色彩の反作用
伝統のチェルシー・フラワー・ショー 今年も華やかに開催 - 英国
【ロンドン/英国 23日 AFP】ガーデニングの発祥の国で有名な同国のチェルシー地区でチェルシー・フラワー・ショー(Chelsea Flower Show)が23日から27日まで開催される。
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(c)AFP/CARL DE SOUZA
●無色への憧れ
初めにことわっておきたい。
私は残念ながらアーティストではないので、色彩的な感覚については凡人並み、好みの範囲を超えて語ることはできない。
むしろ、どの角度からとらえても現実と向き合うことを強いられる、何とも色気のない職業に従事している。
色気のない商売だから色味に過剰に反応するのか、それとも時として物事のウラをつついてみなきゃいけないという職業病なのか……。
とにかく、色のない世界に興味があるというのは事実である。
●モノクロの真実
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、そして触覚のうち、視覚から得られる情報は全体の約5~8割(ちょっと開きがあるが)にも及ぶと言う。
某心理学者のリサーチによると、初対面の人と会った場合に視覚が情報を得る(第一印象)のに要する時間は3~6秒で、その情報を変えるには、少なくとも3回以上その相手と会い、一定の時間会話をする必要があるという。
ホテルやレストランなどの接客業に従事する人が制服を着用する傾向にあるのは、このような視覚の持つ影響力を考慮し、一個人が組織の中で(マイナスの意味で)視覚的に目立ってしまわないよう“統一の美”を目的としているからだ。
反対に、学校の授業などでノートを取る際に、大事なところは赤字で表記するというのは、色が付くことで視覚がそれらを印象が深くとらえ、脳に強く記憶されるからだ。
その昔、シャープペンではなく芯の太い鉛筆の使用を奨励していた小学校があったが、それも某調査機関のリサーチによると、太い芯の鉛筆で書いた文字はシャープペンで書いた文字よりも濃く表記されるため、約1.5~2倍の長さで記憶に残るという。
つまり、色彩は人間が普遍的な美を追求する手段として感覚を刺激するだけではなく、記憶力という観点からとらえても、ものごとの存在感をかなり印象づけることが証明されている。
もちろん、論理的なうんちくより、彩り鮮やかなものは単純に美しい。
なんといってもゴージャスだ。
しかし、色に依存しない情報伝達というのも、そう悪くはない。
個人的な嗜好になるが、私は大自然の島へ行き、自然の色彩が生み出すコントラストを目のあたりにするより、色彩のない単調な絵やモノクロの写真を見る方が好きだ。
そこには色彩による偏見や先入観は存在せず、被写体の真実の姿が見えるような気がするからだ。
もともと色味を帯びているそのモノ自体を否定するつもりはない。
先にも述べたように、美しいものは美しい。
しかし、そのモノを被写体にした時(絵画でも映画でも写真でも)、そのモノが持つ色とまったく同じ色を生み出すこなど、果たして可能なのだろうか?(アーティストの方々、ごめんなさい)
絵を描けば、書き手の感覚で微妙に色が異なり、映画や写真を撮れば、光の加減で映し出されるモノの色の具合が異なってくる。
むしろ、我々の脳には赤や黄色という色の情報がインプットされており、たとえば、モノクロのチューリップの写真を見たときに頭でイメージする色こそ、視覚に支配されていない真実に近い色なのではないのかと思う。
芸術センスのカケラもないのにおくがましいが、しかしながら、やはり白と黒の世界は私にとって、どんな色の組み合わせよりもリアルでパワフルな世界だ。
今回選んだ写真だが、花の色のコントラストは美しい。
しかし私には、残念ながら、美しく咲きみだれる花自体の息吹を感じることができない。
脳がピンクや紫に過敏に反応し、花が死んでいる。
どんどんと違う記憶へトランスして行く……!!
