2009年 11月
「戦場でワルツを」。 「母なる証明」よりも伝わるシリアスさと現場の不条理
戦場でワルツを / Vals Im Bashir / Waltz with Bashir
理解しにくい西アジア~中東を題材にしたアニメーションというとイランを描いた「ペルセポリス」というのがあった。あちらはコミカルな部分が多かったのに対してこちらはかなりシリアスなドキュメンタリーだ。「ペルセポリス」がイラン革命からイラン・イラク戦争の中でふつう(じつはそうでもないのだが)に生きる人々の姿や戦争を推し進める政府からの影響を描いた映画とすると、こちらははあくまでもひとつの事件(とそれを引き起こした時代)に関することを深く掘り下げた映画になっている。ただこの事件や戦争がイスラエル人にとってどこに位置されるかまでは日本人には分かりにくい(レバノン人にとっての意味のほうが大きいのかもしれない)。
重い題材を無理やり大げさにすることはなく、アニメという手法を使っているのでその重さは減るものの、ある部分は濃縮されていて思ったより効果的だ。ただ証言する人たちの細かい表情が分からないというのはやはり残念。印象に残った場面は原題にもなった乱射しながらバシールとワルツを踊る場面と泳いで逃げる場面。重い映画ではあるが音楽の一部は英米の曲がうまく使われていて、そこで緊張を緩めることができて映画の中でいいアクセントになっている。
映画としては監督の飛んでいた記憶が次第に核心にたどり着く。彼が直接係わったことではないとしても、彼が目にしたものの衝撃は伝わってきた。20歳そこそこでこんな体験をしたらそりゃ心が壊れるのは当たり前、しかも徴兵制の国だ。あくまでも監督個人の視点から描かれているために、事件の問題点(イスラエルが抱える様々なこと)に踏み込みはしない。そこは批判するより割り切って見るほうがいいだろう。ただ"ドキュメンタリー映画としてはずるい、これはアニメ映画としては反則技だ"と言いたくなる気持ちはわかる気がする。
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登録日:2009年 11月 29日 00:08:30
「母なる証明」。 「ファッションが教えてくれること」とは別の次元で母は強し
母なる証明 / Mother
映画のオープニングは草むらにたたずむ年老いた母親、やがて聞こえてくる風や虫の音、これを見て"おー、ノー・カントリー"と思ったが、そこまでの出来ではないとはいえレベルは高い。その後に変な踊りで観客を引き付ける。多くの人の予想通りこの場面は再登場する。映画の器を重視する監督も多い中でポン・ジュノ監督は器も中身も大切にするタイプだと思う。今作は器に関してはかなり良くできていて演出力は申し分ないが、中身がやや物足りない。それに加えてドロップキックといったユーモアは忘れない。中身(ストーリー)に不満があるといっても息子と母親に絞ったこと自体はいい。
映画は少し頭が弱い息子が女子高生殺人容疑で逮捕され、彼の容疑を信じない母親がひとりで事件について調べ始まる。最初のうちは的外れだったが、殺された女子高生のほうから事件を調べ、彼女が売春をしていたことをつきとめ、そこから容疑者を割り出す。ここまでは面白い。
しかしことの真相が語られ、それに対する母親の反応を見ていると"あー、この方向で話を収めるのか"とさめてくる。そこが気に入らなかったとはいえ演出自体は安定しているので安心して見ることはできる。
母親を演じたキム・ヘジャは韓国の有名女優だそうだが知らなかったので先入観なしで見られて良かった。ボクは中村玉緒を思い浮かべながら見ていた。アメリカ映画にするならキャシー・ベイツか。息子を演じるのは日本でも有名なウォンビン、この演技がいい悪いとかリアリティがあるないという前に、かわいい。この映画はこれでいいのではないかと思う。
これを見て思い出した映画が「湖のほとりで」だ。静かな町に起きた若い女性の殺人事件、犯人と疑われる心に問題がある若い男性、平穏そうな町が抱える数々の問題とかなり似ている。一番の違いは「湖のほとりで」が刑事という外部の人間の視線で切り取るところだ。こちらはコミカルな部分があるので映画の風格としては「湖のほとりで」に負けてしまうが、密度では勝っているかもしれない。
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登録日:2009年 11月 27日 00:10:08
