「パラノーマル・アクティビティ」。 逃げ切れない運命という点では「フローズン・リバー」と共通


パラノーマル・アクティビティ / Paranormal Activity

噂の低予算ホラー、フェイク・ドキュメンタリー形式は珍しくないが定点カメラ映像を中心にしている。夜中の起こったことを確認するときには録画した映像そのものが流れる。この形式の利点はふつうのドラマならホームビデオに偶然怪しいものが写っていたという設定にしなければいけないが、この映画ではその必要がないこと。主人公の二人はいきなり怪しい映像を撮るために撮影器具を用意する。二人もトレーダーのミカと学生のケイティなので家にずっといても不自然ではない。

この映画はモンスターの姿を見せないという意味ではJホラー的で、ラストの展開も負の連鎖という点で「リング」と似ている。フェイクにして良かったと思うのはバカっぽい場面の処理の仕方だ。いや、この二人がバカでないとは言わない。それでもホラーにお約束の恋人たちがいちゃつくとそこに殺人鬼がやってくるというありきたりなパターンは避けられている。そのパターンにおける効果は"こいつらはバカだから死んでもいいよ"と思わせる点にある。この映画はそれは避けても結局観客に"彼らに生き残ってほしい"とは思わせない。それ自体は失敗ではなない。なぜならこの映画での二人の役割はモンスターに打ち勝つことではなく、敵の世界に巻き込まれることにあるからだ。

この映画で一番笑えるのは霊の専門家が"霊は扱うけど、悪魔は専門外だよ"というところだ。事態が次第に悪くなって再度登場すると"悪魔の専門家は現在出張中だから、戻ってくるまでがんばれ"とはなんと無責任な、プランBを考えてやらないのだ。真相に近づこうとするとより状況が悪くなるという流れは面白いが、そのためにはもっと外堀を埋めないと説得力がない。

ラストはそれなりに怖いし、予想以上に酔ってしまい、その意味ではこの映画に完全にやられたわけだが、これならふつうのフィクションとしてカット・デニングスあたりをヒロインにして作ったほうが良かった思う。それで新たなホラー・クイーンを作ったほうが一発屋の監督(まだ決まったわけではないが)を生むより映画界にとって有益だと思う。

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登録日:2010年 02月 06日 01:24:02

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