2006年 12月 26日

ホームレスの自立

画像

写真は名古屋駅で雑誌「ビッグイシュー日本版」を売るホームレス。首からIDカードを提げ、右手に雑誌を高く掲げている。
筆者はいつもここで買っている。

ご存知の方も多いと思うが、ビッグイシューは「ホームレスの仕事をつくり自立を応援する」雑誌だ。1991年にロンドンで始まり、2003年に日本版が創刊された。

そのシステムだが、販売を希望するホームレスは、行動規範を守ることに同意し、写真と販売者番号の入ったIDカードを受け取った上、雑誌10冊を無料で支給される。
この10冊(定価1冊200円)を売った2000円を元手に、以後は1冊90円で仕入れ200円で売る。110円がホームレスの収入となる。雑誌は月2回発行されている。
ホームレスは販売する場所を割り当てられ、酒などを飲んで販売しないなど行動規範を守ることを要求され、購入者に対しては、もしマナーなどに不満があった場合にはID番号とともに通報するように要請される。

ビッグイシューはホームレスが行動規範を守り、雑誌の販売を通して社会と接点を持ち、現金収入を得てやがては住むところを確保し、定職につくことを目指している。
地域におなじみさんができて一日40冊も売る販売員もいて、既に何人かが目標を達成し、雑誌の販売を卒業していったとのことである。

このようなホームレス自立支援の方法は、行政からは出てこないだろう。ビッグイシュー日本版は有限会社組織で経営はかなり苦しいようだが、民営化とはこういうことを言うのだ。福祉予算をつけれるだけでは依存体質になるばかりで、自立にはつながらない。

筆者がビッグイシューを買うのは、ホームレスのためだけではない。実はこの雑誌は200円にしては異常に中身が濃いのだ。
表紙は毎回ブラッド・ピット、マライヤ・キャリー、マドンナ、トム・ハンクス、ジョージ・クルーニーなど綺羅星の如く有名人が飾る。
記事やインタビューも毎回豪華な顔ぶれでおもしろい。最新号は表紙がガンダムでインタビューは富野由悠季監督だ。奈良美智など著名アーティストも毎回登場し、最新のアートや音楽の情報にもふれることができる。

多くのアーティストが恐らく無償で協力しているのだと思うが、ともあれデザインを含めて雑誌そのものに商品価値、競争力ががあることは、このような手法をとる場合にとても重要である。

皆さんも、もし販売しているのを見かけたらぜひ一度手にとって見ていただきたい。

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登録日:2006年 12月 26日 00:46:26

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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