<日銀人事>福田首相、手詰まり 「総裁空席」に現実味

任期満了を19日に控えた日銀総裁の後任人事問題は17日、福田康夫首相が武藤敏郎副総裁の昇格案に代わって打診した福井俊彦総裁、武藤副総裁の続投案が民主党に拒否され、円高、株安で市場が混乱する中で打開案の正式提示すらできないまま貴重な一日を空費した。政府・与党が目指した17日中の決着は実現せず、「総裁空席」が一段と現実味を帯びつつある。首相は厳しいギリギリの判断を迫られている。

 「空白を作るためやっているわけじゃありません」。首相は17日夕、首相官邸で記者団に、任期満了が目前に迫った焦燥感をにじませた。

 首相が熟考の末に民主党に打診したのは真新しい候補ではなかった。関係者によると、今回民主党に提示した続投案は(1)新任期5年間の正式な再任(2)日銀法改正での任期延長による暫定続投--の2段構えだったという。

 この案について、政府・与党内では自ら「ベストの案」と公言していた武藤氏へのこだわりを首相がなお示したとみられている。仮に福井氏が続投しても暫定措置と位置付けられ、武藤氏が副総裁に温存される限り、武藤氏が将来、総裁に就く余地は残される。

 民主党の反発を受け政府・与党はこの案の国会への17日の正式提示は見送った。再任案が参院で不同意となれば、19日以降の総裁空席が事実上確定する。暫定的に福井氏の任期を延長する日銀法改正も参院では民主党など野党の反対は必至。このため衆院での再可決が必要となるが、「道路国会」がヤマ場を迎える中だけに、首相が自らの進退をかけた全面対決となる。

 このまま事態が打開せず総裁が空席となれば、副総裁が確定している白川方明氏が総裁を代行するが、首相の求心力が一気に失われるのは間違いない。

 首相官邸は福井、武藤氏でもない「第三の候補」探しも同時並行で進めているものの、暗礁に乗り上げている模様だ。自民党幹部によると、首相サイドは全国銀行協会会長の奥正之・三井住友銀行頭取に非公式に打診したが、断られたという。

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登録日:2008年 03月 18日 10:22:55

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