2008年 09月 26日
「あぁ、結婚生活」
<第32回トロント国際映画祭>『Married Life』ワールドプレミア上映会開催
【9月13日 AFP】15日までカナダで行われている第32回トロント国際映画祭(32nd Toronto International Film Festival)の7日目を迎えた12日、『Married Life』のワールドプレミア上映会がライアソン・シアター(Ryerson Theatre)で開催され、監督・出演者らが登場した。(c)AFP/Getty Images
あぁ、結婚生活/Married Life
予告を見る限りはジュリアン・ムーア主演作「エデンより彼方に」(パトリシア・クラークソンも出演)のような映画かと思った。あちらがダグラス・サーク監督作「天はすべて許し給う」(見ていない)のリメイクを真面目にやって、現代と50年代の違いやデニス・クエイドが同性愛でした、ガーンというところで笑いを取っていたが。こちらはもっとストレートなコメディだ。
主演はクリス・クーパーとパトリシア・クラークソン。クリス・クーパーの愛人にレイチェル・マクアダムス、友人にピアース・ブロスナン。この4人が中心なので舞台でもいけるような脚本になっている。クリス・クーパーもパトリシア・クラークソンもどちらかと言うと二番手で力を発揮するクセモノなのでどうかと思ったが(キツネとタヌキの騙しあい的な場面が少しある)、そこにやや大味なピアース・ブロスナンが入ることでうまく中和される。愛人役のレイチェル・マクアダムスは「ミーン・ガールズ」を見たばかりで、なかなか映画に入り込めなかったが、ここでも金髪が浮いて見える。若き戦争未亡人という設定だが20代後半か、まあ今の年齢よりは若いだろう。
夫は愛人と一緒になるために妻を毒殺しようとしているが(離婚は社会的、宗教的に良くないということなのだろう。もちろん殺人の方が悪いのだが)、実は妻にも秘密はあった。この毒の行方は二人が秘密を持っているゆえに夫の思うようにはいかない、そのときのクリス・クーパーの行動が笑いを誘い、落ち着くところに落ち着く。時代物としてはまずまず。
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登録日:2008年 09月 26日 01:06:00
「この自由な世界で」
この自由な世界で/It's a Free World...
ケン・ローチと言えば社会派という言葉がついて回るが、社会派社会派といい続けているとそれ自体にあまり意味がなくなってくるなどと考えていると、今作はややアプローチを変えてきた。スカーレット・ヨハンセンとテニスのグラフを合わせて2で割ったようなルックスの主人公アンジー(キルストン・ウェアリング)は自らの境遇から社会のひずみに落ち込み仕方なく悪や裏社会に入り込んでしまったのではなく、(リストラやシングルマザー問題があったとは言え)自らの意志でその世界、具体的には外国人労働者の斡旋業をスタートさせ、不法移民を働かせると言う泥沼に入り込んでしまうダーティー・ヒロインだ。虐げられる側ではなく虐げる側から描くというのは確かに面白い。アンジーをそこまで追いやった現代の状況を通して"自由な世界で"のひずみを描いて、監督本来の視線はアンジーの父親(演技未経験者を起用)の寄り、父親は強く言わないが娘のことあまりよく思っていない。母親でもあるアンジーは時おり優しさを見せながらも深みにはまる。そしてある一線を越えたときに自分の近くにいた、自分のことをよく思わない人から強烈なしっぺ返しを受ける。そしてそれが起こった後でも彼女はダーティーなままだ。
アンジーが自分を見つめなしたり、思い切り悩んだり、性的に危機が訪れないのでこの映画を生々しいとまでは感じないのだが、それでも何かが漂っていてあまり不満は感じない。それこそが社会派監督ケン・ローチが今までの映画で築き上げてきた空気な様なものだと思うのは気のせいだろうか。
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登録日:2008年 09月 26日 00:04:19
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