「金ができた」と言う。
小学生にして様々な「悪」を重ねて来た私にとって、「金ができた」は
まさにエキサイティングな響きであった。
「どこにある?その金」
Gメンの悪役気取りで声のトーンを落として訪ねる。
放課後の非常階段。西日を浴びながら藤本の計画を聞く。
彼の計画はこうだ。
藤本家は工場の経営をしている。そして彼の家はその工場の敷地内にあり母親もそこで事務の手伝いをしている。母親は昼に一度帰ってくるが、財布を自宅において事務所に午後三時には仕事に戻る。再び帰宅するのは午後六時。
藤本はこの午後の三時間の間に母親の財布から一万円を抜き取ろうと言うのだ。
ま、一万円が無くなった財布のその後等全く考えない、子供が考えそうなシンプルなプランだ。しかし、100円坊主の私にとっては、その一万という額が検討も着かなかったが、目的はお金では無く、ゲームであったので何十回でもインベーダーが出来るって事が私の創造をMAXに広げ、壮大に期待は膨らんだ。
犯行は次の日決行された。
工場の門を抜け右手に二階建てのプレハブ。そこが恐らく事務所であり、藤本の母親がまさに今、働いている現場である。
日産の部品を扱う工場はその先の大きな建物で、その脇を車一台が通れるのがやっとといった敷地内の道を抜けると従業員が主に利用する駐車場。駐車場内に敷地内で最も立派な白塗りの大きな大豪邸が社員達に威圧感満載で君臨していた。
藤本の自宅である。
藤本と私はチャリンコで家の門まで到達すると、チャリンコを横倒しにしてひっそりとした大きな玄関に、誰かに気づかれないように、そ〜っと、入った。
大理石で出来た玄関はとても広く、大きな絵と、大きな下駄箱と、そして高そうな壷がおかれていた。私は藤本の後ろにピッタリと着いて、その重苦しい静寂にドキドキしながら母親が戻らない事を祈りながらアシックスのスニーカーを脱いで上がり込んだ。
ターゲットの藤本の母親の財布目指してリビングに向かう。
黒い革張りのソファー。当時にしてはやたら大きなテレビを挟むようにガラスと大理石で出来たリビングテーブル。その上に金色のクラウン。ミニチュアの金色のおもちゃの先端には銀色の突起物がアリ、興味深く覗き込んでいると
「あ、それライターだよ。ほれ」
カチッとその横のボタンのような物を藤本が軽く押すと
ボッ
クラウンの天井から炎があらわれた。
藤本の家には何度も来ているが、くる度に何か新しいものを見つける。
コンバトラーVの超合金が全部そろって合体できるセットもしっかり自慢されビデオレコーダー等という物も初めて見たのは彼の家だったし、金髪のプレイボーイ誌に慌てたのも彼の家でだった。
「イケップあったぞ!」
リビングボードの一番上の引き出しから茶色い金の留め金をした財布を高々とあげ、私にそう言った。
静寂の中、声を押し殺しながらも強い口調でそういった。
私はクラウンの火を抱えながら、汗ばんだ唾を飲み込んだ
つづく
... 続きを読む
カテゴリー[ わたしのこと ], コメント[4], トラックバック[212]
登録日:2006年 05月 01日 11:10:33
- プロフィール
- 池谷剛一 YOSHIKAZU IKEYA
- (男)
- 1969年11月17日
- パロルの本
- ■職業:絵本アーティスト
■経歴:全国にて個展多数開催。出版物多数。
基本的には絵本作家です。絵本のジャンルとしては大人向きの絵本です。犬がピアノ弾いたり、BARでバーボン飲んだりします 著書「そして僕は天使になった01」「椅子」他、広告のデザインとかプロデュースとかもします。とにかく創る事と遊ぶ事が大好きで、なんでもやっちゃいます。今年は二冊の絵本でます! 「世界にひとつしかクリスマスツリーがなかったら」アート活動は多種多様。
i-yoshi@jcom.home.co.jp
- 最近のエントリー
- [07/15] サメと言えば小笠原の話・・
- [07/11] 明るいと暗い ポジティブに>ネガティブに
- [07/08] トモノさん<ホモノ産<ポルノ山
- [07/01] 破壊セラピーとイルカセラピー
- [06/23] 小笠原へ出発
- [06/17] 焼き肉屋で焼き鳥。
- [06/12] 携帯が増える。世界が消える。(再放送)
- [06/09] ハエの長生きと 助けを呼ぶ息子
- [06/05] ガソリン急騰と我が家の小遣い
- [05/27] ドバイの躍進と天空への人類的憧れ
- 最近のコメント
- [07/18] 明るいと暗い ポジティブに>ネガティブに yoshi
- [07/12] 明るいと暗い ポジティブに>ネガティブに うりゃ
- [07/08] 小笠原へ出発 yoshi
- [06/30] 小笠原へ出発 は
- [06/24] 小笠原へ出発 ランボー
- [06/12] ハエの長生きと 助けを呼ぶ息子 ★☆沢尻エリカ破局でついに帰国!!
- [06/12] ハエの長生きと 助けを呼ぶ息子 ★☆沢尻エリカ破局でついに帰国!!
- [02/01] 未来の手 yoshi
- [01/28] 未来の手 makoto_n
- [01/24] 産まれてこなければよかったのに yoshi
- 最近のトラックバック
- 月別アーカイブ
- 2008年 07月 [4]
- 2008年 06月 [5]
- 2008年 05月 [4]
- 2008年 04月 [4]
- 2008年 03月 [4]
- 2008年 02月 [3]
- 2008年 01月 [2]
- 2007年 12月 [5]
- 2007年 11月 [2]
- 2007年 10月 [5]
- 2007年 09月 [5]
- 2007年 08月 [5]
- 2007年 07月 [7]
- 2007年 06月 [4]
- 2007年 05月 [4]
- 2007年 04月 [4]
- 2007年 03月 [4]
- 2007年 02月 [5]
- 2007年 01月 [4]
- 2006年 12月 [5]
- 2006年 11月 [3]
- 2006年 10月 [4]
- 2006年 09月 [4]
- 2006年 08月 [4]
- 2006年 07月 [4]
- 2006年 06月 [4]
- 2006年 05月 [6]
- 2006年 04月 [3]
- 2006年 03月 [4]
- 2006年 02月 [5]
- お気に入りリンク
- 私の絵本一覧
- 検索
- アート情報