「ジャーナリストは敵である」と自衛隊情報保全隊

プーチン露大統領、「専制政治」批判に反論

【6月9日 AFP】ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の統治を専制政治と非難するロシア人男性の言葉がきっかけで、同大統領が8日、主要国(G8)首脳会議の場でロシア政治の正当性について長々と釈明するという事態が起きた。
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(c)AFP

AFPBB News


「ジャーナリストは敵だ。彼らこそ殲滅しなければならない」
1999年秋、ロシアのプーチン大統領はこう発言した。日本の自衛隊が似たような考えでいることがわかった。6月6日に暴露された自衛隊情報保全隊(旧軍の憲兵隊にあたる)が、ジャーナリストをはじめ、広範囲にわたって国民を監視していた内部文書が、それを示している。

◇真実と事実を伝える記者は敵なのか?

 プーチン大統領の発言の背景を説明しておきたい。問題の発言があったのは、第二次チェチェン戦争が始まって間もない1999年10月29日から31日の間である。

 同年9月にチェチェンに侵攻したロシア軍は、各地で住民虐殺をしていた。それでもその当時は、外国人・ロシア人・チェチェン人ジャーナリストがなんとかその実態を報道していた。とくに10月29日は、ロシア当局が避難民をチェチェンの外に逃がすと発表し、それにしたがった大量の避難民が長い行列をつくり脱出し始めた。

 つまりロシア当局が住民を一カ所に集めていたのだが、このとき避難民の列をねらい打ちにしてロシア軍飛行機が爆撃し、大量の犠牲者を出した。これをビデオや写真で撮影していたジャーナリストがそのフィルムを国外に持ち出し、一部が報道され、この事件が明るみに出たのである。

 それを知ったプーチン大統領(当時は首相)が「われわれの敵はテロリスト(チェチェン抵抗勢力)ではない。ジャーナリストこそ敵だ。彼らこそ殲滅しなければならない」と激怒したのである


 ほんとうのことを知られるほど権力者にとっていやなことはない。

◇記者活動が反自衛隊活動 

 今回の自衛隊の活動記録が公になってことで、私はプーチン大統領のこの言葉を思い出した。

 日本の政府や自衛隊はそこまでひどいことは言っていない。しかし、その根本思想にはロシアの政権と共通するものがある。 

 明らかにされた内部文書によれば、陸上自衛隊の情報保全隊は、広範囲かつ大規模な国民監視活動をしていた。イラクへの自衛隊派遣反対運動、文化事業、国民年金を考える活動、医療費負担の見直しを求める署名活動、高校生の活動、フォトジャーナリストの写真展・・・・・。こういうものが、反自衛隊活動などとして文書に記録されている。

 隊員が身分を隠して集会などにまぎれこみ、参加者の写真撮影・住所・発言内容などを文書に記録している。つまり自衛隊が国民に対してスパイ活動をしているわけだ。

 「イラク戦争と子供達」の写真展も監視されていた。隊内から出てきた隊員に新聞記者が話を聞こうとしてことも反自衛隊活動とされている。

◇「どこが悪い」と開き直る防衛省と自衛隊

 ちなみに今回発表された文書は一部。氷山の一角である。防衛大臣などによって、陸上自衛隊だけでなく、海上自衛隊・航空自衛隊も国民監視活動をしていることを認めた。いま現在もそうである。いまなら、「消えた年金」問題で抗議活動をしている人々も監視されていることは十分に考えられる。なにしろ、医療費負担増をやめてほしいと言っている人たちをも武装組織のメンバーが監視していたのだから。

 自衛隊幹部は(国民を監視して)「何が悪い」と、何人も匿名で新聞にコメントしている。トップである久間防衛大臣も同じだ。

 しかも監視されていた民主党議員が外交防衛委員会で質問したところ、国会議員も含め全国民が監視の対象になる、と久間防衛大臣は言明した。

 情報保全隊は隊内の情報を文字通り保全する役割だ。それが民間のことまでスパイ活動をするのは、あきらかに違法である。

 戦前・戦中の憲兵隊も、本来は軍隊内の活動のはずが、全国民を監視・弾圧した前例もある。この問題を明らかにし、関係者を厳罰に処さなければ、つぎにはもっと暴走しエスカレートするであろう。

 ロシアでは、FSBなどの機関と軍関係機関が国民を監視している。日本も同じだということだ。

◇国政調査権で全容の解明を
 民主党の平岡議員は、「野党に力があれば国政調査権であきらかにすることができる」「文民統制は、文民が軍組織を統制するだけだけでなく、民主体制によって統制することだ」と言って政府・防衛省を批判していたが、これは正しい。
 
 野党が多数派になれば、全容は解明できないと思うが、国政調査権も使って一部でも明らかにできるかもしれない。

 つぎの参議院選挙は重大な岐路になる。


 その後、この国民監視活動はあまり報道sれていない。ジャーナリストはもっと怒るべきである。
 

 

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登録日:2007年 06月 29日 17:34:01

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林 克明
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チェチェン総合情報
平成暗黒日記
これは髪の事件です!オーラヘアー
■ジャーナリスト、「通販あれこれ」スタッフ
■16回チェチェン入り。露店のおばちゃんから指名手配のゲリラ司令官、大統領まで知人 多数。チェチェンを入り口に、ロシア・世界・日本・政治・文化から人間の未来まで縦横無 尽に語る。
■著書「チェチェンで何が起こっているのか」(大富亮氏と共著)など
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