団塊はただでは終わらない
先日、定年退職したばかりの先輩が訪ねてきた。3月までは上司だったが、4月に私と交代して7月に退職した方だ。事業部長などを歴任したキャリアの持ち主だ。
退職後は特に予定はなく、お金はあるので夫婦で旅行、庭の手入れ、ジム通いなどをする、とのことだったので、12月から月10日勤務で半年間、ある仕事をお願いしていた。
ところが、友人の経営する会社の子会社の社長を頼まれたので、私の方の仕事はできなくなった、と断りにきたのだ。
実は、こうなるだろうな、ということは半ば予想していた。バリバリ仕事をしていた人が、急にぶらぶらしたり半端な仕事をして満足できるはずがない。
お金の問題ではなく、もっと責任と緊張感のある仕事をフルタイムでしたくなるはずだ、と思っていたら案の定だ。
庭の手入れもジムも1ヶ月ほどでもう飽きてしまったところへ、友人から話しがあり、経営会議などに出たところ、めらめらと燃えてきて、経営のアイディアがふつふつと沸いているところだという。
筆者はNPO入門講座や、県民カレッジのような生涯学習関連の講座の講師をすることもある。そこには定年退職者もたくさんくる。
しかし、はっきり言って、自分が何をやりたいかはっきりしないので、講座を受講して見つけようとしているだけだ。だから全然楽しそうではない。次から次へ、講座のはしごをしているが、やることは見つからないし、頭でっかちになるばかりだ。
講座を受講して、例えば「NPOアドバイザー」になったとしても、それだけで忙しい仕事ができるわけではない。
どっぷりと浸かってやりがいのある仕事がしたい思っているのに、あてがいぶちの講座から何かみつけよう、というアプローチがそもそも間違っているのだ。
では、どうしたらいいのか・・・
・・・
筆者は起業を勧める。
企業でもNPOでもいい。最初は個人事業者で青色申告でもいい。
普通の事業でもいいが、
地域には、社会起業家のビジネスのネタがころがっている。
また、これからは公共の分野で官の役割がどんどん小さくなっていく。
そこにあらたなビジネスチャンスがある。
大事なことは、10万でも20万でも売上があることだ。物やサービスを提供し、対価をいただく。そこに責任が発生し、責任をまっとうすることが生き甲斐になる。
パートタイムのボランティアは生き甲斐にならない。フルタイムのボランティアは生き甲斐になるが、それはもはやボランティアではない。非営利だが事業だ。
売上は、利用者からの料金、行政や民間の補助金、個人の寄付などいろいろある。
講座に行くとすればそこを学ぶことだ。
何をするかは講座ではなく、自分が歩き回って探さなければならない。
NPOだってこれからは事業型が主流なのだ。
団塊の世代にとっての一番の障害は、若い時はプロテストしたのに、社会に出たら企業社会に過剰適応したことだ。
まず、自らの雇われ人根性から叩きなおさねばならない。
この辺はいずれまた詳しく書きたいと思う。
カテゴリー[ 団塊世代 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 08月 30日 17:30:18
コメント
おそらく経営や企画をしたことがない人がいきなり
経営や経営をしても難しい面が多いと思うんですけれど、
「儲ける」って視点ではなくて、「トントンだったら上出来」
ぐらいの気持ちだと長続きしそうな気がします。
(最初は有余るエネルギーで大きな夢も膨らむでしょうが)
あと、うまくいっている事例を見ていると、会社にいる時代から、
「定年になったらこんなことがしたい。
仕事があったら振ってくれ」
とまわりに話している人が多いみたいです。
(お互いに仕事の出来の理解も信頼関係もすでにあるわけですし)
会社人間時代の人脈をうまく活かして、
今の仕事の延長としてうまく位置付けられるといいのかなぁ。
見知らぬ世界への新規参入をすると経験や人脈が役に立たず
20代とスタートラインが同じですから、
体力的に難しいかもしれないと思います。
それと、性格分類からいうと、サポーター・アナライザータイプは
もともとが受身なので起業は苦痛かもしれません。
プロモーター・コントローラータイプの起業にくっついて、
一緒に手伝うほうが充実感があると思います。
にゃんた @ 2006年 08月 31日 07:32:07
にゃんたさん、私の団塊起業のイメージは、例えば、特区で自家用車による高齢者や障害者の移送サービスをやって利用料金500円+助成金をもらう、という程度のものです。トントンで御の字。もっとも、それでも経営経験のない人やサポーター・アナライザータイプには難しいかも。そのときは仲間を集めてやる、ということですかね。
himori @ 2006年 08月 31日 08:47:42
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- ryuichi.himori@gmail.com
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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