「ファッションが教えてくれること」。 「ソウ6」とは違いリーダーの重要性を教えてくれる
ファッションが教えてくれること / The September Issue
ボブカットとサングラスがトレードマークのアメリカ版ヴォーグ編集長アナ・ウィンターに関するドキュメンタリー。「プラダを着た悪魔」の編集長のモデルとも言われるが、モノマネ度なら「プリティ・ヘレン」のヘレン・ミレン(!)のほうが高い。アナのドキュメンタリーならどんなに華やかなものが出来上がるかと思って見ていると肩透かしを食らう。アナは49年生まれ、彼女と20年以上の付き合いになると言うグレイスは41年生まれ。周りのスタッフもしわやしみが気になる。ファッション雑誌の編集部ならばっちりと決めた若い女性が忙しそうに働いているという男の幻想とは違う。もちろん現場というのはそういうものだろうし、カメラに写らない若いスタッフもいるのだろう。監督の力点は華やかな世界よりは普段の編集作業、それも原題にある9月超特大号(電話帳や凶器になりそうなページ数)を作る作業にあるのだ。
ヴォーグ編集部以外を映すときには場所がわかるように町の風景をちらりと出して、今いるのがニューヨークのどこそこ、パリ、ローマとわかるようになっているのは親切。ロング・アイランドの別宅では娘と一緒にいるところも写る。娘はファッション業界にはついていけないという。アナのコメントで"子供たち"と出てくるので今一緒に暮らしているのは彼女だけのようだ。
アナ以外で目立つのは大男のアンドレと、先にふれたグレイス。グレイスはことごとくアナと対立する。たとえば1920年代風写真なのだから輪郭をぼかそうと主張するグレイスに対してアナははっきりさせろと言う。しかも二人の直接対決は少ないのだ。"あー、また今日もアナにダメ出しされちゃった"というグレイスの姿が何度も出てくるのが面白い。本人も落ち込むが、最終的にはグレイスの主張が通ったというよりは他の要素が沈下して、再浮上したような形になって彼女は救われる。これが長年仕事してきた呼吸というやつか。
パンフレットにあるメトロポリタン美術館 コスチューム・インスティチュート 資金召集ガラ・パーティーに代表される華やかな部分は切ったようだ。そこに写るセレブな人々の姿を見せるのも面白いだろうが、監督はそれを選ばなかった。映画の中で表紙にセレブを積極的に起用するようになったのはアナの功績だという。しかし映画では有名人としてのアナではなく、リーダーとしてのアナにスポットを与えている。そんな中でジャーナリストである彼女の父親のコメントを引用して引退のことについて語るのが印象的だ。デザイナーを育てる基金の話は出てくるが自分の後継者に関してはどう考えているのか気になる。なんとなく外部から連れてきそうだが、それはもうアナとは関係ない会社が決める話だ。
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登録日:2009年 11月 25日 00:55:14
「ソウ6」。 「クリスマス・キャロル」とはちがい寄り道が気になる
ソウ6 / Saw VI
毎度おなじみ「SAW」シリーズ、「5」はワーストだったので、この「6」はあれよりはまし。今作である人がかなり間を置いて復活するのだが、ボクのように年に一回しか見ないような人間にもなんとなく"ああ、そういえばそんな人いたね"と分かるのがいい。たとえば「007慰めの報酬」などは前作から引き続いても、本当に"これ、誰だっけ?"となっていたのとは対照的だ。それは終盤の再現フィルムで説明されるのとはやや違っている。というか終盤は説明調すぎる。
ここ数作の傾向として殺人ゲームよりジグソウの後継者の行方に重点が置かれて、ゲームの出来が悪い。かつては殺し方のバリエーションをいくつ考え付くのだ!と言われたが、ネタも尽きはじめている。「6」でデブ刑事があたふたしている姿を見ると苦笑してしまう。もっとジル(ジグソウ元嫁)との駆け引きがあったら面白いのに。それでもパンフは詳しすぎていいぞ。
「5」のマクガフィンであるジグソウの遺品を出すのはどうかと思うが、許せる範囲ではある。「7」もあるそうだが、そろそろ終わりにしたほうがいいかもしれない。
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登録日:2009年 11月 19日 22:09:40
