2006年 09月 07日

飲み屋の社会調査

画像

さて、調査なくして発言権なし、である。
では筆者はどこで、どのような調査をしているのか。

写真は筆者の調査拠点、弟がやっているイタリア風立ち飲み屋BRADIPOである。
場所は東京は京浜東北線大井町駅近くの東小路、戦後の闇市の雰囲気が色濃く残る一角だ。
筆者はマスターの兄として、店の奥に座ってホスト役に徹し、入れ替わり立ち代り現れる客の話を聞くのだ。

客は様々だ。若いサラリーマン、サラリーウーマンの話からは、正社員ながら時間にゆとりのない、厳しい仕事環境が浮かび上がる。
一見同じように見える彼らだが、自社の経営に関する質問をすると、その答えから、会社を俯瞰して見ているエリート候補か、目の前のノルマに追われるだけの兵隊か、人材が判別できる。

都庁や近くの区役所の職員も来る。私の所属する行政経営フォーラムや代表の上山信一氏の名前はまったく知らないか、かすかに聞いたことがある程度。NPM(ニューパブリックマネージメント)など遠い世界の出来事のようだ。

新宿で酔っ払いのおじさん相手の開業を夢見るおもしろい女医さんや、デザイナー、いろいろな店のオーナーや経営者など自由業、自営業の客も多い。
いま、どんな商売が成り立っているのかがわかって興味深い。

ギターを抱えて現れるサブちゃんは、本人によれば、東京に8人しか生き残っていない、そしてそのうち3人が大井町にいる「流し」の一人だ。客のリクエストに応じて1曲500円300円で歌い、伴奏する。お世辞にも上手とはいえないが、毎日誇りを持って路地を徘徊し、求めに応じて店の中や路上でライブを行い、絡んでくる酔っ払いには毅然として対応する。

つかまれば3時間は相手をしなければならない客のクリちゃんは、究極のニートだ。40歳だが無職。学歴もない。パニック障害を持ち、働くことができないのだ。生活保護を受けている。つっぱった物言いの裏に、自分の現状への苛立ちと哀しみが透けて見える。クリちゃんにとっては、自分自身のかすかなプライドが生きる縁だ。でもそれが時として自分を傷つける。
一人のニートには一人の事情と生き方があるのだ。

この社会調査から、これからどんな仮説が生まれ、それを裏付けるどんなデータが収集できるだろうか。楽しみである。

なにしろ、調査なくして発言権なしである。

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登録日:2006年 09月 07日 20:03:02

革命家の名言

毛沢東死後30年、今も失われない影響力 - 中国

【香港/中国 5日 AFP】9月9日は故毛沢東(Mao Zedong)国家主席の30回目の命日にあたる。文化大革命(Cultural Revolution、1966年-1976年)を指導した毛氏の影響力は、現在も一般中国人の生活に確固と根付いていると、専門家らはみている。写真は5日、香港の街路に飾られた故毛沢東首席の肖像写真。(c)AFP/Philippe LOPEZ


AFPBB News


以前、上山信一さんのブログに「カストロ、ゲバラ、レーニンと企業戦略」というエントリーがあったが、革命家はいろいろ苦労しているだけに、時々いいことを言う。
毛沢東の場合はこれ
「調査なくして発言権なし」
いろいろな場面でよく思い出される言葉だ。

カテゴリー[ 行政経営 ], コメント[2], トラックバック[0]
登録日:2006年 09月 07日 11:26:14

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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