2008年 11月 10日

「ボーダータウン報道されない殺人者」

<第57回ベルリン国際映画祭>ジェニファー・ロペス渾身の一作「Bordertown」 - ドイツ

【ベルリン/ドイツ 16日 AFP】8日から18日まで開催される、第57回ベルリン国際映画祭(The 57th Berlin International Film FestivalBerlinale)で15日、グレゴリー・ナヴァ(Gregory Nava)監督の米国映画「Bordertown」の上映会が行われた。
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(c)AFP/DDP/SEBASTIAN WILLNOW

AFPBB News


ボーダータウン報道されない殺人者/Bordertown

米国未公開作品といってもクオリティが低くて本国ではDVDのみというのもあるが、これは内容が政治的で敬遠されたのではないかと思う。NAFTAが引き起こすグローバリゼーションと、それがもたらす貧困、それにまつわる殺人事件。監督はこれらをドキュメンタリーとしてではなくスター(ジェニファー・ロペス)を配したサスペンス・ドラマとして提示している。

物語は連続殺人事件の被害者で奇跡的に生還した少女を取材するために女性記者ローレン(ジェニファー・ロペス)がメキシコに飛ぶ。現地で警察の腐敗ぶりを目にした彼女はかつての知り合いの記者ディアス(アントニオ・バンデラス)を頼ることになる。ローレンははじめメキシコ行きを渋る。彼女は職場で自分がラテン系であることを隠しはしないが、強調もしないのだ(ちなみにロペスのプロダクションの名前がNuyorican Productionsというのから分かるように、ニューヨーク生まれのプエルトリコ人)。その象徴が金髪で、終盤にはブロンドをやめることはローレンがメキシコに帰還することを意味する。こうした点に気を配ったことからも分かるようにジェニファー・ロペスは派手なイメージを抑えてこのシリアスな世界に貢献している。

そのようにシリアスな作品なので、ロペスのパートナーにバンデラスを起用し、人気歌手フアネスの公演シーン(NAFTA成金のお嬢様の誕生会に呼ばれると言う設定は良い)を入れても、完全な娯楽作品ならない。これはあくまでも事実を基にした物語であって、ノンフィクションの映画化ではないことを考えるとラストをどうするは非常に難しい。ラストはある程度すっきりさせると同時に問題提起を忘れてはいけないと言うことを考えると、この結末はなかなかよく工夫されていると思う。

他の部分で印象に残ったのは、二人目の加害者を巡るサスペンス。被害者女性の心の動きとシンクロするようにローレンの少女時代の思い出がフラッシュバックになるところ。これはローレンの中にあるメキシコの部分が蘇る描写として面白い。ローレンが上司(マーティン・シーン)から"今は調査報道の時代じゃない"と言われるのはショックではないが、厳しい現実の一つとして受け止めた。

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登録日:2008年 11月 10日 21:12:30

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