2007年 04月 14日
クイーンじゃないよ「クィーン」だよ
<第79回アカデミー賞>短編ノミネート作品の特集イベント開催 - 米国
【ロサンゼルス/米国 22日 AFP】第79回アカデミー賞(The 79th Academy Awards)授賞式を間近に控えた20日、短編アニメーション部門と短編実写部門にノミネートされている10作品をフィーチャーしたイベントが、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)内のサミュエル・ゴールドウィン・シアター(Samuel Goldwyn Theater)で開催された。
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(c)AFP/Getty Images Michael Buckner
クィーン/THE QUEEN
「ヘンダーソン夫人の贈り物」の日本公開が遅れたために
スティーヴン・フリアーズの新作がまた見られる。
最初にこの映画の話を聞いたときに勝手にドロドロした「英国王室、愛と苦悩の7日間」
みたいな映画だと妄想して不謹慎な!と思っていたが、積極的に情報を集めなくても
エリザベス女王個人を中心に描いた映画だとわかってきた。
似ている、似ていないはあまり問題ではない。クィーン・マザーの存在が面白かった。
チャールズの出番は少ない。彼のハイライトはブレア首相と共闘しようとする場面。
この辺はピーター・モーガンの脚本がうまい。
「ラストキング・オブ・スコットランド」では色を付けすぎたが
ここではダイアナ絡みのドロドロした部分は極力無視し、
確かに彼、彼女はこう言ったかもしれないと思わせるものになっている。
この映画は女王とブレアの新旧価値観の対立という静かな戦い
(本来ならブレアに勝ち目はないが女王が国民の声を無視できなくなる)の末に
女王が根本から変えることは拒否しながらブレアの提案を受け入れる過程である。
王室と国民との温度差をどう解消するか、監督の視線はそれを離れたところから
見ている。それはこの監督とこの家族との距離感なのだろう。
主演のヘレン・ミレンはなりきり度よりも自然な振る舞い方に感心。
そして女王に対するのは首相に選出されたばかりのトニー・ブレア、
今世紀最年少首相と言っても夫人言わせるとマザコンで
どこか頼りなげなこの役を演じるのはマイケル・シーン。
私生活では夫婦共演映画(「アンダーワールド」)撮影中に
嫁(ケイト・ベッキンセイル)を監督(レン・ワイズマン)に
寝取られるという過去を持つ彼の演技が面白かった。
まあブレアももうすぐ辞めると言われているわけで
それを示唆するかのようなセリフを入れるのは現状を考えれば仕方なしか。
鹿のシーンはどのようにも取れそうだ。
パンフの監督によれば王室のメタファーだそうだが
パパラッチに追われるダイアナのようでもある。
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登録日:2007年 04月 14日 21:41:36
期待外れの「ツォツィ」
<第78回アカデミー賞>外国語映画賞候補「Tsotsi」プレミア試写会
【ウエストハリウッド/米国 26日 AFP/Getty Images】22日、ウエストハリウッド(West Hollywood)にある、パシフィック・デザイン・センター(the Pacific Design Center)でミラマックス(Miramax)の映画「Tsotsi(原題)」のプレミア試写会が行われた。
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(c)AFP/Getty Images Kevin Winter
ツォツィ/Tsotsi
格好いいギャング映画を予想していたらなんともつまらない映画だった。
なんといってもストーリーが凡庸。スラム街に住む不良を意味する
ツォツィを名乗る若者は暴力と犯罪の限りを尽くす。
金持ちの黒人女性が運転する車を襲った彼はそのまま車を奪って逃亡、
しかしその車には赤ん坊がおり、ツォツィはそれを捨てることができずに育てる。
そして赤ん坊を育てることで彼の中で何かが変わってゆく。
一番の問題点はツォツィにほとんど感情移入ができなかったことにある。
途中に出てくる車椅子の老人、赤ん坊に乳をやるように強要される若い母親
などはいいキャラクターなのだが、ツォツィと絡んでもあまり面白くない。
もちろん設定上もツォツィは親に見捨てられた心を閉ざした青年なのだが
そんな青年なら赤ん坊の世話を少ししたくらいで許されるというのだろうか、
そんなわけがない。ツォツィの心の変化を彼自身の言葉で語らせないことで
監督は何らかの効果を狙っているのだろうが、失敗している。
さらに残念なことにテンポがあまり良くない。
それではなぜアカデミー賞の外国語賞を受賞したのか?
恐らくは「シティ・オブ・ゴッド」の外国語映画部門候補漏れが
尾を引いたのではないかと思うが、もちろん本作は
「シティ・オブ・ゴッド」にははるかに及ばない。
「シティ・オブ・ゴッド」にのフェルナンド・メイレレス監督は
その次に「ナイロビの蜂」を撮った。
ダラダラとした話なので出来は必ずしもよくないが「シティ・オブ・ゴッド」の監督が
撮っただけのものはあると思わせる内容で、レイチェル・ワイズにオスカーを獲得。
「ツォツィ」のギャヴィン・フッド監督も自作はハリウッド俳優を起用した作品である。
どれだけのものを見せてくれることが出来るだろうか?
散々悪口を書いてきたのでよい点をあげておこう。
まずは先にあげた二人の演技。スラムを含めた南アフリカの風景。
音楽も強くは惹かれなかったが悪くはない。
それからツォツィの赤ん坊への接し方、欧米の映画ではさすがに
酷すぎてOKが出ないのではないだろう。
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登録日:2007年 04月 14日 21:04:28
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