純正パトリオティズムの悲劇 第9回 連帯と忠義
リトビネンコ氏葬儀、ロンドン市内のモスクで営まれる - 英国
【ロンドン/英国 8日 AFP】変死したロシア連邦保安局(FSB)のアレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)元情報局員の葬儀が7日、ロンドン市内のモスクで営まれた。
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(c)AFP/ODD ANDERSEN
チェチェンのパトリオティズムを支えるウェズデンゲルという精神哲学について考えているうちに、日本の武士道についても考えなければならないと思った。
■戦闘者の行動規範
言うまでもなく、プロの戦闘集団であった武士たちの行動規範や哲学などが武士道である。
生きるか死ぬかの戦いを勝ち抜くための、あるいは生き抜くための現実的な規範だったに違いない。
だから、戦闘に負けない、仲間・同志を守るための術、部下を大切にするという人物が武将として尊敬された。
生死を共にする集団の中には、互いに裏切らず最後まで戦うという絆もあった。平たく言えば「死なばもろとも」だ。
戦いだから、勝ちもすれば負けもする。撤退することもある。戦国時代などは、武将どおし連携したり、逆に離れたりもした。政略結婚もあり・・・。また、優秀な武士=戦闘者が主を変えることも。下克上もあった。そういう現実の世界の中での武士道だ。
■道徳化する江戸以降
戦国時代が終わり、江戸の幕藩体制が確立すると、武士は戦う集団というよりも、政治家や官僚の役割を担うようになる。
それでも武士だという自覚はあるから、それを精神的に支えるものが必要になる。それが江戸型の武士道といっていいのかもしれない。
そのために儒教的道徳を取り込み、主君に仕え、主君と主従関係を守るために死をも辞さない、ということになる。リアルな戦闘から必然的に生まれたものでなく、非常に観念的イデオロギー的である。
■実態がないと、それらしくなろうとする
武士が武士でなくなったから、むりやり武士的なものを強固に導入しようとする。
言い換えればこういうことだ。
“高貴な生まれ”でない人が高貴になろうとすると、感性や立ち振る舞いを、より貴族的にする。
あるいは、男らしくない男の中には、男らしさに幻想を抱き、マッチョな行動に固執する人もいる。
その人が男なら、存在そのものが男なのだから、男らしくしろ、などと騒がない。美しい人は、それだけで美しいのだから、美についていちいち理屈は言わない。自身のある人は、必要以上に自分を売り込まない。
■横に広がる「忠義」
そして、江戸時代に強調された「忠義」である。それより以前の中世の武士社会では、主君と呼ばれる人たちが、実際に戦場で戦い、部下とともに生死をともにしたことも多いという。
それこそ戦闘の先頭に立った強い主君もいたわけで、そういう人物に対する「忠」の感覚は、ある種の連帯感のようものも含まれていたであろうことは、容易に想像できる。やや横ひひろがる関係といったらいいだろうか。
■チェチェンの野戦司令官
そのような関係性を強化したのが、チェチェンの武装勢力である。チェチェン独立派には大統領もいれば、参謀長も存在するが、現実の戦闘は、各野戦司令官とその部隊がにない、各部隊の独自性がかなり強い。
チェチェンで戦う男たちに接していて、「どうか、俺たちの司令官に会って欲しい。すごい男だから」などと言って敬愛の情を隠さないのを何度も目にした。
実際に接した野戦司令官は、いってみれば、一般の兵隊にとっては“主君”みたいなものだ。私が実際に接した経験でいえば、野戦司令官はおしなべて戦闘に強い。
そして部下たちを大切にし、味方の被害を最小限にとどめようとする。そして駆け引きもうまく、判断力がある。何よりも、最も苛酷で危険な任務を司令官自身が担おうとする。
それを日常的にみている部下たちは、強い信頼をもたざるを得ないだろう。もっとも、最近は彼らと具体的に接触していないので、ここ数年の現状を私は把握していない。
このような横の連帯は、民族哲学のウェズデンゲルと深い関わりがあり、その連帯の奥には共同体社会を守ろうというパトリオティズムに通じるのである。(つづく)
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登録日:2006年 12月 31日 09:00:00
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■16回チェチェン入り。露店のおばちゃんから指名手配のゲリラ司令官、大統領まで知人 多数。チェチェンを入り口に、ロシア・世界・日本・政治・文化から人間の未来まで縦横無 尽に語る。
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