2007年 04月 13日

アートマネージメント参考本

書評を書く柄ではないが、最近読んだ本の中からアートマネージメントを考える上で参考になったものを紹介する。

1.片山泰輔『アメリカの文化政策』日本経済評論社2006年

著者から贈呈されたからほめるわけではないが、アートマネージメントの概念がなぜ生まれたのか、アメリカではアートについて政府の役割は本当に小さいのか、など数々の疑問に答えてくれる好書である。

2.クサビエ・グレフ『フランスの文化政策ー芸術作品の創造と文化的実践』垣内恵美子監訳、水曜社2007年

政策とはPOLICYであり、あることの目的と手段を含む概念である。文化政策とは、単に公立文化施設の自主事業をどうするか、というような矮小な問題ではない。本書ではフランスの事例により、国家にとって文化政策とは何を目的とし、どのような手段でなされるのかがわかりやすく説明され、文化政策と何かがよく理解できる内容である。

3.見城徹『編集者という病い』大田出版2007年

本書は、表現者であるアーティストとアートマネージャーの関係とはどのようなものかについて、数々の示唆を与えてくれる。また、大衆に媚びるのではなく、市場を創り出すことによって作品を売る方法についても数多くの示唆がある。芸術だから売れない、という言い訳に対する強烈なアンティテーゼである。

4.ハンス・アビング『金と芸術ーなぜアーティストは貧乏なのか?』グラムブックス
2007年

かねてからの芸術とお金についての筆者の身もふたもない主張を、身もふたもなく裏付けてくれる内容である。アートマネージメントを志す人にはぜひ読んでほしい。アーティストには、高額所得者もいれば奥さんの稼ぎで食っている人もいるのが現実だ。それはなぜか?

筆者はAMAZONで本を買うことが多いため、時々とんでもない「はずれ」を掴まされるときがある。

あえて書名は書かないが、音楽企画とアートマネージメントに関する本で箸にも棒にもかからないのがあった。例えば「第3節:制作の実践 1.印刷物」の項でこんな記述がある。
「また、印刷屋の選択もしなければならない。印刷屋によって値段の差がかなりあるので、知人などに訊いて参考にするのが賢明だ。」
こんなことを金をとって売る著作物に書いていいものか?

現代日本においてのアートマネージメントの概念を明らかにし、その手段と実践について説明したそのものずばりの本は、ありそうでなかなか見当たらない。なければ筆者が書くしかないか、と思っている。

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登録日:2007年 04月 13日 00:22:35

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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