2008年 12月 15日
「WALL·E/ウォーリー」
ピクサーの新作アニメ『WALL・E/ウォーリー』ワールドプレミア上映
【6月23日 AFP】米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)にあるグリーク・シアター(Greek Theatre)で21日、ピクサー(Pixar)の新作アニメ映画『WALL・E/ウォーリー(WALL・E)』のワールドプレミア上映会が開催され、多くの著名人が登場した。(c)AFP/Getty Images
ピクサー・スタジオといえばある時期までは右肩上がりの成績を残してきたが、ここ数作は下降気味か横ばい状態にある。もちろんどこまでも右肩上がりになることはないし、作品のクオリティが下がっているわけではない(ピクサーの顔、ジョン・ラセターが監督した「カーズ」はスローライフと車という食い合わせが悪く、評判はあまり良くないようだが、好きなものを作ったという勢いがあって憎めない)。ただそれが「アイアン・ジャイアント」のブラッド・バードをスタジオに迎えた時期と重なるのは偶然ではない。つまりそれは"男の子"から"少年"へという作風の変化である(もちろん「アイアン・ジャイアント」でのブラッド・バードの作風は今より男の子っぽい)。この考え方だと「ウォーリー」は男の子が少し年上の女性と出会う物語になる。最初の予告を見たときにはウォーリーは萌えキャラなので女の子っぽいと思ったが、新しい予告でイヴを見るとそういう考えはなくなった。
予告編のナレーションではウォーリーはシステムエラーを起こして感情が芽生えたと言っているが、字幕やナレーションでそれを言及することはない。なにせ前半はほとんどセリフはないのだから。ウォーリーの感情はイヴや宇宙船にいるロボットにある感情よりやや劣る程度に感じる。何百年も放置されていたウォーリーの進化は実は凄いのかもしれない。さて宇宙船に回収されたイヴを追って船内に入り込むウォーリーだが、そこの人間はブクブクと太って、自分の足すら使わず機械に頼り、遊びもヴァーチャルなものしかしない。これはSFにはわりとある設定だが(行き着くところまで行くと脳みそだけにまでなる)、実際にこうなる可能性は低いと思う。なぜなら数パーセントの人間は楽をすることよりも痛みを感じることに価値を見出すはず。これはSM趣味と言うのではなく風呂は熱いほうがいいや辛いものがやめられないというのと同じことだ。彼らはブクブクと太ることをよしとしない、そしてスマートなままの人がいればその人に憧れて努力する人も多いと思うのだがどうだろう。
なりよりここで重要なのはフィジカルなコミュニケーションにある、船内の人間たちが直接隣の人と触れ合ったときの感動と感情に注目したい。なにせこの映画ではロボットのウォーリーが手をつなぐことに憧れ、人間はヴァーチャルなコミュニケーションしかしてこなかったのだから、いわばロボットに触発されてその感覚を思い出す。"コンピューターに向かいながら仕事している人間にそんなこと言われたくないよ"と思う人もいるかもしれないが、そんな作り手だから何が大切かを理解していると思いたい(ちなみにピクサー社ではゲームをできるようなスペースだけでなく、運動設備も完備しているとのこと)。
手と手が触れ合うSF映画といえば深夜放送で見た「バーバレラ」を思い出す。男女が互いの手を合わせることで性行為と同じ効果が得られたはずだが、細部は覚えていない。もちろんこの映画でウォーリーとイヴが手を繋ぐ場面はエロティックではないが感動的だ。「2001年宇宙の旅」のオマージュと言えるコンピューターの反乱を経てウォーリーの復活で終わるこの物語はウォーリーの受難劇と考えれば分かりやすい。お気に入りのシーンは宇宙遊泳(科学的に間違っていても構わない)、脇役と言える宇宙船にいるロボットたちも実は細かく設定されていて、追いかけっこの場面など彼らの行動も面白い。主題歌はトーマス・ニューマンとピーター・ガブリエルの「ベイブ/都会へ行く」主題歌コンビ、この曲やウォーリーお気に入りの「ハロー・ドーリー!」挿入歌にも字幕をつけて欲しかった。
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登録日:2008年 12月 15日 00:02:43
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