北朝鮮の金正日が支払うべきツケ

<北朝鮮核実験>制裁決議履行をめぐり、米中外相会談 - 中国

【北京/中国 20日 AFP】コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官は20日、北京を訪問し、李肇星(Li Zhaoxing)外相と会談した。ライス長官は、北朝鮮の核実験実施を受けた国連安保理(UN Security Council)の制裁決議の完全履行を中国側に要請した。写真は、釣魚台国賓館(Diaoyutai State Guesthouse)で共同会見するライス長官(左)と李外相。(c)AFP

AFPBB News


北朝鮮の金正日総書記が平壌で19日、の特使である唐家セン国務委員(副首相級)らの代表団との会談で、再度の実験は予定していないことを言明した。
金正日が外交の特使に会うなど、公の場所に姿を現し声明を発表するのは、北朝鮮が核実験実施の発表を行ったあと、初めてのことだ。
つい先日、北朝鮮がテポドンを打ち上げた時は、国連安全保障理事会での制裁措置に反対した同盟国の中国。

しかし、国際社会でこれだけ非核運動が高まる中の北朝鮮の核実験実施の発表は、たとえ同盟国とはいえども、さすがに「人道的」な観点から核の撤廃を唱えるマジョリティーの反目には回れない。


●北朝鮮と中国との関係

中国が今回北朝鮮に対し、これまでにないほどアグレッシブな姿勢を見せるのは、単に「人道的」なことだけを考慮しているからではない。
もちろん隣国として、北朝鮮が核実験など、核を用いた具体的な行動に出れば中国にもその被害は及ぶだろうし、人道的な観点からも恩赦の余地をはるかに超えていることは理由として考えられる。

しかし、それ以上に、中国は北朝鮮に対し、今回は強硬姿勢を貫かなければならない理由があった。
これまで、北朝鮮が国際社会からの非難を受けるたびに、中国は同盟国として北朝鮮をかばってきた。
そんな北朝鮮の核実験実施(と公表だが)を平和的に抑止することができたのは米国でもなければ日本でもなく、同じ共産主義を唱える中国だった。
中国政府は核実験の中止を目的とした北朝鮮との交渉が成功することを、米国をはじめとする国連加盟諸国から大きく期待されていた。
言い換えれば、アジアでめきめきと目立ち始めている中国は、今回北朝鮮を説得できるかどうかがで、国際社会での立場が大きく変わるかもしれないという正念場だったのだ。

ところが、そんなことはお構いなしの北朝鮮は、中国政府の説得をまったく無視し「実験を実施した」と発表したものだから、中国としては立つ瀬がない。
北朝鮮から「中国は役立たずだ」と世界へ向けて公表されたようなものだ。
そりゃ、中国もキレるだろう。
胡錦濤中国国家主席は「国際社会の強烈な反応を知らしめる必要がある」と、今回ばかりは北朝鮮に厳しい態度を示している。

そして、これまで“仲間”だった中国やロシアも、北朝鮮への経済制裁に賛成の票を投じた。
まさに、孤立してしまった北朝鮮。
ここへきて、金正日は「米国が金融制裁を解除するなら」と条件付きで6者協議への復帰に応じる意向を表明した。
また、同国外交筋によると、これ以上の核実験予定はないとしている。
しかし、北朝鮮外務省による「制裁決議は宣戦布告と受け取る」という声明は、未だ却下されていない。
何が本当で何が嘘なのか、こうなってしまった今では、当の金正日すら混乱していることだろ。


●米国の“平和的な”攻撃

一方で、ライス国務長官のアジア歴訪が始まった。
もちろん、歴訪の目的は、北朝鮮へ対しアジア諸国が経済制裁を履行するための連携を強化することだ。
チェックメイトに向けて着々とコマを進めている様がうかがえる。

さて、ここで1つ気になるのが、平和的攻撃に一気に加速した米国は、金正日が要求する「条件付き6者協議復帰」を、果たして、すんなり受け入れるのだろうかということ。
以前にも述べたように、米国にとっては北朝鮮と戦火を交えても、何のメリットもない。
しかし、これまでさんざんと騒ぎを起こした北朝鮮を”正義”という使命でここまで追いつめて、今更コマを手前に戻すという作戦を、ケンカのプロである米国が練っているのだろうか。

中国政府を無視し、核実験を実施した(と発表している)北朝鮮。
そして、北朝鮮を握りつぶしてしまうことに何のメリットもない米国を、ここまで動かしてしまった北朝鮮。

そのツケを払うには、もはや6者協議復活や核撤廃だけでは到底、物足りないのではないだろうか。

コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 10月 21日 00:39:26

コメント

北朝鮮の核実験についてヨルダン人に聞きましたが、「良くやった金正日!」が一般的な意見だとか(幾人かに聞きましたがだいたい同じ意見)。要するにアメリカの制止を振り切れば何でも誉めるという感じ。イラン人も好きじゃないけどアメリカにズバズバ言うので支持しているヒトも多いですねぇ。

中国人のことはアメリカとは違った意味で嫌いなのですが、今回の措置はどう見えているのかまだ聞いていません(ラマダン明正月でお休み中)。

中東三昧 @ 2006年 10月 24日 10:22:52

中国は、今回の核実験強行で
すっかり顔に泥を塗られた状態になってしまいましたね。
国連では、制裁決議に賛成したけれど
それでも、こめかみに青筋立てながら
ニコニコ付き合っているのを見て
(北挑戦←一発変換 訪問とかもしているし)
なんか、ハラハラする。。。

くぼ@赤ウサギ @ 2006年 10月 27日 07:35:57

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藤原ヒカル
藤原ヒカル
(女)
カンガルーの国、オーストラリアでジャーナリズムを学び、その後は現地で新聞記者に・・・・・・。業界へのデビューを果たすが、目指すところは”イラク”ではなく、”ミュージックシーン”だったりする。10歳の時にテレビで聖飢魔IIのライブを見て、デーモン閣下に一目惚れ。後にKISSなどの大御所を知って(普通は、逆!)、「話してみたい♪」とミーハー的な理由で英語を猛勉強。HR/HM歴20数年。現在は日本在住。企業や国家の政策などのコアな記事から外国人クリエーター、芸術家たちにインタビューして記事を書くのがお仕事。
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