「クリスマス・キャロル」。 「ジェイン・オースティン 秘められた恋」よりは主役俳優がはまっている
Disney'sクリスマス・キャロル / A Christmas Carol
長引く不況もあって「クリスマス・キャロル」「素晴らしき哉、人生」型の映画が増えていることは何度か指摘した。そんなときだからこそ本家の出番が来るのは悪くない。ただそうした作品における主人公が間違った選択をしたときに迎える最悪の世界の描写が甘いものが多いというのが気になっていた。この「クリスマス・キャロル」はもともとスクルージは悪人に近い存在なので、息詰まるようなきつい描写はない。たとえばスクルージが死んで第二、第三のスクルージが出てくるのも面白いと思うが、ディズニーなのでそこまでは行かない。逆にいうと主人公に素直に感情移入できる「素晴らしき哉、人生」の筋立てはうまいということだ。
映画はロバート・ゼメキス監督が「ポーラー・エクスプレス」から取り組んでいるモーション・キャプチャーを利用したアニメーション。この技術を使った絵柄が子供中心の「ポーラー・エクスプレス」では合わなかった。次の「ベオウルフ」は物語、とくに主人公のベオウルフのキャラクターが弱かった。他はアンジェリーナ・ジョリーのヌードよりも怪優クリスピン・グローヴァーの怪物グレンデルのほうが楽しめた。この「クリスマス・キャロル」はスクルージをはじめとしてジム・キャリーが7役を演じる。彼は濃いアクションを披露する。俳優とキャラクターとのマッチングは過去最高だろう。スクルージの顔がシワシワなのでデザイン的も気にならない。声でのキャリーの七変化もいい。日本語吹替え版での山寺宏一もいい仕事だ。熊倉一雄の出番がボーナス的にあるのもうれしい。
3Dアクションでいうと「ベオウルフ」のグレンデルの動きのほうが良かったと思う。前半にはギミック的な動きが出てくる。後半にはチェイスがあって楽しめるのだが、この日は目が疲れてしんどかった。今回はじめてTOHOシネマズで3D映画を見たが眼鏡の上に3Dメガネをつけるとズレ落ちてきて見づらい。理由は簡単でつるの部分が柔らかなのでまったく固定できない。今度見るときは固定するものを持っていこう。念のためにいっておくと眼鏡をつけていないなら付け心地よく見ることができる。
コリン・ファースは声を聞かなくてもわかるいい人顔のデザインだが、ゲイリー・オールドマンという配役は必然性があるのかよく分からない。ロビン・ライト・ペンはゼメキス組ということなのだろうがあまりキャラクターと合っていない。音楽は三連投のアラン・シルヴェストリ、主題歌はこれまたグレン・バラードとの共作。ジョシュ・グローバン、イディナ・メンゼルに続いてアンドレア・ボチェッリが歌う。とくにいい曲とは思わないがクリスマスらしさは感じられた。
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登録日:2009年 11月 17日 18:54:38
「ジェイン・オースティン 秘められた恋」。 「スペル」より消化不良
ジェイン・オースティン 秘められた恋 / Becoming Jane
ちくま文庫から「説得」の新訳が出たので次は「マンスフィールド・パーク」が待たれるジェイン・オースティン(ちなみに「高慢と偏見とゾンビたち(仮)」は1月発売予定)。彼女がたどった人生を追って、彼女が作品を書き上げた背景を探る、いわば「恋に落ちたシェイクスピア」のオースティン版。ただ完全フィクションの「シェイクスピア」とは違いこちらは最後がイマイチ。生涯独身のオースティンがかつて結婚を考えたが諦めたという題材だけにドラマチックになりそうだが、ダメになったところからがどうも後味が悪い。
物語はオースティン家を映画「プライドと偏見」のベネット家に重ねながら始まる。もっともこちらには男のきょうだいもいる。それでも結婚が大きな意味を持つのも同じだ。嫁ぎ先候補がありながら簡単に首を振ろうとはしないジェイン(アン・ハサウェイ)。彼の叔母さま(マギー・スミス)が出てくるが、甥っ子と結婚するなという「プライドと偏見」とは違い結婚しろと説得する。ほどなくして弁護士の卵(ジェームズ・マガヴォイ)と出会いいい仲になるが、周りは支持してくれない。このへんがイマイチだ。例えば大きな邪魔が入るのだが"そういえば、そんな人いたねえ"と思ってしまった。終盤がキレイに決まってくれない。
