2006年 12月 14日

職業教育の「使用前・使用後」

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今日は、中学校の2年生の総合学習の時間に、キャリア教育の一環として生徒が行ってきた、職業についての調査や職業体験をより掘り下げてまとめ、皆の前で発表する、という授業に、講評者として参加した。

昨日は、市民フォーラム21・NPOセンターが受託している雇用セーフティネット対策職業訓練・創業支援科の最終日で、受講者の創業計画の発表の講評を行った。受講は職業安定所を通して申し込むため、受講者は雇用保険受給中の人がほとんどだ。

2日間で片や中学生、片や失業者、職業経験の「使用前・使用後」の両方の発表を聞いたわけだ。

細かいことはいろいろあるが、中学生の発表には職業についての本質を掴んだ率直な驚きがある。彼ら彼女らは、どんな職業でも、人のためになったり、人を楽しませたり喜ばせたりすることによって成り立っているということを発見している。そして、そこで働く人々が、人々の役に立つことに喜びを見出していることを観察している。そのために、一見華やかに見える職業(例えばFM局のアナウンサーも体験)でも、影で努力しているのだということも見落としていない。

一方、失業者の方の計画発表は(この創業訓練はNPOなど社会起業を目指すものだが)、そのような職業の原点が希薄になってしまっているものが多い。確かに大人になれば知恵もつく。お金の苦労も現実としてわかる。しかし自分がどう世の中の役に立とうとしているのか、その理念を熱く語ってくれる人が少なかった。失業し、新たな職業の入り口に立っているのだから、もう一度新鮮な目で社会を見て、職業の成り立ちというものに率直な驚きを感じて欲しいのだ。そしてビジネスモデルなどと言う前に自分が飛び込まなければならない。これは自分自身への反省でもある。

中学生にとって職業は、お金とか見栄えとかでもなければ小ざかしい「マーケティング」でもない。それぞれの職業に対する素朴な興味から出発して、「人のためになるから成り立つ」というそれぞれの職業の本当の意味を知ったのだ(発表者の選んだ職業は、アナウンサー、薬剤師、水泳インストラクター、先生、大工、小売)。私たち大人もこの原点に返らなければならない。

これからはじめての職業生活に踏み出す「使用前」の中学生に、そして再び新たな職業生活に踏み出す「使用後」の失業者に、共にエールを送りたい。
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登録日:2006年 12月 14日 23:26:28

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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