邪魔者は消せ③(この半年のロシア)

大規模な反体制デモ、活動家ら拘束されるが同日釈放に - ロシア

【モスクワ/ロシア 14日 AFP】モスクワ中心部でデモ行進を開催し警察に拘束されていたガリー・カスパロフ(Gary Kasparov)氏は14日、拘束から数時間後に釈放された。
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(c)AFP/ALEXANDER NEMENOV

AFPBB News


 暗殺の舞台は、モスクワから遠く離れたロンドンに移る。ポリトコフスカヤ記者が殺された翌月の十一月二三日、元FSB(旧KGB=ロシア連邦保安局)中佐のアレクサンドル・リトビネンコ氏がロンドンで死亡。体内から、放射性物質ポロニウム210が検出された。

◇「チェチェン戦争はFSBのテロそのもの」と主張

 リトビネンコ氏は、プーチン大統領の政敵だった新興財閥のボリス・ベレゾフスキーに対するFSBの暗殺計画を告発して二〇〇〇年に英国に亡命した人物。

 チェチェン戦争がプーチン政権の主張するような「対テロ戦争」などではなく、FSBによるテロ戦争そのものであると暴露する本を英国で出版し、国内では反対派封じに成功したプーチン政権にとって、同氏はやっかいな存在であった言える。

 殺された直接の契機と思われるのは、またしてもチェチェン絡みの言動だった。
 まず、第二次チェチェン戦争のきっかけの一つとなった一九九九年のアパート連続爆破事件に関して。爆弾がアパートに仕掛けられ、約300人もの住民が犠牲になったテロ事件だ。

 ロシア当局は、チェチェ独立派の犯行と断定して軍事侵攻を開始した。ところがリトビネンコ氏は、「テロはロシア政府の自作自演」と証言したのである。前述の英国内で出版した本は、この事件のについて紙幅がさかれている。チェチェン侵攻の“大儀”そのものがでっち上げだと断定していたのだ。 

 アメリカに例えるなら、いわゆる9・11同時多発テロがアメリカ政府の自作自演だと公の場で証言しているに等しい。

◇学校人質事件はロシア特務機関が関与か?

 第二は、〇四年九月に南ロシアで起きた学校人質事件に関して。武装勢力が子どもたちを人質にとり、特殊部隊の突入で三三〇人が犠牲になったこの事件を覚えている読者も多いだろう。

 チェチェン武装勢力の犯行と報道され、ロシア軍は攻撃を強化。同時に、国民の安全をはかるためとして、プーチン大統領は、州知事選挙を廃止して中央政府による任命制に切り替え、さらに権力基盤を強化した。

 この事件についてもリトビネンコ氏は「ロシア政府の自作自演」と断じているのである。実際、生き残りの人質がつぎつぎに証言し、犯人グループの指揮官はロシア軍人(ないしは特務機関員)であり、他の犯人は地元の住民であると暴露された。


◇「アンナを殺したのはプーチンだ」

 そして死亡する約1ヶ月前の一〇月一九日、ロンドン市内で行なわれた記者会見でリトビネンコ氏の口から衝撃的な発言が飛び出す。

 アンナ・ポリトコフスカヤ記者殺害について「アンナを殺したのは、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンその人です。(中略)ロシアはFSBによる厳格な統制下にあり、アンナのような立場のジャーナリストが、プーチン大統領本人の許可なく抹殺されるということなど、まったくありえません」と言い切ったのである。

 さらに、暗殺事件の証拠を集めているとも明言していた。この発言を機に事態は急転する。                                             (つづく)

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登録日:2007年 04月 23日 22:40:40

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プロフィール
林 克明
(男)
チェチェン総合情報
平成暗黒日記
草の実アカデミー
■ジャーナリスト
■16回チェチェン入り。露店のおばちゃんから指名手配のゲリラ司令官、大統領まで知人 多数。チェチェンを入り口に、ロシア・世界・日本・政治・文化から人間の未来まで縦横無 尽に語る。
■著書「チェチェンで何が起こっているのか」(大富亮氏と共著)など
■最新刊「世襲議員ゴールデン・リスト」
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