「ハッピーフライト」

「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖監督新作は予告を見ると若いCAの成長物語のように見えるが、実際には機長昇格を目指すパイロット鈴木(田辺誠一)の話が中心。そして機上の人たちだけではなく、地上で働く人たちにかなりのスポットを与えているのがポイント。もちろん飛行機に関するトリビアも満載でお仕事映画としても楽しめる。

飛行機の映画を作るという点においてこの脚本には苦労の後が伺える。なぜなら人為的なミスで飛行に支障をきたすと言う設定はあってはいけないことだからだ(だからこそ飛行機が出てくる映画ではハイジャックは切り札であると同時に、安易に使ってならないものでもある)。それ故にこの映画では飛行トラブルの原因が人為的なミスと思わせるのはミスリードだと気付く(それ自体は別に悪いことではない)。結局トラブルの原因は人為的ミス50%、自然現象50%といったところだろうか。

機内での様子は予告から印象通りで意外性はなく、ベタではあるがそれなりに楽しい。ドラマ等で見慣れないという意味では地上組の方が興味深い。乗客の席順をパズルのように埋めてゆく様がコミカルな一方で、乗客の苦情や雑用を一手に引き受けているグランドスタッフの大変さには驚く(田畑智子も好調だ)。定年間近で最新機器が苦手なオペレーション・ディレクター(岸部一徳)が、緊急時にはベテランの力強さを発揮する辺りが印象に残る。

少々残念だったのは最後の着陸場面で鈴木副機長の技術がどんなものだったのか分かりづらいのと、その裏づけとなるエピソードが弱いところ。

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登録日:2008年 11月 24日 22:23:40

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