力作「ゾディアック」

<第60回カンヌ国際映画祭>ハリウッド発、実在の連続殺人事件を描いた『ゾディアック』上映会開催 - フランス

【カンヌ/フランス 18日 AFP】16日~27日にかけて開催される第60回カンヌ国際映画祭(60th Cannes Film Festival)で17日、『ゾディアック(Zodiac)』の上映会が行われた。
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(c)AFP/ANNE

AFPBB News


「ゾディアック/Zodiac」
スティーヴン・ソダーバーグ、クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲス、
ガイ・リッチー等々90年代以降に台頭した映画監督の近作がどうも冴えない。
もちろんクリント・イーストウッドのような存在は化け物であり、何作か作ればそれなりに
新鮮味はなくなり評価も辛くなる。しかしこれらの監督は語り口よりは
映像が売りであることが多く、劣化しやすいという危険は伴う。
デビッド・フィンチャーもそんな中の一人かもしれないと思っていた。
前作「パニック・ルーム」は楽しめないわけでないが、勢いはなくなったなと。

しかしこの「ゾディアック」はある意味では映画の醍醐味が楽しめる力作だった。
まずはジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニーJr.というメーン3人の熱演。
演出も的確だ。ただし映画としては大きな欠点がある。
それはよく言われるような長い上映時間ではなく。時間配分と構成だ。
原作はギレンホール演じる風刺漫画家なので、彼が主役と言ってもいいが
なにしろ他の二人は刑事と記者と言うプロなのに対して素人なので前半の比重が小さい。
ラスト30分は風刺漫画家の一人舞台だが、ダウニーJr.演じる記者はこの頃にはほぼ退場している。

さらに彼らがゾディアックによって私生活まで翻弄されたことまで描いているはずが
その部分はずいぶんとあっさりしている。登場時にバツイチの風刺漫画家は
ゾディアックでなくても、他のなにかに入れ込んで家庭を壊すだろうし、
アル中記者にも同じことが言える。
その意味で刑事の運命が一番ゾディアックの影響が大きいのではないか。
マーク・ラファロの演技も3人の中で一番好きだ。

この映画を見て思うのは捜査の難しさである。
一つ焦点となるのは筆跡鑑定であるが
例えば何パーセント一致すれば証拠となりうるのか
最後は個人の裁量にかかってくる。
例えばゾディアック事件が現代で起これば
別の捜査方法で犯人に近づけるかもしれないが
それをかわす方法も新たに出てくるだろう。

新聞社の中などはかなり凝ったセットで時代の空気を伝えていたと思うが
外の風景はサンフランシスコの知識がないせいか
ミュージカル「ヘアー」などがあったわりには時代を感じられなかった。

最後にチョイ役でアダム・ゴールドバーグが出てきたが
彼とジェイクを同じ画面には入れないでくれ、
風刺漫画家が精神を病んで別人格を作り出したのかと思った。

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登録日:2007年 06月 20日 00:32:28

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