2006年 09月 13日

迫り来る、変化の足音   企業の変化その4

銀行等保有株式取得機構にある弊社の株の売出しが決まった。売り出し価格は2,347円。およそ時価60億円分が市場に放出されることになる。
日本企業はつい最近まで株式を持ち合って安定していた。特に、メインバンクは安定株主だった。それがいますっかり様変わりしたことはご存知の通りだ。そしてついに最後に残った機構の株も市場に出る。
いま、金融機関は弊社の49.7%の株主だ。しかし、多くは機関投資家であり、株主としてのスタンスはかつてのメインバンクとは異なる。株主価値を毀損すれば、いつ売られてもおかしくはないのだ。
ましてや、弊社の株主の34.5%は既に外国人だ。

今年の株主総会では、弊社の買収防止策の提案にかつてない反対票が投じられた。通過することはしたが、会社提案にこれだけの反対票がでるのは、かつてなかったことだ。これには、策を立案した証券会社もあわてた。

今回の売り出し価格で計算すると、弊社の時価総額は5,000億円だ。
利回りは低いかもしれないが、弊社のブランド価値や、弊社が22.59%保有する関連会社(オートバイメーカー)の価値を考えると、割安と思う投資家がいるかもしれない。

芋づる買収を恐れ、数年前に弊社はオートバイメーカーの株10%相当を、日本最大の自動車メーカーに売却した。背後で睨みをきかせてもらおう、というわけだ。
しかし、TOB除けとしては、日本企業には有効かもしれないが、数兆円を動かす海外の投資家には、睨みなどという情緒的抑止力は効きそうもない。

もし、海外の投資家、あるいはプライベート・エクイティー・ファームが、これは割安だ、今の経営者は経営資源を充分に活かしていない、と判断したら、TOBをかけ、あるいはかけなくても外国人株主や機関投資家から株を買い、支配権を握り、プロの経営陣を送り込んで経営を刷新し、企業価値を高めて売り抜けるだろう。

数兆円単位の金を動かす投資家にとっては、5,000億はそれほど大きな額ではない。利回りが見込めれば、すぐにも手を出すだろう。
そうならないために、今の経営陣も株主価値を高める経営をせざるを得ない。そうなると、経営のスタイルが変わってくる。
当たり前だが、市場や競争のグローバル化だけでなく、所有のグローバル化も企業経営に大きな影響を及ぼすのだ。

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登録日:2006年 09月 13日 23:46:25

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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