会計制度の変化は企業の行動をどう変えたか
コメント欄にいただいた質問にお答えする。
日本の企業は2000年3月期より、単独決算中心主義からグローバルスタンダードである連結決算中心主義に変わった。
弊社も、おそらく多くの日本企業も、今までも連結決算はやってきたし、子会社の決算も適正にやってきたのだから、単に連結決算をメインにディスクロージャーすればいいのだろうとたかをくくっていた。
ところが、やってみるとどうも不自然だ。早い話が、分権事業部制のもとで、本体事業部の損失移転、余剰人員の受け皿、売上確保のための海外子会社への在庫の積み増しをみんながやっていた、ということがはっきりわかったのだ。コーポレートガバナンスが働いていなかったのだ。もちろん経営トップも薄々は知っていたのだが、全部あわせるとこうなるとは思っていなかっただろう。
ここではじめてトップがSCMに本気になり、流通在庫も含む全在庫削減の大号令がかけられた。また子会社の自立を促し、権限も与えた。本社からの在庫の押し付けもできなくなった結果、生産構造改革も進み、リードタイムも短縮した。
また、多くの日本企業で、ゴルフ場開発など資本コストを無視した関連会社投資が行なわれていたのが是正された。弊社の場合はリゾート開発の経営建て直しである。リゾート統括子会社を解散し、資産と負債を親会社が全て引き受け、各リゾート施設は施設ごとの子会社にして本社から施設の運営を委託する形にした。この結果事業の健全性は大幅に高まった。かなりの荒療治だった。連結決算でなかったら踏み切れなかっただろう。
連結決算重視への転換から6期が経過したが、弊社の体質は贅肉を落として筋肉質になったと思う。子会社の経営力は高まり、グローバルなコーポレートガバナンスも機能している。
まさか会計制度の変更でこれほどの変化が企業に起こるとは、30年中にいた人間としては想定外だった。
ちよこれいとさん、こんなところですが、いかがでしょうか?
カテゴリー[ 企業のこと ], コメント[4], トラックバック[0]
登録日:2006年 09月 28日 22:10:03
コメント
なるほど、そーゆーことね。まえにいたKGという会社も関連会社のプロパー社員辞めさせて本体の出向社員を転籍させて転籍社員だらけになりましたが、腰が重い指揮官ばかり、兵隊がいなくなり機動力ゼロ、会議ばかりで体動かず状態。会議が多い分、弁当屋儲かる?連結決算中心主義だと弁当屋が儲かる、つまりこれって風が吹くと桶屋が儲かる理論か?座布団おくれ!
BDPマスター @ 2006年 09月 29日 18:06:31
いや、KGは連結決算主義とは逆のことをやったのでダメになったんだね。子会社の自立性を高め、機動力を発揮させるのが本来の姿です。本社の腰の重い人たちを転籍させたら逆効果。連結決算が悪化してしまいます。本体と子会社全ての経営が同時によくならないと連結決算は成り立ちません。
himori @ 2006年 09月 29日 21:11:57
Himoriさん!どうもありがとうございます。
とてもわかりやすかったです~。
こちら側(会計)の人間も、喧伝されていた効果は理解していたものの、本当にそんなに効果が期待できるのか、というより、またどこかに抜け道があるんじゃぁないの?と疑心暗鬼でした。
こういう話を聞くととても元気づけられます。
せっかく書いてくださったのにレス遅くて申し訳ありませんでした。
ちよこれぇと @ 2006年 10月 07日 01:11:52
ちよこれぇとさん、社長は最初の数字見て結構あせったと思いますよ。効果てきめんです。特にリゾート事業の建て直しはまったなしになりました。制度変更さまさまです。
himori @ 2006年 10月 07日 20:14:21
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