幸福の哲学とは
【サンティアゴ/チリ 4日 AFP】亡命中のチベット仏教最高指導者でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のダライ・ラマ14世(14th Dalai Lama)は4日間の日程でチリを訪問した。滞在中は平和、精神、仏教に関する講義を行う予定。写真は、記者会見前にあいさつするダライ・ラマ14世。(c)AFP/MARTIN BERNETTI
そりゃ人間、誰だってヘコむ時がある!
一晩寝てしまえば元気になることもあれば、どうさまよっても出口が見えず、「消えてなくなりたい!!」と思ってしまうこともある。
「まぁ、ダメんときゃダメやろぉ~」とあまり無駄な抵抗はしない派の私だが、それでも人生を呪いたくなるほど落ちに落ちまくる時がある。
ハイ……まさに今……。
But still Life goes on.
悲しくても苦しくても、そして先の自分が見えなくても私という個体は存在してしてしまうのだ。
本当に生きるのはツライ。
そう思った瞬間、ふとダライ・ラマ14世を思い出した。
●ダライ・ラマ14世との出会い
”出会い”といっても、直接会って握手して……というわけではない、残念ながら。
Philosophy of Happinessという大学の授業で、西洋哲学と東洋哲学の幸福論について論文を書くにあたり、かたっぱしから参考文献を読みあさっていたが、どの本もありきたりで似たようなことばかりが書いてある。
「うーん、これじゃ、ちょっと弱いかも」と思っていた時、たまたま友人が貸してくれたのがダライ・ラマ14世の 『The Art Of Happiness』(※ 『The Art Of Happiness At Work 』ではない)。
私は、彼の本を通して、ダライ・ラマ14世の人生哲学に出会ったのだ。
彼の本には現世の偉大さ、そしてはかなさについて書かれてあり、人生のサイクルが壮大なスケールでとらえられている。
世の中には永遠なものもなければ、絶対的なものもない(ちょっとカントっぽい)。
喜びも悲しみも永遠には続かないので、その時の出来事に心が翻弄される必要はない(これは、エピクロスの快楽主義的思想に近い)。
それじゃ、翻弄されないような強い精神状態を維持するにはどうするの?
はい、欲を捨てて無になりなさい(ストア派の禁欲主義)。
しかし、何も考えず無になる方が、逆境を打破するより難しい。
では、ダライ・ラマ14世は、一体何と言ったのか?
ふふふふ。
ここで私が語ってしまうと、非常に俗っぽくなってしまうので、敢えて核となる教えは明かさないでおきたい。
興味のある人は、ぜひ『The Art Of Happiness』を読んで感じとってほしい。
まっ、とにかく、それまで完璧主義で凝り性なゆえ、ちょっと悲観的な私だったが、彼の本を読んでガラリと人生観が変わったのである。
1冊の本が人生観を変えるなんて、本当にあるんだなぁ……。
●心の糧『ギャンツォ=大海=ダライ・ラマ』
しかし、人生観が変わっても、やっぱりヘコんでしまうことはある。
ここ最近、ずーっとモヤモヤしていた心模様だったが、つい先日、大嵐にまで発展してしまった。
しかも、「お世話になっている大先輩の顔を見て元気を出そう!」と彼を訪ねたら、逆にダメ出しをくらってしまい、せっ……精神状態が崩壊の危機にっ!!
確かに、ダメ出しをしてくれたのは先輩の愛情であり、ありがたいことである。
感謝、合掌。
しかし、歳を取ったせいか、崖っぷちから谷底へ突き落とされ絶壁を登るハメになる前に、「危ないよ。さぁ、こっちへおいで」と誰かに手を差し伸べてほしい時もたまにあったりする。
そんなことを言っているから天誅が下ったのかもしれないが……。
とにかく、ヤバイ!!
このままでは、マジやばい!!