アメリカ人のアン・ハサウェイがジェイン・オースティンを演じたことに反対意見もあるだろう。オースティン小説の登場人物になじみがある人は多いとしても、オースティン自身をよく知る人はいないはずなのであまり気にならない。まあ何をやってもアン・ハサウェイという感じもしなくはない。ジェームズ・マガヴォイはいつもの受身的な立場と思いきや、違う姿を見せてくれたのはうれしい。
ジェインはこの時代にしては感情を前に出す女性として描かれ、周りからは女が小説を書くのかと言われる。お屋敷やダンスなど「プライドと偏見」を意識している。「説得」に出てくる「ユードルフォの謎」のアン・ラドクリフを登場させるなどトリビア的なところはパンフレットがもっとフォローしてくれていると良かった。
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登録日:2009年 11月 15日 18:46:51
GAPのコンセプトショップ、オープンにエミー・ロッサム出席
GAPのコンセプトショップ、オープンにエミー・ロッサム出席。色々と写真があって困ってしまいます。これはちょっと狙いすぎな気もしますが、髪の毛の色がよく分かっていいかと。ベッキー・ニュートンさんとまた一緒です。まあ彼女もすごいぞと
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登録日:2009年 11月 12日 23:47:33
第9回「24 Hour Plays on Broadway」のエミー・ロッサム
第9回「24 Hour Plays on Broadway」に出席した女優のエミー・ロッサム。こちらはアフターパーティー、カーテンコールはこちら。
NYに実在するカフェ「Le Pain Quotidien」のウェイトレスを演じたエミー・ロッサム(Emmy Rossum)は、「実際にカフェにランチに行って、そこでウェイトレスから学んだの。スタジオを出たままでお金も持っていなかったし、いくつか質問をしたから、きっと変な人だと思われたわね」と笑っていた。
パーティーでは黒とセクシー&渋めに決めています。
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登録日:2009年 11月 09日 00:43:21
「スペル」。 「沈まぬ太陽」より運命を重視している映画
スペル / Drag Me to Hell
「スパイダーマン」シリーズを経てホラー映画に帰ってきたサム・ライミの新作。ヒロインはロリ顔女優と呼びたいアリソン・ローマン。ロリコン女優が監督や本人の志向でロリ役をやるのに対して、ロリ顔女優はたんに顔が幼いので実年齢より若い役をふられると定義したい。ここでは幼く見える分だけ上司から信頼を得られないということになっている。さてこの映画はほぼローマンがいたぶられる姿を楽しむ映画で、その様はホラーというよりコメディだ。ホラー描写が行き過ぎて笑うしかないというのはまた少し違う。演出が中途半端なために笑えてしまうB級ホラーの脚本を「スパイダーマン2」並の演出力で作るので、ヒロインをいたぶる方法やタイミングの適切さは見事というしかない。ただそのままではきっちりし過ぎて怖くも面白くもなくなる可能性がある。そこでこの映画はどうしたかというと、ヒロインと彼女を襲う老婆以外のキャラクターを弱くすることで隙間を空けて風通しをよくし、二人の姿に集中できるようになっている。標的はヒロインひとりなので首が飛ぶようなスプラッター描写はないし、血がどばっと出ることもない(一箇所ヘンな血が出る)。最後の戦いで見せるクリスティンの泥まみれな姿も見もの。
銀行でローンを担当しているクリスティン(アリソン・ローマン)は現在空席の役職を得るためにライバルに勝ちたいと思う。怪しげな姿をした老婆(ローナ・レイヴァー)のローン延長を審査する。延長も拒否もできそうな案件だが、老婆の振る舞いの酷さと、上司にアピールするためには厳しくしたほうが良いと考え申し出を拒否する。すると老婆は態度を豹変してクリスティンに襲い掛かる。その場はすぐに警備員に押さえられるが、連行さえる前に呪いを掛ける。邦題はそこから来ている綴りと勘違いする人もいるようだが、spellやspellboundという言葉は洋楽の曲名や歌詞に出てくるので知っていた(例:I Put A Spell On You)。
