2006年 12月 15日
都会になりたければ
今日の夜の仕事は、ジャズピアニスト国府弘子さんの楽屋に行って挨拶するだけなので楽勝である。あとはコンサートを楽しめばよいだけ。たまにはこんな役得もなければやっていられない。
会場は、弊社が本社所在地のある市の中心市街地で今年立て替えた小売店舗の中にあるホール。120席ほどのこじんまりしたホールだが、おしゃれな内装で音響がよく、客席とステージが近くてジャズのソロピアノにはぴったりである。弊社の最高のピアノが最高の状態で用意されている。
客はピアノを習っている小学生から、着飾ったカップルや中年夫婦、マニアックなジャズファンの老人までバラエティに富んでいて、音楽好きの多い土地柄ならではである。
最初の曲は、このピアノに恋をした、という国府さんが、ピアノの鳴りをあたかもパイプオルガンのように使って弾いたアメイジンググレイス。あとは会場からリクエストを募って赤とんぼ、トルコ行進曲、イマジン、テイクファイブをその場の即興アレンジで弾くなど相変わらず達者なエンターテナー振りで、久しぶりにライブコンサートの楽しさを堪能した。
さて問題はここからだ。
コンサートが終わり、その余韻に浸るために一人で静かに2~3杯軽く飲んで帰ろうと思ったのだが、そんな店がないのだ。
最初に行ったプロントは9時15分なのに閉店。次に行った駅の中の東京グリル(ビアホール)もオーダーストップ。駅の近くの今風立ち飲み屋もなぜか臨時休業。12月15日の金曜日の夜にみんな商売する気はないのか。
やっているのはチェーンの居酒屋に地元の小料理屋。みんなグループで行くことを想定している店ばかりだ。ワインバーなどもあるのだが、どこも集団客ばかりでうるさく、一人あるいは少人数で静かに飲む雰囲気ではない。
もしこの町が都会になりたいのなら、巨大クリスマスツリーなど立てていないで、「個」の居場所を作るべきである。「個」がお互いに少し意識しながら居心地よく過ごせる場所。一人でだまっていてもいいし、お互い話してもいい。沈黙しながらも場を共有している雰囲気。もしかしたらまた会うかもしれないし、もしかしたら二度と会うことがないかも知れない人々。
集団主義は田舎の特徴だ。田舎の人は群れたがる。都会とは、一人になれるところである。
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登録日:2006年 12月 15日 22:31:27
- プロフィール
- Ryuichi Himori
- (男)
- ryuichi.himori@gmail.com
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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