そんな状況でその先輩に会いに行く私も私だが、半分まで亀裂が入っていた心臓は、彼に会ったおかげでキレイにバラバラに砕かれた。
はぁー内臓がイタイ……。
それでこのブログを書きながら、ダライ・ラマ14世が述べていた言葉を繰り返し唱え、彼の哲学を接着剤にして心臓を修復しようとしているわけ。
かなり私的になってしまったことをお詫び申し上げたい。
これだけ私的になってオシマイというのもちょっと罪悪感があるので、少しだけダライ・ラマについて述べてみたい。
ダライ・ラマとはチベット仏教ゲルク派の法王で、転生者が相続する。歴代の法王の名前は、すべて”ギャンツォ”という言葉で終わるのだが、これは『大海』の意。
また、”ダライ・ラマ”というのも、モンゴル語で同じく”大海”を意味するため、”ダライ・ラマ”と呼ばれるようになった。
ダライ・ラマは代々、観音菩薩の化身としてチベット仏教と政治の両方に力を持つ。
ちなみに、ダライ・ラマ14世に関しては、6歳から教育を受け始め、3つの大学をわたり歩き、24歳で仏教哲学の博士号を取得している。
しかし、彼が説くのは仏教ではなく、あくまでも人間としての幸福の追求についてである。
1989年にノーベル平和賞を受賞した際のスピーチで、こんなことを述べている。
「どの宗教も目指すところは1つ、幸せである。地球上どこにいても、人は権利を追求し個人的なレベルでも国民的なレベルでも幸せになる権利がある」
菩薩の化身とされるダライ・ラマ14世だが、彼がチベット仏教を通して培った人生哲学には宗教的な思想による偏りは一切ない。
無神論者である私だが、ここまで惚れ込んでしまった彼の人生哲学を、どうか少しでも多くの方に知っていただきたい。
賛否両論、この場を借りていろいろな感想をぜひ、うかがいたいものである
コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 05月 04日 23:42:15
コメント
こんにちは、ヒカルさん。私も最近凹んでいます。
>喜びも悲しみも永遠には続かないので、その時の出来事に心が翻弄される必要はない
確かにその通り!!っと大変納得する部分なのですが、それを理解してはいても、そういうのって理屈では無いんですよね。そしてあふれ出す”負”の感情が抑えられない、自分で自分の精神状態をコントロール出来ない。私の場合はさらにそういう自分自身に嫌悪感を抱いてしまいます。
ヒカルさんが、ダライ・ラマ14世でご自身を修復しようとしているように、人それぞれに修復の方法を持ち、自分と状況にあった修復方法を用いているのでしょうね。
最近はどうですか?ヒカルさんの記事をいつも楽しく読ませて頂いてますので、早く元気になって頂きたいです。
TOMOYO @ 2006年 05月 11日 22:46:57
>TOMOYOさん
こんにちは。
いつもご丁寧なコメント、ありがとうございます。
ハハハ……私が励まされてしまいましたね。
ありがとうございます。
ヘコむ具合いも大きいですが、立ち直りの速度はカップラーメン並みというのが、私の唯一のとりえでございまして・・・・・・・。
ご心配おかけしました(苦笑)
かの有名な松下幸之助氏は「道をひらく」と言いましたが、私は「道はひらかれている」と考えています。
ただ、ヘコんでいる時には、その開かれているはずの道が見えないんですよねぇ。
何せ、下にヘコんでるんだから。
それで、最近さんざん悩んだ上に、新しい復活法を見出しました。
それは、両親への感謝の気持ちを改めて強く持ち直すこと。
へっ!?
というカンジでしょうが、結構これが落ち着くんですよ。
自分は愛されてるなとか、100%応援してもらってるなとか、そして、そんな自分はとても恵まれているなぁとか・・・。
両親は歳の数だけ自分より経験も豊富で、その分たくさん苦労してきたわけで、そんな両親が毎日一生懸命生活してるんだから、あたしもこんなところでグズってられん!!
みたいな・・・。
効きますよ。
TOMOYOさんは以前に、外国でお勉強中とおっしゃっていましたが、海外で1人ヘコんでしまった時には、日本で一生懸命仕送りしてくれたり、応援してくれる両親に対し、改めて「あぁ~、ありがとう」と感謝すると、「はっ!!私もがんばらなきゃ!!」って自然とポジティブになれると思います。
お試しあーれ!
藤原Hikki @ 2006年 05月 12日 00:51:44
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- プロフィール
- 藤原ヒカル
- (女)
- カンガルーの国、オーストラリアでジャーナリズムを学び、その後は現地で新聞記者に・・・・・・。業界へのデビューを果たすが、目指すところは”イラク”ではなく、”ミュージックシーン”だったりする。10歳の時にテレビで聖飢魔IIのライブを見て、デーモン閣下に一目惚れ。後にKISSなどの大御所を知って(普通は、逆!)、「話してみたい♪」とミーハー的な理由で英語を猛勉強。HR/HM歴20数年。現在は日本在住。企業や国家の政策などのコアな記事から外国人クリエーター、芸術家たちにインタビューして記事を書くのがお仕事。
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