2006年 06月 26日

古書というリアルとネットというバーチャル

インターネットで変貌を遂げつつある古書販売業界 - フランス

【パリ/フランス 21日 AFP】インターネットの普及により、フランスの古本の販売様式が変化している。現在セーヌ(Seine)川沿いには雑誌、ポスター、小物なども扱う古書の露店が約250店あるが、これらは時代の変化とともに姿を消しつつある。写真はセーヌ川沿いの露店で16日、客と話す古本販売人のFroelichさん(左)。6月末には露店を閉めるという。(c)AFP/BERTRAND GUAY

AFPBB News


「フランスの古書。」
フランスに限らないが、古書とは何とも味の有る物である。

フランスという国は古きを重んじる習慣があり、こういった本に限らず、アンティークの様々な物を扱うお店が多い。扉のノブだけ扱うところや、古い鍵だけ扱うお店。ボクシングの古いグローブばかり店先に並べるお店も有った。
私も何度かフランスには行っているが、作品のネタとして結構、この「古書」にはお世話になっている。前回行った時には、フランスとドイツの医学書を買ってきた。

いつもはクルニヤンクールの骨董市に行くので、この、セーヌ川沿いの露店で買った事は無いが味のある爺さん達が、店の横でテーブルを広げ、客そっちのけでなじみの客だか、友人とチェスをしている姿はフランスの街に無くてはならない風景の一つだけに、少なくなってしまうのは、何とも寂しい話である。

しかし古書業界全体が縮小した訳では無く、インターネットの普及で流通形態が変貌し専門性に特化した物の取り扱いがよりグローバル化 物によってはより高い値が付いたり需要と供給のバランスのとれた、より高い水準での売買が行われているようだ。このインターネットの波に乗れない爺さん達にとってはかなり厳しい時代なのかもしれない。

流通を変えたインターネットだが、我々の書籍業界にも大きな打撃をあたえている。ちょっとした調べ物も。ディープな研究物も、エッセイや映画ですら、やり方次第では容易にネットから引っ張って来れる。つまり、インターネットと言うバーチャルな空間を閲覧できる環境であり、他メディアへのアウトプットの必要がない限りこのモニター内で殆どの事、物が簡潔できてしまうのである。恐ろしい物を人間は作ってしまった物だ。

遅く迄やっている本屋まで寒い中行く必要は無い。
今や本の売れない時代なのである。

それでも、ハリーポッタやダビンチコード等、日本でもミリオンセラーが出る事はポジティブに受け止めたいが、映画連動やメディアの露出等、巨額の費用をかけたプロモーション力に頼って何とか数字を稼いでいる。このマンモス作品が衰退する書籍業界を微量ながらけん引はし、全体的な落ち込みに歯止めをかけてくれているのも事実だが、電子ペーパーやその他の将来開発されるメディアによって間違いなく業界は縮小していくであろう。

私の作品は絵本。 文字通り、絵の本であり絵と文が一体となって、「本」と言う紙に印刷・装丁されて束ねられた形状になって、はじめて一つの作品となる。

あくまで、作家として考えた場合、「本」というのは読者に私のメッセージを届ける一つの手段であり、アウトプットの一つにすぎない。
しかし、あの、紙の質感、重み、ページをめくる時の「わくわく感」が集まって固体となってこそ、存在意義が有るように思う。
一方で紙(パルプ)と言う地球資源の乱用は、地球環境を考えるとエコ的では無い。「時代」言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、人類の歴史を記録し、様々な人の創造を広げてきた「書物」の縮小に、どこか寂しい物を覚える。

「カタチある物はいつかは壊れる」と言った人がいたが
バーチャルのネット社会。このカタチのあるようで無い「インターネット」も
いつかは壊れる日がくるのであろうか?

私の本をアマゾンの中古本コーナーで見かけた。
500円で売られる自分の本を見て思う
「買わなきゃ」

セーヌ川の「古書」はネットで流通し、どれだけの高値がつくのだろうか?
そして「古書店」の店主は引退後何処へ行くのであろうか?

そして僕はいつまで絵本を書き続けられるのだろうか?
そして何を描いて行けばいいのだろうか?

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登録日:2006年 06月 26日 08:50:53

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プロフィール
池谷剛一 YOSHIKAZU IKEYA
(男)
1969年11月17日
パロルの本
■職業:絵本アーティスト
■経歴:全国にて個展多数開催。出版物多数。
基本的には絵本作家です。絵本のジャンルとしては大人向きの絵本です。犬がピアノ弾いたり、BARでバーボン飲んだりします 著書「そして僕は天使になった01」「椅子」他、広告のデザインとかプロデュースとかもします。とにかく創る事と遊ぶ事が大好きで、なんでもやっちゃいます。今年は二冊の絵本でます! 「世界にひとつしかクリスマスツリーがなかったら」アート活動は多種多様。
i-yoshi@jcom.home.co.jp
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