2007年 11月

甘いだけではないパイ「ウェイトレス」

<2007サンダンス映画祭>映画「Waitress」上映会開催 - 米国

【パークシティ/米国 23日 AFP】19日から29日まで開催されるインディペンデント系映画を対象とする「2007年サンダンス映画祭(2007 Sundance Film Festival)」で21日、映画「Waitress」の上映会が行われ、俳優/映画監督のデニス・ホッパー(Dennis Hopper)が訪れた。
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(c)AFP/Getty Images Evan Agostini

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ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた/WAITRESS

(関係者に不幸と幸福については最後で)
映画の冒頭田舎のダイナーで女性従業員が3人集まってヒロインの妊娠を知るが、
彼女は浮かない顔をしている。既婚者だから不倫かと思うと、夫との関係が
悪いことが分かる。やがて彼女は担当の産婦人科医に心惹かれることになる。
一見「いつか王子様が」風だがケリー・ラッセル演じるヒロインはできれば
田舎から抜け出したい(全米パイ・コンテストに出場)と思っていながら、
どうしてもそうしたいとまでは思ってない。夫にコンテストに出る資金を頼むのは
単なるポーズであり、ヘソクリの仕方も中途半端だ。その意味ではこの映画は
主人公が自分の才能を正しく理解せずに、それを他人に発見される物語でもある。
映画の結末があまりにも女性映画的だと感じる人もいるだろうしそれは否定できないが、
最終的には今いる地点から抜け出す主人公が他人に頼ったのではなく、
あくまでも自分が切っ掛けを作ったことに注目すると見方が変わるはずだ。

監督エイドリアン・シェリーが実際に妊娠したときのことを参考にした脚本だけあって、
ダイアローグなどはリアル。もちろん限られた空間の話なのでキャラクターによっては
ある面を強調されていたり、また逆だったりするが、ダメ亭主の描写は実際にきつい
暴力シーンはなくても数々の行動が嫌な奴であることを証明しているあたりはお見事。
もちろんコメディ・パートも色々ある、中でもヒロインと産婦人科医との場面は
「今どきこんな演出をするか!」というくらいにベタベタでおかしい、このときの
ケリー・ラッセルの(チラシ等でお馴染みの)笑顔が白々しくて最高だ。
よく考えるとヒロインとダイナーのオーナー以外の登場人物はどこか歪んでいる。
そしてパイもあまり奇麗な色ではないような気がするがそれも計算の内なのだろう。
季節の移り変わりなどはほとんど無視しているが低予算なので仕方ない。

エイドリアン・シェリーは2006年11月に死体で発見された。当初は自殺と思われていたが
後に容疑者が逮捕、最後に出てくる少女は彼女の娘である。ケリー・ラッセルは公開前に
妊娠が判明し、無事に出産した。

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登録日:2007年 11月 23日 21:10:09

「ボーン・アルティメイタム」

映画『ボーン・アルティメイタム』ロンドンでプレミア上映開催

【8月16日 AFP】米俳優マット・デイモン(Matt Damon)主演の最新映画『ボーン・アルティメイタム(The Bourne Ultimatum)』のプレミア上映会が15日、ロンドンのレスター・スクウェア(Leicester Square)で開催され、多くの著名人が姿をみせた。(c)AFP

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現代スパイアクションの最高峰との呼び声も高い「ボーン」シリーズの3作目、
「アルティメイタム」。たしかに非常によく出来た映画でポール・グリーングラス監督による
2作、「スプレマシー」「アルティメイタム」の合せ技でその称号を与えたい。
ということは単体ではやや不満が残る結果となった。

個人的には揺れるカメラ・ワークにはかなり耐久性があるが、それに耐えられなかった
作品がポール・グリーングラス監督の「ユナイテッド93」だった(まあ映像と言うよりは
ストーリーにほうがきつかったのだが)。そんな手法は今回も冴えていて、イギリスでの
駅構内でのシーンが個人的にはハイライト。逆に評判のいいモロッコでのシーンは
少々長く感じらしまった。

さらには敵役になるデヴィッド・ストラザーン等の登場人物がやや単調に感じられたのが
マイナス。彼らにははじめからボーンに消される運命のキャラクターであることが
見え見えなのだ。「アイム・ユア・ファーザー」並みの破壊力がほしいとは言わないが
もう一ひねりほしかった。その意味ではジョアン・アレンが演じるパメラのキャラクターの
ほうが面白い。もちろん彼女はCIA内の不正に対するストッパーの役割を果たしている。
CIAは組織の性格上、誰かが不正を犯しやすいと描いていたのは
同じマット・デイモン主演の「グッド・シェパード」であった。

