若者は即刻クビ!?
【エクス・アン・プロヴァンス/フランス 15日 AFP】14日、学生が新卒者の初期雇用契約(CPE)に対して、エクス・アン・プロヴァンス(Aix-en-Provence)市役所の前で「ダイイン」を行って抗議した。26歳以下の就労者に対して、雇用して最初の2年間は説明なしに解雇できる契約。横断幕には「雇用者にはキャビア(cavier)を、就労者には騎兵隊(cavalry)を与えるのか?」と書かれている。(c)AFP/ GERARD JULIEN
フランス政府もなかなか思い切ったことをしますね。
これも一種の、人件費削減なのでしょうか?
極端な話、26歳以下の若者を順番にクビにして、どんどん新しい人材を採用すれば、給料は安く済み、しかも、うまくすれば活性化(?)されることも考えられますが・・・。
●日本のニートと対照的
職種にもよりますが、若い人材が多いほど、そりゃあ、職場は活性化され、特にIT分野などでは脳ミソが柔らかく斬新、しかも体力的にパワーがある若者は重宝されるのでしょうが、しかし、本当にこれでいいのでしょうか?
最近の若者は、昔と違いよく言えばドライ、変な言い方をすれば、あまり仕事に重きをおかないという傾向にあるかと思います。(全ての若者がそうだと言っているわけではありませんよ!)
でも、それは考え方の違いであって、プライベートをより充実させるために仕事をするというのは、決して悪いことではないと思います。
どういう裏事情があり、このたびフランス政府ではこんな雇用契約を思いついたのかはよくわかりませんが、むしろ、問題なのは同じ仕事に何十年も携わり、変な意味で職人化してしまっている中堅以降の被雇用者ではないのでしょうか?
社会通念上、家庭あり潰しのきかないスタッフは即刻クビにはできないけど、1人身でまだやり直しのきく年代の人間なら、まぁまぁ・・・ということなのでしょうか?
もし、そうだとしたら、これはとんでもない人権侵害に値すると思います。
活性化、発展などを掲げながら、一方では若く可能性のある人間の”窓口”を狭めてしまっているのですから、そりゃ、デモだっておこるでしょ。
日本なんか、バブル崩壊後のどん底時代がようやく終焉、今では景気が回復し、今回の春闘などでもわかるように景気はだいぶ安定したといえるでしょう。
日経新聞によると、企業ではこれまでのアウトソーシング・スタイルを改め、正社員の採用枠を広げつつあるとのことでした。
しかし、景気が上向くと、今度は好んで仕事をしない、つまりニートなどとカテゴライズされる若者も存在するわけで、なんとも皮肉な世の中ではありませんか。
働きたい時に仕事はなく、仕事のチャンスがある時に働きたくないとは・・・。
そんな日本の若者に比べると、フランス人の若者は少しだけ大人なような気がします。
こういう制度ができることで、自分たちの生活に危機感を持っているわけですからね。
もし、これが日本国内で施行させる予定の法律だとしたら、どうなっていたのでしょうか?
どれくらいの若者が、働くことに対しこれほど真剣にとらえていたのでしょうか?
個人的にとても興味があります。
●教育と自主・自立性
たとえば、就職しても両親と同居するというのは、別に日本では珍しいことではありません。
そのむかし、パラサイト族という言葉がはやりはしましたが、未だに”実家に住むのはお家柄がよろしゅうございます”という風潮もあるらしく、某大企業では、一般職の女子社員を採用する場合の規準として、”自宅から通勤できる”という表向きではない基準を設けているところもあります。
ショッキングです!
しかし、西洋では、成人してからも両親と同居し、炊事・洗濯などあたりまえのようにやってもらうなどということは、まず、考えられないことです。
別に、両親と住むのが悪いわけではないのですが、ある程度自活できる力があれば、ほとんどの若者は、いわゆる”親離れ”をします。
また、親もきちんと”子離れ”ができているんでしょうね。
子供に依存せず、手が離れれば悠々自適に生活をしています。
そして、週末は両親を訪ねて一緒に食事をするなど、親子であってもそれぞれの生活スタイルを互いに尊重している様子がうかがえます。
たぶん、これは教育の違いなのでしょうか?
やはり、自主・自立性を育成することに重きを置いている西洋の教育スタイルと協調性に重きを置く和のスタイルでは、こんなところでも違いが出るのかなと、よく感じたものでした。
良し悪しの話ではないのですが、西洋の子供たちは10代後半または20代前半で、やがて親の元を離れて自活しなくてはいけない、というプレッシャーを無意識に感じているような気がします。
そりゃ、中には日本のニートのような人もいますが、社会問題になるほどの数ではありません。
なんやかんや、自分で仕事を見つけ家賃を払っています。
やはり、本当の意味での子離れ、親離れの時期は、家庭だけの問題ではなく、その社会の文化や環境にも強く影響されるものなのだなと、こんな外国のニュースを読むと、切に思うのでありました。
コメント[10], トラックバック[1]
登録日:2006年 03月 16日 00:06:12
コメント
藤原さん、初めまして。
藤原さんと同じく、オフィシャルブログの執筆を担当させていただいており
ます、ライターの端くれです。
2年という期間は、技術の習熟度等を測るには十分な期間なのかも知れ
ませんが、発想力や情勢の分析力等、若者の「秘めたる可能性」を発掘
するのは、あまりに短い期間であるように思えてなりません。
どういった思惑で「26歳以下」「2年間」という基準を設けたのか…。
27歳の私には、とても興味があります。
牧人 @ 2006年 03月 16日 10:46:38
>牧人さん
コメントありがとうございます。
私たちの就活時期はもう、バブルがはじけたあおりをめちゃくちゃくらった時で、史上最悪とまでいわれたリストラ時期でした。
なので、こういう若者の働く意欲をそいでしまうようなニュースは、なんだか十ウン年前の私自身のくらーい気持ちを思い出し、人ごととは思えなくなってしまいます。
藤原Hikki @ 2006年 03月 16日 23:33:21
いつも楽しんで記事を読ませていただいてます。
世の中って、本当にバランスがわるいんですね。
方や仕事のチャンスがなくなるとデモを起こし、反対ではニートとか、チャンスがあっても仕事をすることを放棄しているし。
へんな世の中ですね。
ぐっぴぃ @ 2006年 03月 16日 23:47:32
>ぐっぴぃさん
いつもコメント、ありがとうございます。
何事も中庸が大事かもしれないですね、中庸。
仕事でもそうですが、頑張って営業活動して、眠れないくらいに仕事をとって、肉体的にはツライと思いながらもけっこう幸せだったりする。
でも、そんな生活50,60歳になっても続けられるものじゃない。
またある時は、思うように仕事が取れなくて、電話もメールもぶっ壊れてしまったのかと疑問に思うほど、パタッと音沙汰なし。
確かに何時間でも眠れるけど、人生どん底の気分になる。
やっぱり、『~すぎ』はよくない!
