2009年 05月 26日
「消されたヘッドライン」
ラッセル・クロウ、映画『消されたヘッドライン』ワールドプレミアに登場
【4月22日 AFP】ケヴィン・マクドナルド(Kevin Macdonald)監督の政治スリラー映画『消されたヘッドライン(State of Play)』のワールドプレミア上映会が24日、英ロンドン(London)のレスタースクエア(Leicester Square)で開催され、出演者のラッセル・クロウ(Russell Crowe)、ヘレン・ミレン(Helen Mirren)が登場した。(c)AFP
消されたヘッドライン / State of Play
現「ハリー・ポッター」シリーズの監督であるデヴィッド・イェーツの「セックス・トラフィック」と並ぶ代表作と思われる「ステート・オブ・プレイ~陰謀の構図~」の映画化。オリジナル・ドラマはNHK-BSで2008年秋のレギュラー放送と年末年始の集中放送があった。
http://www3.nhk.or.jp/kaigai/stateofplay/
(あらすじはネタバレ全開なので、映画との比較も容易)
ということでドラマを見始めたときには映画化の話は知っていた。中でも興味を持ったのは脚本家にピーターモーガンの名前があったことだった。言うまでもなく彼は映画版の監督ケヴィン・マクドナルド「ラストキング・オブ・スコットランド」の脚本家であり、これに出ていたジェームズ・マカヴォイはオリジナル・ドラマの出演者で、映画で編集長を演じるヘレン・ミレンはモーガンの出世作「クィーン」の主演女優だ。ところが米国公式HPが出来た時には彼の名前は脚本家のクレジットから外れ、マシュー・マイケル・カーナハン(「キングダム/見えざる敵」)、トニー・ギルロイ(「フィクサー」)、ビリー・レイ(「アメリカを売った男」)がクレジットされている。つまり何度かリライトされているわけだ。リライトが多い映画にいいものなしは定説だが、この映画の場合はオリジナル・ドラマと比較しても大筋には変更がない。つまり舞台をイギリスからアメリカに移し、問題企業を軍事企業に変更する以外はキャラクターや彼らの行動を整理するくらいなのではないか、その意味ではリライトと言うよりはブラッシュ・アップというほうがふさわしいのかもしれない。軍事企業になったことでリアリティは増した。というよりニュースでも見かける題材になったのだが、スケールアップしたようでいて、話としては小ぢんまりしたように感じた。とくに企業の悪事に関してはほとんど主人公の議員のセリフで説明してしまうのはかなりのマイナス。ビル・ナイからヘレン・ミレンになった編集長はやや性格が変わったようで、イライラしている姿ばかりが目立つ。オリジナル・ドラマでは上層部と現場の間を取り持つような男だったと記憶している。映画では新オーナーのことをやけに気にかけていている。そこには新聞の未来に対する不安があるのだが、あまり深いところまでは追求できていない。WEBと紙媒体の対立と言うのもありきたりだ。
オリジナル・ドラマはなかなか面白かった。ジェームズ・マカヴォイ、ケリー・マクドナルドと脇の二人はアカデミー賞ノミネート作品で見たばかりだったし、編集長がこれまたよく見かけるビル・ナイというのもよかった。文句をつけるとしたらラストか、それ自体はいいとしてそこまで引っ張りすぎなような気がしたのだ。これが1時間6回ではなく、2時間2回だったらもっと引き締まったものになっていたのではないかと思う。
初期にはエドワード・ノートンとブラッド・ピットが予定されていた主演にはラッセル・クロウとベン・アフレックが起用された。この二人が大学のルームメイトと言うのは無理があるのだが、間にベン・アフレックの妻を演じるロビン・ライト・ペンを置くとけっこうしっくり来て、それ以降は気にならなくなる。記者会見で浮気相手が死んだことを知り泣き崩れる場面はベン・アフレックの良さが出ている。ラッセル・クロウ登場時のBGMはポーグス風の曲、ここはニューヨークでもボストンでもないぞと思ったが、実際にはザ・チーフタンズの「ファイアー・イン・ザ・キッチン」に参加していたカナダのGreat Big Sea、誰も気付くようなバンドではないがラッセル・クロウ演じるカル・マカフリーの外様感はよく出ていると思う。オリジナル・ドラマではケリー・マクドナルドが演じた若手女性記者デラを演じるのはレイチェル・マクアダムス、実はこの二人同じ年。年齢不詳のマクドナルドはともかく、マクアダムスは本当に新人記者に見えてかわいいが、役者としてはそこから脱皮したいところか。せっかくいい配役をされているのになんとも惜しいのがドミニク・フォイ役のジェイソン・ベイトマン。オリジナル・ドラマではあんなことや、こんなことをされているかわいそうな人を、アメリカを代表するヘタレ役俳優が演じるので期待したのだが見せ場があまりない。やっぱりフォイはもっといたぶらないとダメだ。
新聞社内の様子なら昨年見た「クライマーズ・ハイ」の方が(ややわざとらしく描いているのだが)面白かったと思うが、あの映画の主題がそこにあるので仕方ない。この映画はどうしてもジャーナリズム問題とサスペンスのどちらつかずになっている部分があるので、映画化するならそのどちらかに特化するのもひとつの手だったと思う。オリジナル・ドラマなら1時間で終わるのでそういったことが気にならなかったが、2時間の映画としてみるとやや気になる。結局はその二つよりは登場人物たちの行動に焦点は置かれているのはオリジナル・ドラマからの流れだ。
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登録日:2009年 05月 26日 23:57:49
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