「ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動」
【10月27日 AFP】カリフォルニア州センチュリーシティー(Century City)で25日、シンクフィルム(ThinkFILM)配給のドキュメンタリー『War/Dance』の特別上映会が開催され、主催したノーマン・リアー(Norman Lear)をはじめ、関係者らが出席した。(c)AFP/Getty Images
ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動/War Dance
このところ見たドキュメンタリーというと、編集や演出に問題があったり(「アメリカン・ティーン」)、撮影方針が定まっていなくて貴重な映像が無駄に使われていたり(「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」)、題材の面白さが分からずにきれいにまとめてしまったり(「ヤング@ハート」)、といった具合に問題があるものばかりだったが、今年度アカデミー賞にノミネートされた本作は正統派の内容で一安心した。
アミン大統領でお馴染みのアフリカのウガンダでは内戦が続き、北部のパトンゴでは巨大な国内難民キャンプがあり、その中には学校もある。その学校の生徒が全国音楽大会に出る様子を追ったのがこの映画である。オープニングでは武装した兵士が首都に向かう生徒たちのバスを警護して、彼らが置かれている状況がよく表している。今も連れ去られると言う不安が付きまとう。大会の様子を見ると多くの部門があるようだが、ここでは木琴、伝統舞踊、聖歌の3つに絞り、3人の生徒にスポットを当てている。3人は練習の合間に少年兵にさせられことなど内戦の残酷さをカメラに語る。さらには墓参りで号泣シーンや軍隊に行方不明の身内を知らないかとたずねる場面など、今も彼なりの方法で内戦と対峙している姿も見せる。このときのバックの青い空が印象的だ。
ここでの音楽教育はそんな子供たちに人間らしさを取り戻させるための手段である。キャンプ内の学校というハンデを補うために中央から音楽の専門家が都から派遣されるが、この全国大会への出場も政治的な配慮がありそうだ。映画の中で何度かアチョリ族の誇りが強調される。アチョリ族や彼らの文化等は触れられていないので詳しいことは分からないが、映画を見ていると木琴やダンスはアチョリ独自のものがあり、全国大会でも目立つようだ。監督がそういった点に深く言及しないのは民族意識の高揚が、内戦の一要因になることを知っているからだろう。もちろんキャンプで暮らしている人々はまたいつ内戦に巻き込まれるのか分からない。子供たちが取り戻した民族の誇りが間違った方向へ向かうことがないように祈る。
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登録日:2008年 12月 01日 00:22:06
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