国の経済も個人の仕事も、本当に中庸が一番だなぁと、身をもって実感しています!
藤原Hikki @ 2006年 03月 18日 02:46:59
現代日本の子供たちって
なんだかんだ言って
生まれたときから恵まれすぎています、
衣食住すべてに満たされているのを当たり前と思う未成年が
社会人として独り立ちできるのかどうか
「親」としては、かなり不安です(苦笑)
くぼ @ 2006年 03月 22日 01:10:47
>くぼさん
子供には早く独り立ちしてほしいと思うのでしょうが、それはそれで複雑なんでしょうかね?
まぁ、ニートになられるよりは数万倍マシか!!
といっても、私はまだ、嫁にすら行っていないので、出産の予定すらない身分ですが……。
ははは、負け犬を暴露しちゃいましたね(苦笑)
トホホホ……
藤原Hikki @ 2006年 03月 22日 02:43:16
遅ればせながらトラックバックさせていただきました。
よろしくお願いします。
すずか @ 2006年 03月 30日 20:17:54
>すずかさん
はじめまして。
ご参加、ありがとうございます♪
Hikki藤原 @ 2006年 04月 01日 01:14:34
こんにちは、ヒカルさん。1,2年の内に就職をする私にとって大変興味深いトピックだったので遅れ馳せながらコメントさせて頂きました。
<景気が上向くと、今度は好んで仕事をしない、なんとも皮肉な世の中>と上記にありますが、就職難の時代に増えてしまった無職の若者をニート、社会問題として大々的に取り上げた事自体が、日本社会がニートを促進してしまった様に私には感じます。
日本では多くの場合に協調性が大切にされますが、それは<みんなと同じなら安心>という感覚も生み出している気がします。ニートを社会問題として取り上げる事で多くの無職の若者が同じような状況に陥った人々が多く居ることを認識し、一種の安心感を得、中にはニートである事を誇りに考えるという人まで出てきています。つまり、自分や数人だけがニートならば「早く就職をしないとっ!」と不安に駆られるところを、日本の多くの若者がニートであると知り、「みんながそうなら自分もニートで居ても良いじゃないか!」という様な考えが生まれてくると感じるのです。
私は海外留学中ですので私の周りにいる同じように留学している子達は自立した、もしくは自立しようとしている人が多いように感じます。
自主性、自立性は教育等にも強い関連はあるとは思いますが、例えば日本で<20歳前後で親離れし自立している(もしくはしようとしている)若者が増えている>というようなことを大々的にメディアが取り上げれば、良し悪しに関わらずそういう若者も増える様な気がします(笑)。
ちょっと話題がずれてしまいましたかね。すみません。
TOMOYO @ 2006年 04月 28日 20:01:25
>TOMOYOさん
コメントありがとうございます。
ニートに関しては、まさに、あなたの言うとおり、「みんな同じなら安心」というのがガンだと思います。
杉村タイゾー議員なるヤツが不純な理由でニート問題を解決しようと偽善的なことをしたり、また、タイゾー人気に便乗したマスコミがいたずらにそれを取り上げたりなど、日本は、なんとも情けない社会に成り下がってしまってます。
TOMOYOさんのように自分の意思をしっかりと持ち、夢を成し遂げるために海外へ出向き勉強するという若者と、ただ流れに身を任せて生きている若者との二極化にあることは事実です。
島国の日本では「出る杭は打たれる」とはよく言われますが、そんな時代は長く続きません。
なぜなら、「出ない杭は腐る」からです。
くだらない多数派論に負けず、唯我独尊(あれっ?ちょっと古い?)これからも頑張ってください。
藤原Hikki @ 2006年 04月 28日 21:20:43
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date:2006年 03月 30日 20:15:22
- プロフィール
- 藤原ヒカル
- (女)
- カンガルーの国、オーストラリアでジャーナリズムを学び、その後は現地で新聞記者に・・・・・・。業界へのデビューを果たすが、目指すところは”イラク”ではなく、”ミュージックシーン”だったりする。10歳の時にテレビで聖飢魔IIのライブを見て、デーモン閣下に一目惚れ。後にKISSなどの大御所を知って(普通は、逆!)、「話してみたい♪」とミーハー的な理由で英語を猛勉強。HR/HM歴20数年。現在は日本在住。企業や国家の政策などのコアな記事から外国人クリエーター、芸術家たちにインタビューして記事を書くのがお仕事。
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