予告編の「おかしいな俺は本部にいるんだが」のシーンが意外に後ろの方で驚いた。

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登録日:2007年 11月 20日 23:23:11

アレンとイギリスとの相性は?「タロットカード殺人事件」

ウッディ・アレン監督、女優スカーレット・ヨハンソンについて語る

【9月3日 AFP】人気上昇中の米女優スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johanssen)は、現在までに監督ウッディ・アレン(Woody Allen)の映画3本に出演を果たしている。
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(c)AFP

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クリント・イーストウッドとウディ・アレン、二人ともアメリカを代表する映画人であり、
監督と俳優を兼任するタイプの人である。しかしさすがに近年は俳優としては
ややしんどくなってきたと感じる。シリアスな世界の中で眉間に皺を寄せていればいい
イーストウッドとは違って、アレンのほうがコメディなのできつい。
監督に専念した「マッチポイント」の評価が高かったのも偶然ではないと思う。

ヒロインは「マッチポイント」から引き続いてのスカーレット・ヨハンソン。
彼女の役としてはこちらのように軽めのほうが似合っていると思う。
そんな彼女を見るアレンの視線にいやらしいものを感じないと言ったら
嘘になる。彼の私生活を知っているからだろうか。

必ずしも極上の作品と言うわけではないが、アレンの自虐ギャグと
英国的自虐喜劇との組み合わせは悪くないようだ。

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登録日:2007年 11月 20日 00:11:23

見た後で効いてくる「ONCE ダブリンの街角で」

<第6回トライベッカ映画祭>「フィルムメーカー・パーティー」開催 - 米国

【ニューヨーク 1日 AFP】4月25日から5月6日まで開催されている第6回トライベッカ映画祭(Tribeca Film Festival)で30日、「フィルムメーカー・パーティー(Filmmaker party)」が行われ、映画製作関係者が出席した。写真は、パーティーでパフォーマンスを披露するThe FramesGlen Hansard。(c)AFP/Getty Images/Tribeca Film Festival Scott Wintrow

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Guyを演じるグレン・ハンサードのギョロっとした目がいい。驚いたときの表情などが絶妙。
彼はアラン・パーカー「ザ・コミットメンツ」にも出ていたそうだが、しばらく見ていない
(DVDは持っていない)。むしろ男が女性と出会うことで曲を完成されると言う意味では
「ラブソングができるまで」を思い出した。もちろん内容は大きく違う、この映画には
間違ってもiPodなどは出てこない、出てきても携帯用CD止まり。しかしそれが
あるエピソードを引き出しているのは感心した。ミュージシャン志望のGuyは
ギリギリ30手前くらいだろうか、母親が死んだのでロンドンからダブリンに戻り、
掃除機修理屋の父親と暮らしながらもプロになる夢を捨て切れていない。
対するマルケタ・イルグロヴァが演じるGirlは、東欧からの移民だ。
つまり同じ貧乏でも一人は好調のアイランド経済からの恩恵を受けずに、
もう一人は好調なこの国に仕事を求めてやってきたという違いがある
(ちなみにボロボロなギターはロリー・ギャラガーへのオマージュか)。

Girlが東欧からの移民と言っても「あなたになら言える秘密のこと」ほどの
重い秘密があるわけではない。あの年で子持ちと言うのもいいとして、
それでいて英語の喋れない母親と同居に旦那は本国チェコで健在というのは
自然な物語であるこの映画でやや気になった点だ。ただ旦那がいることが
ストッパーになっている(ちなみにマルケタは日本人好みのルックスだと思う)。
監督は自然な映画を目指したらしい。アイルランドに行ったことはないので分
からないが、酒場の場面はいかにかといった感じだ。映画としては
レコーディングの準備からのテンポが良く、笑える要素もいいアクセントになっている。

ラストはあれでいいと思う。二人でロンドンに乗り込んでレコード契約も獲得して
大ヒットなんて都合よく行くはずがないのだから。そう考えるとこれはこれで
きれいな終わり方なのだ。一応今のと逆のエンディングも撮影したそうだが、
二人が向き合うことになるのが海とスタジオの場面という少ない回数で、
そこでの抑制が効いた演出が映画の鍵にになっているので今のままのほうが
すてきでいい(海でのチェコ語のセリフはIMDbにあるが、どちらに解釈してもいいと思う)。

