「カールじいさんの空飛ぶ家」。 ストーリー作りは「ニュームーン」よりうまいがやや不満も


カールじいさんの空飛ぶ家 /Up

ピクサー最新作。同時上映の短編はコウノトリが赤ちゃんを運ぶアニメ、赤ちゃんをつくるが雲の精で、これが危険な動物を次々に出すのでコウノトリが困るというもの。「Up(原題)」と通じるところがあるようなものを用意したわけだ。

本編の「Up」だがここ最近のピクサー作品としては一番物足りないかもしれない。主要人物はカールじいさん(フレドリクソン氏)、亡き妻エリー、旅に同行することになる少年ラッセル、会話もできる犬ダグと少ない。この中でダグのキャラクターが弱い。存在としては面白いが愛すべきというところまでは行っていない。もう一つ気になるのは悪役の最後もきついように感じだ。自分の正しさを信じるがために頭がおかしくなったという設定のようなので、置かれてしまった状況は悲惨だが、本人はそれに気付かず幸せと勘違いしているというようなエンディングにしてほしかった。

という点を除けばクオリティは高い。素晴らしいオープニングで語られるカールとエリーの物語。二人が出会った小さいころから結婚、思い出の家を手に入れ、南米に行きたいという夢とそれが適わない現実(子供ができないことも)、そして向かえるエリーの死。とここまでのスケッチの見事には感服する。そして家が飛び上がるときのワクワク感や南米ジャングルのカラフルさも申し分ない。

ただし予告の印象ほどにはカールはガンコでもない。再開発で彼の家だけが取り残された状態になり、それで彼の孤独感を出すのはふつう。しかしちょとしたトラブルで出て行かなくてはならなくなり、見ているほうもザマーミロという気持ちで風船で旅立つことができる。予告だと旅や少年との出会いが妻が仕組んだことのように見えるがそこまでもない。空に飛び上がるという話や空中戦などはジブリっぽい。ただ現地に着いてからジャングルや飛行船内の話が思ったより広がらないのだ残念だ。

これサントラのCDはなく、配信のみ。ディズニーとしてはある種の実験なのだろうが寂しい。まあ大ヒット確実でアカデミー賞ノミネート経験のあるMGが作曲だけど、ミュージカル調でもないし売れる保証はないのだ。

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登録日:2009年 12月 05日 01:48:21

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