コメント[7], トラックバック[0]
登録日:2006年 06月 03日 13:25:48
コメント
白と黒…最もシンプルで、両極端なコントラストですね。
ここ2年ほど、商用ホームページの作成や閲覧に携わっているのですが
毎日毎日、あらゆる色に溢れたホームページを眺め続けていると、色彩
感覚が麻痺してくるように思います。
自分の商用ホームページを作成する時は、水墨画調にしてしまおうかな、
等と考えております。
高瀬 @ 2006年 06月 03日 17:31:25
モノクロで撮った映画とか、いいよね。
ジョニーデップ主演の「エド・ウッド」は
モノクロ以外考えられない!!!というほど秀作でした。
ところで「トランスする記憶」とはこれいかに?(興味津々)
くぼ@赤ウサギ @ 2006年 06月 03日 18:53:49
>高瀬さん
我々人間はあまりにも色彩による情報に支配されすぎていると思いません?
モノクロの世界こそ、より物体の核を正直に伝えると思います。
そして、真実はいつもインパクトがある。
だから、人の心に深く残るんですよね。
>赤ウサギさん
「トランス」といっても別にドラッグってるわけじゃないっす(苦笑)
写真のピンクを見たとき、自分の目でピンクと感じた別のものへ次々と記憶が勝手にリンクしていくんですよ、私の場合。
その時点で”写真の花”はもはや、花に見えなくなって、ほかのピンクの物体とラップしちゃう。
これって、めちゃめちゃ色彩の情報にコントロールされていません?
ピンクから口紅、洋服、ヘア・クリップ・・・などへ連想する力の方が強く、写真の花が次第にそれらに見えてくるということです。
藤原Hikki @ 2006年 06月 04日 11:38:05
トランスの意味、わかる気がします。
匂いでもちょっと似た感覚がありますよね。
で、そういう連想をするのが瞑想ですね。一手法かもしれませんが。
それが無の境地につながる、逆のようですけどね。
すずか @ 2006年 06月 05日 19:50:01
>すずかさん
人間にとって最も難しいことは”何も考えないこと”だと思います。
人間は一体、死ぬまでにどれくらいの五感を駆使してるんでしょうか。
美人薄命じゃないですが、歴史的に類まれなる才能の持ち主は、ほとんどが短命ですよね。
それを考えると、五感がはたらく回数というか、限度って、心臓の鼓動が決まってるのと一緒で、案外定まってたりして。
ただ、心臓のようにコトン、コトンと音がするわけじゃないので誰もカウントできないですが・・・。
藤原Hikki @ 2006年 06月 06日 10:40:12
藤原さんあなたはとても繊細かつセンスの良い方とおみうけしました。モノクロのつかい方が上手い人ほど色のセンスがあるそうです。要は濃淡の使い方。ただし色があることで癒される人もいることお忘れなく。たとえばピンクね。濃いピンクは確かに強烈なイメイジがありますね?が淡いピンクはどうでしょう?
観ているとやさしい気持ちになりませんか?色による心理効果。モノクロや色彩いろいろな角度からEfectされたいわたくしです。
beautiful history @ 2006年 06月 17日 11:49:02
>beautiful history様
コメントありがとうございます。
何事も”simple is the best”というのが私の個人的な思想ではあります。
しかし確かに、色で癒されるということもありますね。
たとえば、キレイな色の洋服を着ている人に出会うと、第一印象がとてもいいということがあると思います。
実際、色にはその人の魅力を最大に引き出す効果がありますしね。
まぁ、モノクロに好きというのも、たぶん、あまり集中力のない自分自身への言い訳みたいなものでしょうかね(笑)
藤原Hikki @ 2006年 06月 18日 12:56:41
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- プロフィール
- 藤原ヒカル
- (女)
- カンガルーの国、オーストラリアでジャーナリズムを学び、その後は現地で新聞記者に・・・・・・。業界へのデビューを果たすが、目指すところは”イラク”ではなく、”ミュージックシーン”だったりする。10歳の時にテレビで聖飢魔IIのライブを見て、デーモン閣下に一目惚れ。後にKISSなどの大御所を知って(普通は、逆!)、「話してみたい♪」とミーハー的な理由で英語を猛勉強。HR/HM歴20数年。現在は日本在住。企業や国家の政策などのコアな記事から外国人クリエーター、芸術家たちにインタビューして記事を書くのがお仕事。
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