「American Teen/アメリカン・ティーン」

American Teen/アメリカン・ティーン

アメリカ地方都市の高校生活最後の年を追ったドキュメンタリー。向こうのポスターは何パターンかあって、ひとつは「ブレックファスト・クラブ」のパロディ(イケメン、アート志向女子、オタク、ジョック、女王蜂)なのだが、パロディにするのにはジャンルが近すぎるように思う(「悪魔のいけにえ2」くらい離れていていないと面白くない)。こうした描写は型にはめてしまう危険があるが(別ポスターではイケメンがいない4人になっている)、映画の中に入りやすいという利点がある。映画も型通りに始まるが、女王が家族からのプレッシャーに悩むエピソードが早い段階から出てくるのは失敗している。この5人で日本人が一番共感できるのはアート志向の女子ハンナだろう。というか日本人から見たら彼女が一番まともに見える。もっとも彼女は映画制作を目指しているので監督のお気に入りなのかもしれない。彼女が彼にふられてしばらく落ち込む様子はヒリヒリとした感情をさらけ出すこの映画の見所の一つとなっている。

さてドキュメンタリーである本作はかなりのフィルムを使用し、普通のフィクションの方法論で編集したらしい。しかし見ていて気になる点がある。日本のドキュメンタリー番組と違いカメラマンやその後ろにいる人たちを感じさせない(彼等に向かって話しかけない)スタイルは別にいいのだが、映画の中で反社会的行為が行われるのが映っているのを見るとやはり嫌な気持ちになる。これがヤラセだと言うつもりはない。それでも別撮りならきちんと提示すべきだし、本当の出来事ならこれをフィルムに収める神経を疑う。あそこは何度が出てくるアニメを使うか、事件前事件後の映像のみを使用し他人に事件を語らせるスタイルの方がいい。

と言った問題点があるとしてもこの映画は面白い。親からのプレッシャーはアート志向女子、女王蜂、ジョックの3人に共通するのだが、一見正反対に見えるアート志向女子と女王蜂が家族の一員が抱えたある症状を自分にもあるのではと悩むところが最も印象に残る(「旅するジーンズ」のブリジットを思い出す)。この時期は自分が家族の一員であることを認識しながら、家族の誰かとは違う一個人として巣立ちをしなければならない瞬間なのだ。それからゲーム好きなのに現実の女性に対するアタックを忘れないアメリカのオタクの実行力は凄い(彼が特別だという可能性もかなりある)。この3人と比べるとスポーツ選手の2人はあまり印象に残らない、大学のスカウトを期待して試合ではメロメロになるとは言え、最終的には立ち直る。贅沢を言えば失敗をした選手の物語のほうが気になるが、そこまで言うのは酷か。ところでストレスからか女王蜂の体型が微妙に増減しているように見えるがそこに焦点を当てないのは女性監督ならではか?

ナネット・バースタイン監督インタビュー
http://www.cinematopics.com/cinema/topics/topics.php?number=1163

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登録日:2008年 10月 22日 21:30:57

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