「ソフィアの夜明け」。 「リトル・ランボーズ」と同じく兄弟関係に注目


ソフィアの夜明け / Eastern Plays

ブルガリア映画で、舞台は首都ソフィア。こうした国は良いニュースも悪いニュースも聞かない地域だが、この新人監督による作品が描く街は活気があるようには見えない。

映画は少年のショットから始まり、この少年が過激なグループに入るところが描かれる。話の中心はこのゲオルギではなく年の離れた兄イツォである。彼は自称アーティストだが、実際にはアトリエで何かを造っているだけである。と言うのも彼はドラッグで身体をだめにしていて病院に通っている。その様子はどん底を見た人間がそこから少し上にいるのだが、近いうちに底に戻ってしまうことが分かっていると言う風に見える。イツォを演じたオヴァネス・ドゥロシャンは監督の知り合いのアーティストで、彼をイメージしてキャラクターを作ったそうだが、撮影後に亡くなってしまった。映画を見るとそれも納得できる。

堕落してゆく弟はグループの一員としてドイツに行く途中のトルコ人家族を襲撃する。そこにイツォが居合わせる。ここは今の二人の立場が明らかになる。ドイツにはトルコ人コミュニティがあることはよく知られるが、それが問題を起こすこともある。兄弟の父親が見ているテレビには地元選挙のニュースが流れていて、候補者がジプシー排斥を訴えている。この辺は昨今フランスでも問題になったことと似ている。ここでは差別問題を前面に出すと言うよりは、それが引き起こす不穏な空気を表現していると感じた。

イツォはトルコ人家族の娘ウシュル(サーデット・ウシュル・アクソイ)と親しくなりデートをするが父親は快く思っていないのでイツォを娘から引き離そうとする。その結果また"無"の状態になったイツォは弟に自分の思いを託し本人は旅立つ。主演俳優の行く末を知らなくても早朝の街で老人と出会ってからの場面は夢とも解釈できそうだ。

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登録日:2010年 12月 03日 22:22:45

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