すれ違いの「リトル・チルドレン」

<第44回ニューヨーク映画祭>映画『Little Children』プレミア上映会 - 米国

【ニューヨーク/米国 2日 AFP】第44回ニューヨーク映画祭(The 44th New York Film Festival)開幕の30日、映画『Little Children』のプレミア上映会が開催された。写真はプレミア上映会に姿をみせる主演のケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)。(c)AFP Evan Agostini

AFPBB News


BGMはHolger Czukayの"Cool in the Pool"を
http://www.czukay.de/visuals/visuals.html の3

ここ最近、悲喜劇というか悲劇とも喜劇ともつかない映画が面白い。
本人にとって笑えない話は他人には喜劇の「イカとクジラ」、
音楽はオペラ、雰囲気はサスペンスなのに、主人公たちの行動は実に愚かな
「マッチポイント」、
内容はシリアスながら、随所で笑いが重要な位置を占める「ボルベール」。

「リトル・チルドレン」は「マッチポイント」に一番近いが
事前の予想よりストレートな笑いの場面は少ない。
ヒロインが浮気相手の妻の姿を密かに見に行って、「適わないわ」と嘆く場面と
ナレーションが彼女のプロポーションを(ヒロインと比較して)ほめる場面の二つが笑えた。
このナレーションというのが曲者でなかなか面白いのだがやや多用されすぎる。
その前に英語のナレーションが度々入ると
「あー、外国の作品を無理して見ているな」と感じて入り込みにくい。
吹替えで見たり、二度目ならまた違うのだろう。

登場人物は公園デビューをしても回りに馴染めないサラにケイト・ウィンスレット、
相変わらずのドスコイ体型がたまらない。
彼女の浮気相手の主夫トッドに「オペラ座の怪人」のパトリック・ウィルソン、
元性犯罪者は去勢すればいいという話に同意しているが
前作「ハードキャンディ」がそうした内容なだけに笑える。
プロム・キングと呼ばれても額が危ない。

トッドを養うドキュメンタリー映像作家キャシーがジェニファー・コネリー、
この映画では設定上からかかなり地味目に見せている。
それでも浮気に感付き母親を呼び寄せて監視させるなど
押しは強くないものの鋭さは見せている。
彼女が性生活でも主導権を握っていると言う描写があると良かった
(「デスパレートな妻たち」のリネット夫婦のように)。
ドキュメンタリーの話がもう少し伏線になっているのかと思ったらそうでもなかった。

元性犯罪者ロニーにはジャッキー・アール・ヘイリー、
悪くないがややくどいので「オール・ザ・キングスメン」の方が好み。
彼のデートの相手にジェーン・アダムス、ケイト・ウィンスレットとは
「エターナル・サンシャイン」で共演したこともある彼女を出演させたことで
本作と「ハピネス」が比較されるとのことだが、
本ブログ的には「歌追い人」のヒロインの妹エレノア。

ロニーの性犯罪の内容は具体的には示さないし、本編の中ではとりあえず性犯罪を起こさない。
さらにロニーを追う警官ラリーの心の傷についての説明はあるが映像にはされない。
そしてキャシーはトッドの浮気についてあえて深く追求しない。
この辺りをどう思うかで評価が分かれそうだ。

この映画の面白いところはすれ違いにあると思う。
サラと近所の主婦たちに始まり、夫婦間のすれ違いから起こる二人の浮気。
親子間のすれ違い。そして本物語一番の悲劇となっている
ロニーとラリーのすれ違い。二人は似たもの同士なのだ。
そしてその直前におとずれるメーン二人のすれ違い
「ふざけているのか?」と怒りたくなるような展開でありながらも
「あー、マジじゃなかったのね」と思わせるのが実はリアルだなと感じ、おかしくもある。

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登録日:2007年 07月 29日 15:22:05

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