2009年 08月 21日
「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」。 「G.I.ジョー」より面白いが笑えないところも少々
<第33回ドーヴィル・アメリカ映画祭>『Death at a funeral』のフォトコールにフランク・オズ監督登場
【9月9日 AFP】第33回ドーヴィル・アメリカ映画祭(33rd Deauville American Film Festival)9日目を迎えた8日、『Death at a funeral』のフォトコールが行われ、フランク・オズ(Frank Oz)監督が登場した。(c)AFP
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式 / Death at a Funeral
「プライドと偏見」のミスター・ダーシーことマシュー・マクファディンはあれだけいい役をもらったのだから、もっと出演映画が増えると思ったらあまり見かけなかった。あの情けない顔が悪いのか?アメリカでは同じ系統のジョン・キューザックが活躍しているのだから、彼にもがんばってほしい。2009年は「フロスト×ニクソン」で久しぶりに彼を見かけた。といってもあれは脇役でしかもやや老け気味の役だったので少し前の作品とは言え主役級の映画が見られるのは喜ばしい(リドリー・スコットの「ロビン・フッド」での出番はいかほどか?)。ここでは父親を亡くした長男役だが、次男はニューヨークで作家として成功し、彼に対してコンプレックスがある。その一方で弟の小説を低俗だと思い、自分も書いてみるが発表するだけの勇気はない。これをあの顔でやるのだからたまらない。この引け目というやつが、映画全体を支配していて英国的皮肉っぽさを感じさせる。そして最後にはそれが爆発するように仕掛けられているあたりはさすがに見せてくれる。
監督はフランク・オズ、前作に当たる「ステップフォード・ワイフ」は評価が低かったので、こうした小作品に向かうのはいい傾向だろうし、彼のセンスと英国コメディは基本的には相性がいいと思う。オープニングのアニメによる棺桶の搬送から、それ付随するトラブルといい感じだ。オズ監督作品には「イン&アウト」という結婚にまつわるお話があったが、これは文字通り葬式にまつわるお話。時おり不謹慎と思える場面もあり、全体的には笑えるのだが、所々でいやーな感じになる。やや編集が悪く、テンポが良くないのかもしれない。ドラッグを安定剤と間違えてドタバタになるのだが、ここを軽快に演出していたら印象がかなり違ったものになっていたと思う。「イン&アウト」でも使われていたゲイネタが、中盤以降意外な形で出てきて驚いた。
俳優では未亡人を演じたジェーン・アッシャーに驚いた。あのポール・マッカートニーの元恋人で、元ピーター&ゴードンにしてプロデューサーとして有名なピーター・アッシャーの妹、つまりはコブラ・スターシップのヴィクトリア・アッシャーのおばさんだ。劇中でもまだ若いのにと言われる場面があるが、おそらく撮影当事は60歳で、来年には64になるが凛としたたたずまいがキレイで、出番は少なくても印象には残る。考えてみるとヘレン・ミレンと同世代だ。IMDbで調べると最近はテレビドラマを中心に出演しているようだが、それ以上に驚かされたのは彼女のHP、トップに来るのはケーキ。本国では女優よりこちらで有名らしい。
ジェーン・アッシャーのインパクトが強いせいか(べつに大げさな演技をしているとか、誰かを喰うような演技を披露しているわけではない)、他の女優は"演技はいいが、顔立ちにインパクトはない"と思ったのだが、長男嫁のキーリー・ホーズは実生活でもマシュー・マクファディンの嫁だった。男性俳優はどこかの映画で見たけど、役名までは思い出せないようなタイプの人たちがいい仕事をしていた。そしてワーウィック・デイヴィスと並ぶ、小さい人界のスター、ピーター・ディンクレイジがさすがのアクの強さで中盤以降を盛り上げる。
知らない人や個人的には顔を会わせたくない人と、顔を会わせないといけないのがお葬式だから、とうぜん群像劇になるが、監督はそれぞれのキャラクターに色を与えてその混沌を楽しんでいるようで、視線は俯瞰的だ。その点は主人公の視点を重視したと思われる「サマーウォーズ」と比べると面白かもしれない。
なお本作はクリス・ロック(!)製作によるリメイクが進行中。もちろんかなり違うものになるのは間違いないがピーター・ディンクレイジはそちらにも出演とのこと。
http://us.imdb.com/title/tt1321509/
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登録日:2009年 08月 21日 21:00:44
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