2006年 09月 28日

会計制度の変化は企業の行動をどう変えたか

コメント欄にいただいた質問にお答えする。

日本の企業は2000年3月期より、単独決算中心主義からグローバルスタンダードである連結決算中心主義に変わった。

弊社も、おそらく多くの日本企業も、今までも連結決算はやってきたし、子会社の決算も適正にやってきたのだから、単に連結決算をメインにディスクロージャーすればいいのだろうとたかをくくっていた。

ところが、やってみるとどうも不自然だ。早い話が、分権事業部制のもとで、本体事業部の損失移転、余剰人員の受け皿、売上確保のための海外子会社への在庫の積み増しをみんながやっていた、ということがはっきりわかったのだ。コーポレートガバナンスが働いていなかったのだ。もちろん経営トップも薄々は知っていたのだが、全部あわせるとこうなるとは思っていなかっただろう。

ここではじめてトップがSCMに本気になり、流通在庫も含む全在庫削減の大号令がかけられた。また子会社の自立を促し、権限も与えた。本社からの在庫の押し付けもできなくなった結果、生産構造改革も進み、リードタイムも短縮した。

また、多くの日本企業で、ゴルフ場開発など資本コストを無視した関連会社投資が行なわれていたのが是正された。弊社の場合はリゾート開発の経営建て直しである。リゾート統括子会社を解散し、資産と負債を親会社が全て引き受け、各リゾート施設は施設ごとの子会社にして本社から施設の運営を委託する形にした。この結果事業の健全性は大幅に高まった。かなりの荒療治だった。連結決算でなかったら踏み切れなかっただろう。

連結決算重視への転換から6期が経過したが、弊社の体質は贅肉を落として筋肉質になったと思う。子会社の経営力は高まり、グローバルなコーポレートガバナンスも機能している。

まさか会計制度の変更でこれほどの変化が企業に起こるとは、30年中にいた人間としては想定外だった。

ちよこれいとさん、こんなところですが、いかがでしょうか?

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登録日:2006年 09月 28日 22:10:03

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Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
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