「アイスバーグ! 」と「ルンバ!」。 「瞳の奥の秘密」とは違いこれぞ身体による表現

ベルギー人ダンサー/クラウンの二人ドミニクとフィオナを主役にした映画を続けて見た。セリフもあるが方法論としてはサイレントに近く、たとえば"あ~~"と叫ぶようなところも動きのほうを重視している。上映は「アイスバーグ!」からだったが「ルンバ!」から見たほうがこの二人の個性が把握できて良かったと思う。「アイスバーグ!」のほうがドタバタや乾いた笑いが多く拒否感を示す人がいそうだからだ。

「アイスバーグ! /L'iceberg」
こちらははバーガー店に勤める主婦が手違いで冷凍室に閉じこまれてしまって以来(ここでなんとか耐えようとする姿も見もの)氷山にめざめ、家族のこと(とくに夫)など無視して氷山のところに行こうとするいわば「未知との遭遇」氷山版だ。妻を追ってくる夫の行動や港町にいるいかにもダメそうな船長のやり取りなどは面白いのかそうでないのかよく分からない独特の世界だ。と言っても最初(と最後)にイヌイット女性の語りがあるので、これが変な映画であることは分かりきったことなのだ。

「ルンバ! / Rumba」
こちらは中学校の女性英語教師と男性体育教師との話で話の骨格は分かりやすい。この二人がラテンダンスを趣味にしている。まずは放課後の体育館でのダンスが目をひき付ける。床を回るダンスが素晴らしい。

ダンスコンテスト当日に女性教師が衣装を忘れたことに気付き引き返す。そして遅刻しそうになりながら車の中で衣装を器用に具合に着替える。もちろん法律違反なので実際にはやっていませんとばかりに合成画面になっている。そしてコンテスト会場に着くともう開始時間だ。ここは内容を見せないのが良い。優勝して意気揚々と家に帰る二人に立ちはだかるのが自殺志願者だ。迷っているらしく色々なことをしていまい、それが二人のダンサーには最悪の結果を与える。ここは少し違っただけで結果が違ってしまうことを表しているようであり、運なんてそんなものだと言っているようでもある。

ともかく交通事故により女性英語教師は片足を男性体育教師は記憶を失うことになる。学校に戻るが仕事がうまくいくはずもない。ここは杖を使ってのパントマイムもどきの動きともう過去の二人でないことを知って落ち込むことを表現した影によるダンスが良い。

この後にも二人に不幸が襲う。家は焼け、二人は離れ離れになる。男性体育教師は海まで行き着き、そこであの自殺男に拾われる。女性英語教師はなんとか彼の足跡を追いかけて海まで行き、崖に彼の服があることを見てそこから落ちたと思い込む。そして一年後彼女は彼を弔ふために海に行く。と文章にすると悲劇的だが演出はもちろんコメディだ。「アイスバーグ!」ほどではないがここでもサイレント風味は健在。

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登録日:2010年 08月 17日 22:14:35

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