2006年 08月 22日

オーマイ!ゲイ!

同性愛者によるパレード、1000人以上が参加 - 東京

【東京 12日 AFP】東京、代々木公園で12日、「東京レズビアン&ゲイパレード2006」が開催された。パレードには1000人以上が参加した。写真はパレードの前に、乳房をかたどったオブジェを眺める人々。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA



AFPBB News


画像

「何、言ってんだよっ、ここ来いよ・・・」

大学の先輩である明球さんは、肉付きのいい160cm足らずの小さな体で
上半身裸、キングサイズのベットに大の字になって大きく手を広げ真っ白なシーツをトントンと叩いて、私を誘う。

もう十年以上前の話。
私がアメリカ・ロサンゼルスにグラフィックデザインの仕事を求めて就職旅行をしていた頃の出来事だった。

特に就職先の当てもなかった私に大学の友人からハリウッドのデザイン事務所で働いている先輩の存在を効かされ、一路アメリカに飛んだ。就職と言っても本気モードは半分くらいで、ただ、あてもない旅をするきっかけが欲しかっただけなのだ。
とりあえずテーマを決めては有るので散々旅した最後に、そのオフィスを訪ねてみた。そして、そのオフィスで優しく出迎えてくれたのが大学の先輩である明球さんであった。

私を見上げる様に
「おお、よく来たね! 疲れただろ〜? どうロスは?」

身長160cmに満たず、色黒・短髪・ギョロッとした眼に丸メガネ。おまけに出っ歯。ボクシングをやっていた体はしまりまくってこれ見よがしに白いピッチピチのタンクトップ。おまけにそのタンクトップには稲妻のデザインにPOWERと描かれていた。そして、先輩風をぶんぶんにふりまきながら、それでも気さくに私に話しかけ、積もる話や、ロスの就職事情、仕事の内容等を事務所のミーティングルームで2−3時間は話し込んだ。

かまぼこのお土産と国際電話で頼まれていた音楽カセットを数本渡すと、とてもうれしそうにハグをしてきた。

彼とはそれから一週間、ほぼ一緒に行動し、テントを借りてキャンプに行ったりクラブに行ったり、王者というカラオケボックスに行ったり、とにかくアメリカ在住の遊びの達人は私をいろいろなところに連れて行ってくれ、なかなか貴重な体験を沢山させてくれた。

明球さんは、基本的に体育会系なので先輩後輩の立場をはっきりさせる事を好む。面倒見もよく、先輩としてはかなり頼れる人では有った。
そんな上下間のはっきりした先輩後輩の一週間は楽しかったが結構気を使ったので、明球さんと会う迄の旅行が自由気ままの一人旅だっただけに私的には少し窮屈ではあった。

そして、その一週間、ひとつだけ気になっている事が私にはあった。


「ロスでデザイン事務所やってるけど、明球さんってゲイらしいから、気をつけろよ〜」

と、出発前に、余計な知識を友人から植え付けられたものだから、何処へ行くにも隣で一緒の彼を妙に意識してしまい、微妙な緊張を常に抱いていた。

しかし、一週間ほぼ共に生活していたが特に心配に至るような事はなかった・・・が、最終日事件は起きる。

一時帰国をする私はモーテル暮らしをしていたが、飛行機の時間が朝方だったため、LAXロサンゼルス空港に近い明球さんの家に泊まる事を薦められ、特に断る理由もなかったので、その晩御邪魔する事にした。

酒を買って、別れを惜しみながら、たった一週間ではあったが密度の濃い7日間の思い出話に花を咲かせ 最後の宴は何気に盛り上がった。

次の日も早いからと言う事で11時には床に着く。持参のシュラフを床に敷きもぐりこみ、おなか迄ジッパーをあげてから
「おやすみなさい」を告げると。ほろ酔い気分の明球さんが突然豹変する。


「オメー何言ってんだよっ ここ来いよ・・・」
ベット脇に一度は置いた丸メガネを再びとりあげ、鼻に引っかける様にかけ直して、薄めで改めて私を睨んで妙にすごみを出しながらそう言う。


明球さんってゲイらしいよ・・・ 友人のこの言葉が頭の中でリフレインする。

沈黙はまずい・・・と直ぐに切り返す。

「いや、いいっすよ〜僕ここで〜・・」

鼻に引っかかったメガネを左手の中指で押し上げると今度は丸メガネからはみ出るんじゃないか暗い眼球を見開いて言う

「オメー 俺が言ってる事 聞こえてんのかヨ? 来いっってんだろ・・来いって!」

非常にまずい空気が私を包む。

「ほほほ・・ほら・・、後輩は下。先輩は上!でしょ?」
ん?油を注いでいないか??

