「告発のとき」
映画『エラの谷』ハリウッドのプレミア上映会にシャーリズ・セロンら登場
【9月15日 AFP】ハリウッドのアークライト・シネマ(Arclight Cinema)で13日、映画『エラの谷(仮題、In the Valley of Elah)』のプレミア上映会が開催され、出演者らが姿を見せた。(c)AFP/Getty Images
「クラッシュ」のポール・ハギス監督最新作、実はこの人の脚本についてはやや不満を感じていた。「ミリオンダラー・ベイビー」の甘ったるさ、「クラッシュ」の都合の良い展開と詰めの甘さ、「父親たちの星条旗」のいじりすぎた時間軸と、その辺が改善されれば完成度が高くなっていたはずなのに、そうならない居心地の悪さ。映画としてはある程度の出来だと思っても、その辺が気になってしまう。で、この「告発のとき」はどうかと言うと、あざとさは薄まったがその分面白さも失われてしまった。この手の推理物にありがちなフラッシュバックはハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の死んだ息子マイクのケータイに残された映像として使われる(業者に復元を頼んだので徐々に判明する)。この映像は同時に生きている時のマイクが見る悪夢でもある。
この映画が残念なのは俳優たちがお決まりの役を演じている点。トミー・リー・ジョーンズは「ノーカントリー」や自身の監督作「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」で演じた時代遅れではあるが、自分の仕事ややってきたことには誇りを持ち、やるべきことは淡々とこなす男を演じている。ジョシュ・ブローリンが演じる不正が好きそうな署長は、最近どこかで見たばかり。ダメ押しはスーザン・サランドンの良き妻。惜しいのは地味目のシングル・マザーを演じるシャーリーズ・セロンで、「スタンドアップ」がなければ新境地と思ったかもしれない。意外性があったのはフランシス・フィッシャーのヌードくらいだ。
また軍にジェームズ・フランコがいたが息子がいた隊には元軍人を含む比較的無名の俳優にしたことでリアリティは出ている。彼らのイラクでの悪行や帰国してからの不祥事を描く割合も適切だ。ハンクは自分が信じてきたものに裏切られた。それは息子でもあり、軍でもある。彼らは自らの恐怖に打ち勝つために一線を越えた。この映画の主旨からするとそれを時代のせいにはしていない。ハンクにとって事件の一応の解決は新たな悪夢の始まりでもある。
最後はお馴染みのエミー・ロッサムで相関図遊び。フランシス・フィッシャーといえば「オードリー・ヘプバーン物語」の母親役、オードリーは3人いるのに母親は彼女1人。彼女の娘の父親と言えばクリント・イーストウッド、イーストウッドとエミー・ロッサムと言えば「ミスティック・リバー」、そこに出ていたティム・ロビンス、彼の私生活のパートナーと言えばスーザン・サランドン、いつか彼女と共演してほしいものだ。彼女の娘エヴァ・アムリと「スピード・レーサー」のプレミアで顔をあわせていた。
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登録日:2008年 07月 01日 23:10:24
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