2007年 02月 27日
企画は夜つくられる

今日は来年及び再来年のジャズフェスティバルの企画会議。
東京から監修者の高名なジャズ評論家先生も加わって、喧々諤々議論が行なわれる。
企画会議といえば、よくテレビドラマやCMにあるようなガラス張りの近代的なオフィスの会議室でパワーポイントでプレゼンして決まる、みたいなイメージがあるがあんなのは大嘘だ。そんなところで企画は生まれない。
今日も先生と弊社のジャズ担当プロデューサーの議論が平行線となったタイミングを見計らって割ってはいる。「とりあえずこの辺にして、以前お話しした関西風のうなぎの店に行きましょう。」とたんにグルメの先生の顔が破顔一笑。
さてそこは静かな住宅街の一角にひっそりと立つ、コンクリート打ち放しと木を組み合わせたおしゃれな内装の、隠れ家のような店。
写真はうな重と白焼きの組み合わせ。関西風は蒸さずに焼くので香ばしいがよほどいいうなぎじゃないと固くなり、油もきつい。ここのは関西風なのにふんわりとやわらかく、しつこくない。白焼きを岩塩の塩かわさび醤油で食べ酒を含む。すっきりした地酒の冷酒が口をリフレッシュしてくれていくらでも食べられそうだ。
うな重は香ばしい香りに少し甘めのたれが良く合う。ほどよくたけたご飯とのハーモニーも絶品だが、時々つまむ箸休めの漬物の塩辛さが気分を変え、あきさせない。
おいしいものを食べ、おいしいお酒を飲めば話も弾む。「ところでさっきの話だけど・・・」とお互いの意見の相違も解消し、いい案がまとまる。昼の会議では出なかった最新情報や裏話、本音の評価も飛び交う。時間は昼の会議より短いが、はるかに有益な話し合いが続く。
こうして企画は夜つくられるのである。
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登録日:2007年 02月 27日 22:58:44
六本木のライブハウスでアートとお金について考える

ここは六本木のジャズのライブハウス。
今日は昨年秋にCDを出したばかりの新人女性ジャズ歌手の初ライブ。
ライブは客の反応がダイレクトに伝わり、失敗もできないので歌手の緊張感は録音とはまったく別物だ。まずまず無難にこなし、客の受けもいいようだ。なんといっても美人歌手なのでお客のおじさまたちも暖かい拍手と声援を送っている。
ジャズ系のミュージシャンのマネージメントは大きく分けると音楽事務所系(自分の事務所を含む)、セルフマネージメント系、タレント事務所系、の3種類に分かれる。
今日の歌手は3番目。事務所がこの子はジャズシンガーをきっかけに売ろう、と決めて作りこんでいる。プロについた1年間の厳しいレッスン、編曲・レコーディングやライブのバックには一流のミュージシャン、ライブでのトークや立ち居振る舞いも練習の跡がうかがえる。
途中で飲むペットボトルの水のラベルをはがしてあるなどはプロとして当然の配慮だ。どこでスポンサーがつくかわからないのだから。事務所の戦略は阿川泰子路線のようだ。つまりジャズシンガーで売り出してCMやTV出演などタレント活動に広げたいらしい。
今日のライブハウスにやけに背広にネクタイのおじさんが目立つのも、事務所の社長が広告代理店やレコード会社、マスコミ関係を目一杯呼んでいるからだ。ライブハウスの飲み食いもすべて事務所持ち。さてこの中の何人がこの子を使って見ようと思うだろうか。自分たちもプロなのだから見る目は厳しい。
いずれにしても、お金をかければここまで来ることはできる。しかし露出が進んだとき、本当に人々の心を捉えてブレークするかどうかは本人の才能と努力次第だ。人々を感動させたり癒したりすることができるかだ。それが欠けていればどんなにお金をかけて売り込んでも先へは進まない。マーケティングは大切だが、お客の大衆は最もシビアな批評家であり、長い目で見れば、仕掛けに乗ってだまされることはない。
アートの価値はお金では測れない。しかし現代の資本主義市場社会におけるアートの世界は、もし人々が感動したり癒されたりすれば、お金が後からついてくる。もしアーティストが食えないとすれば人々に与える感動や癒しが足りないのだ。シビアな言い方をすれば、アーティストとしての実力がない、ということだ。アーティストも、誰かが売り出してくれるチャンスさえあればすべてうまく行く、というものではない。
孤高の世界で自己満足のアートを極める、というのなら話しは別だが、アーティストは自分のアート(技)を人々に受け入れてもらいたいはずだ。一人でも感動すればアートかも知れないが、アーティストはもっと多くの人を感動させたがっている。そしてそれはマスメディアの仕掛けなどによって実現するような単純なものではない。仕掛ける側がそこを勘違いして失敗した例は推挙にいとまがない。
それにしても、今日の歌手は美人で花がある。応援しよう。とつい芸能界モードになってしまうおじさんなのである。
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登録日:2007年 02月 27日 01:43:15
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- Ryuichi Himori
- (男)
- 団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
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