「コンテイジョン」。 「ラブ&ドラッグ」よりキャストが多いがうまく操れていない気が

コンテイジョン / Contagion

スティーブン・ソダーバーグという監督は作家性と娯楽性のどちらが強いともいえない不思議な監督で、意欲的な作品もあるが「さらば、ベルリン」のようにひとつも面白くない作品も作ってしまう。近作ではコメディタッチの「インフォーマット」が好きだ。

ソダーバーグといえばオールスター・キャスト映画、たしかにオスカー女優揃い踏みだが活かしきっていない。でもこうしてオスカー女優をさっさと映画から退場させることができる監督は少ないので、役得には違いない。男では「リプリー」コンビ、ジュード・ロウは頭がタンタンの冒険なインチキブロガーで、怪しい情報を垂れ流しにする。いやな感じをよく出しているし、後半の完全防備姿は笑える。マット・デイモンはグウィネスの旦那役、スーパーマンではなくふつうの男。それこそフィリップ・シーモア・ホフマン的なアプローチで、自身は感染しないが娘を守ろうとする父親を好演。あとはローレンス・フィッシュバーン、相変わらず信念の人だがほころびも見せる。女では、一号患者のグウィネス・パルトロウ、医者側のケイト・ウィンスレット、WHOのマリオン・コティヤールとが印象に残り、見せ場の方が多い。でもオールスター・キャストなので一人当たりの出演時間は短く、マリオン・コティヤールなどは途中で消えてしまい、そこからはジェニファー・イーリーが前面に出るのは映画として変だ。

面白いのは感染経路を記録映像でさぐるところ。ウィルスは目に見えないので二人の人間がいてもどちらが感染源か分からないのだ。Day 0は最後に登場する。病気にかからないマット・デイモンが「俺の体を実験台にしてくれ」とならないし、話としては「リ・ジェネシス」の良い出来のエピソードの方が面白い。

Dayは3桁まで進むこの映画では劇的な解決法は出てこない。そこに監督の人生観を見る。人口の1割が感染すると言われても多くの人は自分が9割と信じる。どこか死という運命を受け入れる覚悟ができているようだ。

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登録日:2011年 12月 20日 00:32:31

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