2007年 05月 15日

食い物のうらみは・・・

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筆者が責任者になっているジャズイベントの懸垂幕が駅ビルに掲げられた。
この写真だけ見ると、どこの都会かと思うだろう。

一週間にわたって様々なジャズのイベントが行なわれるが、実は最終日に2300席のホールで行なわれるジャズフェスティバルのチケットは完売している。
それ以外の学生のジャズフェスティバルや、250席の小ホールのイベントは、まだまだこれからチケット販売をプッシュしなければならない。

さて、総責任者としての筆者の残っている仕事は、お弁当の手配と打ち上げ会場の手配だ。なんだと思われるかもしれないが、食い物のうらみは恐ろしいのでおろそかにできない。気配りが必要な分野だ。

スタッフにとっては1週間、1日2食食べつづける楽屋弁当が唯一の楽しみだ。変化をつけなければいやになって士気が落ちる。学生のイベントには揚げ物を多く、年輩者や女性の多いイベントはヘルシーな和食系、など頭を悩ませる。出演者の中には外国人もいるし、食べ物の好みや量も様々だ。弁当を食べるのは、出演者にとって本番前の緊張の中でほっとする時間だ。豪華なものを用意する必要はまったくないが、間違えると、「あの時の弁当はひどかったね」と後々まで言われる。

打ち上げも大切だ。以前、超大物ジャズピアニストの打ち上げで、事前に刺身は食べない、という情報があったので、それを除いた料理を用意したところ、刺身を食べない、ではなく「魚を食べない」が正解だったことがある。次から次に運ばれる天麩羅などの地魚料理がまったく食べられない。かろうじて食べていただいたのが鰻の蒲焼だけ、ということで誠に申し訳ない思いをした。地元の名物を押し付けるだけだと裏目に出ることもある。

打ち上げはアーティストと主催者、またアーティストどうしの大切なコミュニケーションの場だ。別の打ち上げで、ある大物アーティストが音楽評論家の人たちを一人ひとり実名をあげて徹底的にこき下ろすのを聞いたことがある。筆者が「そうはいっても、評論家の言葉で何がしか気付かされることもあるんじゃないですか?」と言ったら、そのアーティストは言下に「そんなことは一切ない!」と断言した。アーティストがリラックスしてこんな本音が出てくるのは、成功した打ち上げだ。

このように、たかが食べ物といっても気配りが必要だ。

芸術と社会を結ぶというアートマネージメントのお仕事も、なかなか幅が広いのである。

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登録日:2007年 05月 15日 10:47:42

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プロフィール
Ryuichi Himori
(男)
ryuichi.himori@gmail.com
団塊世代の会社員から、定年を1年半後にひかえ、大学教授に転職しました。肩書きは日本文化政策学会理事、行政経営フォーラム副代表、市民フォーラム21・NPOセンター常務理事などいろいろ。行政経営(NPM)、文化政策、アートマネージメント、NPO論、都市政策などを研究しています。
というような立場を離れて、勝手なことを書かせていただきます。
(なお、mixiもやってます。)
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