「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」。 「ローラーガールズ・ダイアリー」とは違い物語に芯がない


プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 / Prince of Persia: The Sands of Time

~のスタッフによる新作というのはよくある宣伝文句だが、これに「パイレーツ・オブ・カリビアン」の名前を出すのはプロデューサーがジェリー・ブラッカイマーだからかまわない。主演は「デイ・アフター・トゥモロー」のジェイク・ギレンホー、監督は姉マギー・ギレンホールも出演していた「モナリザ・スマイル」を手掛けていたマイク・ニューウェル。

ということで観光旅行気分のエキゾチックな作風は「パイレーツ~」と同じだが、話がつまらない。「パイレーツ~」の脚本も褒められたものではなかったが、次々にアイディアを投入して(ときにはややこしくなりながらも)飽きさせなかった。それに対してこちらは罠にはめられたダスタン王子(ジェイク・ギレンホール)がそれを跳ね返し、途中で手にした時間の砂に振り回されるというものだが、ほぼワン・アイディアなので間延びしている。黒幕はすぐに分かるし、黒幕がある都が武器を密輸していることを口実にして戦争を仕掛ける。密輸ではなく武器があったはずだと言って戦争を仕掛けたというのはどこかで聞いたような話だ。

また「パイレーツ~」はウィル・ターナーを主人公としたときにジャック・スパロウはトリック・スターとして機能したがこちらはそれに当たる人物がいない。アルフレッド・モリーナはそうなるかなと思ったら彼はほとんどジョン・リス=デイヴィス のような役割となっていた(これでいいのか?)。本来なら二人の兄王子がもっと存在感があるべきなのだがそれはなし。二人が正統な王子で、ダスタンが養子という設定もあまり生きていない。

ジェイク・ギレンホールは悪くない。予想外にマッチョになったが顔つきはぼーっとしたままで巻き込まれ型のヒーローに合っているし、王子といっても街出身の雰囲気も出ている。アクションはパルクールを取り入れている。最近では「007/カジノ・ロワイヤル」や「ボーン・アルティメイタム」でも使われていたが、そうしたシリアス・アクションよりこうした非現実的な物語のほうが合っていると思う。でも一番いいのは少年時代のアクションだったかもしれない。一方タミーナ王女を演じたジェマ・アータートンはたしかにきれいだが、モデル女優顔というか薄味で砂漠のお姫様というにはエキゾチックさが足りないように思う。この点は残念だがそうした偽者っぽさもこの映画の雰囲気と合っているようだ。それはハリー・グレッグソン=ウィリアムズが手掛けた音楽にもいえるかもしれない。特殊効果はまあまあだが何箇所かでバックの画像にしょぼさを感じてしまった。

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登録日:2010年 05月 30日 23:27:04

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