というわけで見ているときよりも、見終わってからじわじわとくるタイプの映画。

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登録日:2007年 11月 11日 00:06:49

「アフター・ウェディング」

<第31回トロント国際映画祭>「After The Wedding(Efter Brylluppet:原題)」の上映会開催 - カナダ

【トロント/カナダ 16日 AFP】第31回トロント国際映画祭(31st Toronto International Film Festival)で15日、デンマーク映画「After The Wedding(Efter Brylluppet:原題)」の試写会が行われ、主演俳優マッツ・ミケルセン(Mads Mikkelsen、左)と女優のスタイン・フィッシャー・クリステンセン(Stine Fischer Christensen)がレッドカーペットに登場した。(c)AFP/Getty Images Donald Weber

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2007年アカデミー賞外国語映画部門ノミネートのスサンネ・ビア監督作品。物
語の展開は一見メロドラマのようでありながら、あることが終始気になった。
いくつかの紹介文にあるようにあるオヤジが死を目前にしてあれこれと策を巡らす。
その死というものは要所要所に散りばめてあったと思う。時おり挿入される
剥製や枯れた植物の画。さらにマッツ・ミケルセン演じるヤコブ、この名前でつい
ヤコブの梯子を思い出したのは映画「ジャケット」の後遺症である。
そう考えるとヤコブはお釈迦様の掌にいる孫悟空のような存在に思えてくる。

ここで英米の俳優で配役を、ヨルゲンはダニー・ヒューストン、ヘレネはエミリー・ワトソン、
クリスチャンはケイシー・アフレックなどはどうだろうか。マッツ・ミケルセン以下役者は
どれも良い。ヨルゲン夫妻の子供がどれもかわいいのもポイントが高い。ドラマ自体は
ありがちなものでも(とくに浮気)、出てくるセリフはこちらの予想を裏切って面白かった。
大感動はしなくても興味深い一本。

写真はマッツ・ミケルセンとかわいいスタイン・フィッシャー・クリステンセン。

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登録日:2007年 11月 06日 00:30:03

CIAと力に関する映画「グッド・シェパード」

デ・ニーロ監督 『グッド・シェパード』のPRのため来日

【8月8日 AFP】都内で8日、米俳優のロバート・デ・ニーロ(Robert de Niro)が監督を務めた映画『グッド・シェパード(The Good Shepherd)』のプロモーション記者会見が行なわれた。

日本での公開は10月予定。(c)AFP

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ストリートいうか題材としてはとても面白い映画で、冒頭に出てくる男女の密会写真・
ビデオとピッグス湾攻撃漏洩事件は話を引っ張る要素ではあるが、中心はCIAの歴史と
スパイである男がその職業にどう取り組んだかである。最近の映画にありがちな時間を
ずらす構成になっていて、それ自体はさほど大きな問題ではないが、過去と現在の
それぞれの場面の演出がほぼ同じテンポなために非常に単調になっていて、
眠気が襲ってくる(その意味では「ゴッドファーザー」は凄い映画だ、この映画との
比較では2)。実際に公開日に見てロンドン時代は眠ってしまったので、
再見したがやはり眠たくなった。

マット・デイモンは悪くないが、顔に刻まれた年齢が大学生時代と中年の二つしか
感じられず、その中間を表現しきれていなかったのは残念だった。
アンジェリーナ・ジョリーは初登場時の女学生(?)にまったく若さが感じられず、
ここは無理をしてでも若作りをしてほしかった。とは言え男を狙う獣の雌の演技はお見事。
後半今の彼女の実年齢に近づくと光りだしたのもさすがだ。

物語としては主人公が家族を犠牲にし、最終的には組織を家族として頼るしかなくなる
わけだが、監督ロバート・デ・ニーロが第二のテーマとしているのはCIAが持つ巨大な力で
あることは監督自身が演じる将軍のセリフからも明らかで、その意味では力の正しい
使い方がテーマであるスコセッシ監督の「ディパーテッド」、誤った力の使い方を正す
ジョディ・フォスターの「 ブレイブ ワン」と「タクシードライバー 」を作った人たちが
30年後に同じようなことをテーマに持ってくるのが面白い。

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登録日:2007年 11月 04日 23:31:59

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