「聞こえてるんなら、コイッツ〜の」
ベットをバンバン叩きながら、完全に切れている。酔っている。ヤバい。このままでは
色んな意味でヤバい。悪いが、私は全くそういった趣味は無い。むしろ嫌いだ。てか絶対ヤダ。 神様・・・どうかお助けください・・


「失礼します・・・」
私の思いとは他所に、何故だか身体は先輩後輩の縦社会に順応だった。

私は恐る恐るキングサイドのベットに腰掛け、ゆっくり掛け布団の中に足を入れて行く。

そ〜と ゆっくり 眼をつむってタマゴの殻の上に寝る様に恐る恐るデリケートに緊張しながら何とか胸の辺り迄布団に入る。

「おおおお おやすみ な なさい・・・」
掛け布団の縁を両手で掴みながらささやく様に私

「・・・・・」
応えが無い・・・

しばらくすると 唸りのような奇声が響く
「はあああああ ごおおおあああああああああ〜〜〜」
のけぞる私

身体はそのまま、薄めで明球さんの様子をうかがう。


・ ・・寝ている。   

  ねている! おお!神よ!有り難う!神よ!

明球さんは白眼をむき出しメガネをずらし出っ歯を突き出し大きな口を開いて
声高らかに、気持ち良さそうにイビキをかいて寝ている。

今がチャンス!と脱出を試みる。

すると突然、明球さんの右手が、私の左手をぎゅっと握る。
ギョッとして 片足迄でかかった私は振り返る。

フィいい〜〜〜ごぉおおあああああ〜〜〜

ね、寝ている・・・

しかも 依然白眼で、完全に爆睡だ。
無意識に私の手を握っている。
それから、何度も脱出を試みたが、ことごとく失敗したため、コレだけの
爆睡なら、まさかは起きないだろうと考え、あきらめて寝る事にした。

何度も、寝返りを明球さんがうつ度に眼を覚まし、ゆっくり寝れたもんじゃなかったが、とりあえず無事、大事には至らなかった。


しっかり6時には目覚ましで起きて未使用のシュラフや荷物をまとめ、三菱の四駆で空港迄送ってもらった。



「そう言えば、お前、俺のベットで寝たんだな・・・」


東京行便のアナウンスがLAXにこだまする別れ際、私の荷物の一つを持ってくれながら明球さんは不思議そうにそう言った。


東京、代々木公園12日、「東京レズビアン&ゲイパレード2006」
パレードには1000人以上が参加。
ゲイに対して特に差別するつもりは無いが、頼むから興味の有る同士、相思相愛でやってもらいたいものだ。

そして明球さんは本当にゲイであったのだろうか?
そして愛に国境は無く、愛に性別はないようだが、私はできれば女性がいい。
というか、女性しか無理・・・。

そして僕は万人を愛せる男になるのであろうか・・
・・・・・その必要があるのであろうか? 

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登録日:2006年 08月 22日 18:58:33

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プロフィール
池谷剛一 YOSHIKAZU IKEYA
(男)
1969年11月17日
パロルの本
■職業:絵本アーティスト
■経歴:全国にて個展多数開催。出版物多数。
基本的には絵本作家です。絵本のジャンルとしては大人向きの絵本です。犬がピアノ弾いたり、BARでバーボン飲んだりします 著書「そして僕は天使になった01」「椅子」他、広告のデザインとかプロデュースとかもします。とにかく創る事と遊ぶ事が大好きで、なんでもやっちゃいます。今年は二冊の絵本でます! 「世界にひとつしかクリスマスツリーがなかったら」アート活動は多種多様。
i-yoshi@jcom.home.co.jp
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