2006年 12月 18日

企業の社会貢献~トヨタの場合

愛知淑徳大学コミュニティ・コラボレーションセンター主催の講演会でトヨタ自動車常務役員(社会貢献推進部、広報部、渉外部、モータースポーツ推進室など担当)の方の話を聞いた。

建前的な話しは置いておいて、いくつかおもしろかった点をあげると、

1.社会貢献の基本的な考え方として

a.豊かな社会の実現と持続的発展のために社会総コストを相応に負担する。

b.基本はまず自助、それでできなければ行政が税金でやる、それでできない分を民間(NPO、NGO、企業)が協力してやる。

c.トヨタがもてる資源を有効に活用→商品、社風ものづくり、ネットワーク。

d.社会的課題重点分野に集中→グローバルには環境、安全、人づくり。それ以外に地域別重点分野→日本ではものづくり、芸術文化、共生社会、災害対応。

2.中国で砂漠化防止のための植林活動をやっているが、植えた木に実がなり、その実を売って新たな苗木を買い、さらに植林する、という循環を作り出すことを目指している。トヨタは釣った魚をあげるのではなく、釣竿の作り方や釣竿の使い方を教える。

3.交通安全は国は交通死傷者半減を目標にしているが、トヨタの目標は「0」。

以上いかにもトヨタらしいというか民間企業らしい考え方である。

おもしろかったのは、社会貢献を行なう理由はトヨタの創業の精神である社是(産業報国、温情友愛、報恩感謝)に由来するが、その背景には神仏への帰依がある、という説明だ。感謝というのは神仏への感謝のことで、トヨタの社内には神社があり、会社と組合の幹部が定期的にお参りしている、とのことだ。

行政やNPOは企業との協働、ということを口にするが、企業には企業独自の考え方、価値観がある。それをよく理解してどのような協力関係を築けるか考えることが必要だ。社会的課題の解決について、自分たちが遅れている企業を啓蒙する、あるいは自分たちの目標実現のために企業から無条件の協力を引き出す、と考えると間違えることになるだろう。

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登録日:2006年 12月 18日 23:05:07

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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