クリスティンが帰宅しようと地下駐車場に行くと老婆が出てきて噛み付きをはじめとしたあらゆる手段で攻撃してくる。クリスティンもなぜかデスクからホッチキスや定規等を持ってきていて対応する。別の場面では板金(?)まで出てくるのが老婆は不死身なのでどんなもので攻撃してもえげつな感じがしない。駐車場の出来事があった後はまさに悪夢である。老婆はあらゆる物に姿を変えて(あるいは操って)クリスティンを攻め立てる。現実か幻想か悩む暇などない。仕方なく老婆の孫の所に行って老婆に謝ろうとするが、すでに彼女は死んでいた。死んでいても呪いは続く。街の占い師に相談して霊媒師を紹介される。その交霊会がどうなるかはさておき、最後に聞いた対処方法が"そんなもん初めから言えよ!!"と言いたくなること間違いなし。
上で書いたように二人以外は影が薄い。恋人はジャスティン・ロングで、彼の両親との食事場面もあるがもちろん恥をかかせるための装置でしかない。恋人は心理学者なので、ふつうなら彼女が体験していることは幻だとして彼女の主張は認めない。例えば彼女に見えているものが彼には見えなくて彼女はおかしくなった様に見えるなどのやり方があるが、ここでは素直に霊媒師に払う料金を工面するのがいい。その霊媒師は「バベル」のアドリアナ・バラッサなのだが、まあこちらもあまり意味がない。
考えてみればクリスティンはとくに悪いことをしたわけではない。その後に謝ったとしても同僚のやったことの方がたちが悪い。あの現場にいたらあの結論を導く人は多いだろう。そのわりは受けた仕打ちがきつすぎる。うーん、そこまで考えるような映画じゃないか。あれがヒロインの運命だと見るしかないだろう。
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登録日:2009年 11月 06日 00:32:35
「沈まぬ太陽」。 「●REC/レック2」のほうが細かいところに気を使っている
沈まぬ太陽
インターバルのある長い映画だが、「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」はこれよりも長くて、休憩はなかった。つまりこのインターバルで場面転換をしている。原作は読んでいない。フィクションが原作だと言ってもが御巣鷹山墜落事故が出てくる以上国民航空が日本航空をモデルにしていることは明らかだ。「クライマーズ・ハイ」も同様だったが、あちらの墜落事故はあくまでも題材で、こちらは会社本体に切り込んでいる。抗議があったというのも分かる。
映画としてはちょっとゴージャスな二夜連続特別ドラマという程度のものだ。というのも映画としての柱が見えない。恩地元(渡辺謙)と行天四郎(三浦友和)による男の対立ドラマにするか、企業ドラマとして見せるかが定まっていないのだ。おそらくは前者の視点を持ちながら後者の色合いを持った映画にしたいのだろう。とくに後半は企業ドラマに政治ドラマを混ぜたようなものになっている。しかしこの路線で行くなら原作がどうであれメイン・キャラクターの社会的地位を奪うのはあんな閑職ではなく、もっと近い立場の人間でなくてはだめだ。会社が腐っていることを表すならもっと近いところにいる部下がやらないと単なる私怨に見えてしまう。それを考えると「インファナル・アフェア」は良くできていたと思う。あれは警察にネズミがたくさんいると思わせた瞬間に個人の問題に切り替わるのが素晴らしい。
「インファナル・アフェア」といえば男二人の対比が面白いのだが、この映画はそれができていない。恩地が精錬潔癖な人物なら、行天は暗黒面に堕ちる人物のはずだが、その描写は少ないので説得力がない。その意味では八馬忠次(西村雅彦)や八木和夫(香川照之)のほうが人物としてよほど面白い。行天が捕まってザマーミロと思うことも悲しくなることもない。
しかし20年近い時間が経過しているのにほとんど役作りをしないのはどうしたことか、女性は髪型で変化をつけているが男どもはだめだ。どうせなら若いころは別の役者にやらせればよかった。それから墜落事故はもっと有効に使ってフラッシュバックなどを入れたほうが、事故の意味合いが出たと思う。
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登録日:2009年 11月 04日 21:58:43
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